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いっぱい寝たいだけなんだ!

眠れない!やばい!休み多いのに眠れないなんて
健康的じゃない!休みの日に5時間しか寝れないのはマジで終わってる!どうしよう.....











一体どうすりゃ良いんだよーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!









そうだ!山登りだ!!!
山に登れば疲れてすぐ寝れる!!
そう3日前の自分は思っていた
最近使って無いリュックのホコリを払い、服を着替えてお茶とタオルを持って家を出た

家から目的の山はそう遠く無い。10分も歩けば着く距離にあるが、なんせ坂道ばかりだからそこまでの道のりがほぼ登山だった

もう帰るか.....

そんな思いがよぎったが、何のために登山するのか健康のためだそう自分に言い聞かせて登山口に到着した

登山者カウンターを押してカウンターの数字は3142
になった、こんな腐るほどある山の中から近所の山を選ぶなんて物好きがこんなにいるのかと思うと、自分の知っている小さな世界が平和に感じられる

登っていくうちに違和感を感じた、
人が全然いないのだ、道を間違えたのかと不安になったが、看板とマップを確認する限りあっている、えっどう言うこと?だって3141人いるんだろ!怖すぎる、やばい助けてくれーーー!!!!

全くもって呆れる、疲れと睡眠不足とはいえここまで思考力が落ちていたと考えると登山すべきではなかった。でもこれはほんの一瞬だけよぎっただけであってマジそう思った訳では無い、そこまで自分は阿呆では無い。

「何バカなこと考えてんだよ!」と軽く自分に
ツッコミを入れてまた歩き出した、快晴の空に焼かれた雪が私の体力を蝕んでいく、まるでアリ地獄の中に放り込まれたかのような感覚だった。

ダメだこりゃ、おそらく小さい時にアリ地獄の中にアリを放り込んだ罪によって今になって刑が施行されたのであろう。若さは愚かと言うことを今になって身をもって知ることになるとはな....

雪ぬかるみを抜けた私はある選択を迫られることになる。看板の無いところに分かれ道があるのだ、
これを間違えは遭難しかねない、私にとっては運命の分かれ道だった。そして私は岩場では無い木の多い道を選んだ。





















大ハズレ

何やってんだよ!二択だぞ二択!あとちゃんと周りを見ろよ!岩場の方には縄があったじゃん!あー!睡眠不足の状態で行くんじゃなかったーーー!!!

進んでいくうちに雲行きが怪しくなった、段々道らしく無くなってきているのだ、気づいたらほぼ急斜面の広葉樹林をロッククライミングのように登っていた、戻ろうにも後ろに下がると落ち葉と雪でスリップして転落しかねない、その時私はただ上ろうとしていた脳内にはもう睡眠不足のことなんざ微塵も無かった、ただ生き抜くために次に掴む木を見極め
遠いところにある木に必死で飛び付いた、そしてようやく傾斜の緩やかな笹ヤブにたどり着いた。

ほぼ体力は限界だった、そして私は倒れるように笹ヤブに寝転んだ、そこで水分補給をして心を落ち着けるためにアングリーバードをプレイして15分ほど
休憩した。プレイし終えた後にふと思った












俺寝たいだけだよな....

帰ろうと思ったが帰るにせよコースに戻らなくては帰ることも出来ない、だから今度はひたすらに笹ヤブを歩いた、ただただ道なき道を歩くしかなかった、すると岩場に赤い何かが見えた、コースの看板だった


「よかった」と心の声が漏れた、本当に綺麗だった、側から見ればくすんだ錆びかけの看板だかその時の自分には夕日に白い棒を突き刺したものに見えた、実際にそんなのがあったら棒のステータスが耐熱性に全振りしてないとおかしいし、熱すぎて山火事になって永遠の眠りに着くところだがとにかく嬉しかった。

ようやくコースに戻って頂上へと進んで行ったこんな道さっきの急斜面と比べたらどれだけ楽か、その時アドレナリンが大量に出ていたのだろう、私は抑えられない興奮に従い全力で走り出した、
最高にハイってやつだ!!その時の私はゴツゴツとした岩場や雪ぬかるみをほぼ無効化していた、滑ってはいたが全く気にならなかった勢いのまま野鳥のさえずりを突っ切ってに走って行ったら目の前に頂上が見えた。

後はゆっくり上がっていった、あまりにも長かった、遠回りしすぎていた、ただその時幸福感が私を包んでいた、それは睡眠不足を解消出来そうだからか、無事たどり着いたからか....

間違いなく後者だろう

着いたぞーーーーーー!!!!!

着いたらすぐに岩の上に寝転んだ、ゴツゴツしていて寝れたもんじゃあ無いが気分はよかった、寝転んである程度疲れを取ったら水分補給をして写真を撮って汗を拭い野鳥のさえずりに耳を傾けていた

そして十分体を休めた私は上りにかかった時間の半分くらいで下山した


















結局その日も5時間睡眠だった

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