なぜダートの方が揉まれ弱い馬が多いのか?

先日、Twitterで揉まれ弱い馬の古馬成績(集計期間7月~11月8日)を以下のような感じで流しました。

揉まれ弱い馬の勝率と単勝回収率と総数。
全 10.4% 106%(656)
芝 9.0% 160%(155)
ダ 10.8%  89%(501)

ダートの内訳(勝率、単勝回収率、総数)
偶数馬番 12.6% 113%(246)
奇数馬番  9.0%  67%(255)
大外馬番 13.2% 129%(38)

偶数枠の方が成績が良いのは、ゲート入りの順番が気性的に影響しているかも?という仮説が成り立つ。

ちなみにダートの内の馬番だと
1番 10.3% 213%(29)
2番 18.9% 157%(37)

総数が少ないので今後ブレはあるだろうけど、ラチを頼れるので行ききれれば渋太いというのが履歴からわかること。



で、ここで頂いたのが「なぜダートの方が揉まれ弱い馬が多いのか?」という質問です。

他馬を気にする、というのは芝もダートも関係ありませんが、ダートはキックバックがあり砂を被ってしまうと頭を上げて下がってしまう馬がいます。これも揉まれ弱い馬に含まれるので、これが総数を引き上げる要因の一つ。

そしてもう一つの要因は、ダートの方が馬群を苦手とする大型馬の先行馬が新馬・未勝利戦を勝ち上がるという構造的な要因です。

どういうことか?

2017年からのデータを調べると、1200mの新馬・未勝利戦を勝ち上がる平均馬体重はダートは芝に比べて16㎏重い470㎏。かつダートは先行馬が勝ち上がる率が芝よりも高いのが通常。そして良馬場のダート1200mの新馬戦の平均勝ち時計は1.14.7。1勝クラスの平均は1.11.9。つまり3秒近くの時計差があるということ。芝は時計差が0.6秒ほどでした。

これらのことをまとめて考えると、腰が甘い大型馬が脚力だけで先行し、遅い時計で勝ち上がることが可能だというのが新馬戦やレベルの低い未勝利戦ということです。じゃあ、その後この馬たちが昇級し、古馬と戦う場合にどうなるか?。

脚が長くて腰の甘い大型馬は得てして大トビで、同じ速度を維持していくのは得意でも、加速するのが苦手という馬が多いのが特徴。馬群で脚があったとしても、そこから速い脚が使えないから馬群を割れない、あるいは外に出しても脚色が一緒になってしまう。つまり特性として先行して上がりが掛かる競馬なら押し切るというワンパターンな競馬しかできない馬が揉まれ弱い馬になってしまう。こういう馬が新馬・未勝利戦から供給されやすい構造なのがダートだということ。調べてないけど、おそらく揉まれ弱い馬は体幹が2~3の馬が多いんじゃないか、と推測してます。そしてこういう馬が枠やメンバーなどのめぐり合わせで揉まれない形になった時に穴になる、というのが競馬の構図です。

芝1200mの場合は、もっと軽いスピードがあって、脚の速さや切れ味などが武器になって新馬・未勝利戦を勝ち上がる。こういうものは持久力が上がって時計に対応できるようになれば、上のクラスでも同じ競馬ができるということ。

良い質問だったので、Twitterだと流れてしまうからnoteで題材にしてみました。

それと待望の掲示板作りました。

質問や要望、競馬に関する議論など、自由に使って頂いて結構です。使いながらチャンネルも増えていくと思います。

https://discord.gg/dqssG2YxdG

よろしければサポートをお願いします。 ご購入頂いたお金がPaddock Labの発展に繋がるよう頑張ります。