月輪観のやり方(私家版)ー密教瞑想法ー
月輪観は日本密教に伝わる瞑想法です。
阿字観が有名ですが、阿字観の阿字がない、月輪だけの瞑想法を月輪観と言います。
私見では、阿字観は「阿」とは何かを知っておくほうがいいという意見です。しかし、それはとても大変なので、「阿」字のない月輪観をますするといいと思います。
また、本来は月輪も廣澤流と小野流で形が違います。そのほか護身法胎蔵五字明常のごとしなどお次第があるのですが、これはネット上で書けません。
ですので、以下のやり方は私が編纂しなおしたやり方です。
①体を楽にして力を抜き、深呼吸する。
座り方、手の形など楽にしていいです。座っても寝ててもいいです。手もだらんとしてていいです。普通に結跏趺坐半跏趺坐で法界定印でもいいです。
②楽しかったことを思い出して、その時の体に出た「感じ」を感じる。
楽しかったことを思い出しましょう。むずむずしたりドキドキしたりしたその時の体の「感じ」を思い出します。その感じを感じて、しばらく体にすきに動くのを感じましょう。それを意識で捉えましょう。体のどこにあるのか、胸なら胸、それを感じて捉えます。
③その「感じ」を胸に持ってきて円い形にします。
その感じを胸に持ってきて、感じを円い形にします。〇は透明な水晶玉やガラス玉、または清らかな白い色がいいです。白でするとつまりその〇が月の象徴ということになります。『その白い円い月は貴方の感覚からできた玉ですから、あなたの意識そのものであり、意識の象徴でもあります。』
④呼吸に合わせてイメージで円を大きくしたり小さくしたりします。
その円い月をしばらく感じます。感じながら観ます。そのあと、吸う息吐く息どちらでもいいですが、仮に言えば吸うので月を小さくし、吐くので月を大きくします。大きくするとき、何回かちょうど体を包む大きさで止めます。そこで体の内側と外側に出入りさせて、月が体を出入りする感じを十分に認知してください。このように、意識は体の内側と外側と両方にわたっているのです。
小さくするときはゴマ粒ほどまで小さくできれば小さくします。
普段は一肘といって、当人の指先から肘までの長さくらいが基準です。
一肘だと胸には大きすぎるなら、胸に自然に収まる大きさです。
⑤円を次第に大きくします。
月である円を胸の大きさ、体を包む大きさ、部屋の大きさ、家の大きさ、町の大きさ、県の大きさ、国の大きさ、地球大、銀河大、宇宙大、宇宙そのものまで大きくします。
その時その時、しばらくその大きさのところにいて、その「感じ」と自分の意識がそれらを上から観ていると感じてその感じのイメージを感じてください。
『その白い円い月は貴方の感覚からできた玉ですから、あなたの意識そのものであり、意識の象徴でもあります』ので、その時その時、それだけの状況を俯瞰していることにもなります。
⑥円を次第に小さくします。
今度は月である円を宇宙そのものから、次第に順序に従って小さくしていきます。一回ゴマ粒まで小さくします。原子大にできればそれでもいいです。これも『その白い円い月は貴方の感覚からできた玉ですから、あなたの意識そのものであり、意識の象徴でもあります』ので、その時その時、それだけの状況を俯瞰していることにもなります。
⑥一肘の大きさに戻します。
胸に自然に収まる大きさに戻します。
⑦月を光輝かせて、光そのものにして、体に溶け込ませます。
イメージで月をどんどん光輝かせて、その光に月が溶けて、光が体に満ちて、体に溶け込むと感じます。
⑧体をゆすって意識を普段の状況に戻します。
体から力が抜けていると思いますので、少しずつでいいので体を動かして普段の意識の状況に戻します。
以上です。
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