チャレンジC回顧 ~ソーヴァリアント~

自分が若かった頃の最強世代といえば、スペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサー、セイウンスカイ・キングヘイローらがいた1995年生まれの世代の事を指すけれど、今年ってそれに匹敵するような世代なのかもしれない。

エフフォーリア、タイトルホルダー、シャフリヤール、ピクシーナイト、シュネルマイスター、そこにソーヴァリアントが加わりそうな成長を見せている。

1000m通過が62.9秒とペースが遅く後半4F勝負となった競馬なので番手を追走した同馬には楽な展開だったと思う。直線軽く仕掛けると後続をジリジリと着差を広げる形の楽勝だった。

この馬の特徴は馬体に遊びが多いことで速い脚が使えないこと。車で言うとディーゼルエンジンみたいな馬。高回転ではないが脚力があってトルクがあって、どんな馬場でも低速からグイグイ進んで長く脚を使えるタイプ。イメージは大阪杯がピッタリだが、この手の馬にもっとスタミナがついてくると有馬記念や宝塚記念でも活躍できるタイプに化ける。

チャレンジC 508㎏
2020/10/11新馬戦 494㎏

デビュー時と比べると体重は今の方が12㎏ほどしか違わないが、体高が随分伸びている。これによって高いトップスピードを維持することができるようになってる。

そしてトモに筋肉が浮き出ているということは体脂肪が下がり、大きな馬体を動かすだけの筋肉が発達してついてきたということ。デビューから3戦は出遅れていたのが、脚力が増して以降はゲートもスムースに出られるし、楽に先行できるように成長した。

ソーヴァリアント

使う毎にTPを伸ばしてきてるあたりにも着実に成長していることが伺える。どこでフィジカルが強くなるか?は馬によるけど、セントライト記念で7pt、今回が暫定で78なので7pt。つまり8月から14ptも強くなった計算になる。これを本格化の秋といわずして何と言おう。

母ソーマジックは桜花賞で3着に好走したマイラーで、兄弟にマジックキャッスル、ソーグリッタリングなどがいる。父がステイゴールドであるソーグリッタリングは晩成で、ソーヴァリアントもまだ伸びていく余地が多い馬だと考える。

父オルフェーヴル×母父シンボリクリスエスなので血統構成はオーソリティとよく似ているが、この後さらに伸びるのはソーヴァリアントの方だろうと思う。

それにしても、2代前にシンボリクリスエスが入った馬たちのここのところの優秀さは何だろう?。父としてのシンボリクリスエスは脚が長くフィジカルのバランスが素晴らしいのに走らせると大したことがなかった馬が多かった。それをパドックで見続けたオレたちは「ボリクリ」なんてあだ名をつけてたっけ(口が悪くてサーセン)。

しかしフィジカルの良さというのはどうやら母方に入ると上手くいくのが血統らしい。ディープインパクト産駒の母方がダート馬やスプリンターだと走るというのと同じ理屈だと思う。「スタミナは父から。フィジカルやスピードは母から。」というのが血統のセオリーなのではないかと血統を勉強し始めて1年の私は思っている。



岩田望来、悪い子じゃないんだけどね

話は変わるが、今回の競馬で気になったのがペルシアンナイト、岩田望来の騎乗。

掛かる気性の馬でも我慢をさせられる技術がある騎手だとは思う。が、内回りのスローペースの競馬であれだけ馬群で待ってたら勝負にならない。直線でヨイショと外に出して外から伸びたが先に仕掛けてたヒートオンビートさえ捕まえられない騎乗だ。

ペルシアンナイトが脚が速くてキレ味のある馬ならこれでも2着は間に合う。が、脚が遅くナマクラなキレ味タイプなので間に合うはずがない。おそらくレースを見たりして馬の特性は頭に入ってないのだと思う。

さざんか賞のテーオースパローの騎乗もフィニッシュを考えていない騎乗だった。スタートは出たけど折り合いを考えて抑えて後方待機。8頭だての少頭数でペースが速くなるはずもなく、狭い所を割りながら2着まで伸びてきた。パドックで見ても勝てる馬だが、フィニッシュを考えて逆算でポジションを考えてないので脚を余して負ける。

この騎乗だと内回りの競馬だと厳しいだろうな、というのが見た感想で、2020年からの成績を見ると2・3着が1着の1.5倍近い数になっていた。直線の長いコースならこの騎乗でも馬が強ければ勝てる。実際、良い馬に乗ることが多いので営業力は高い。

たぶん良い子なんだと思う。良くも悪くも親父のように勝ちに飢えたガツガツしたところは一切感じない。ただこのままじゃ未来は知れてる。どこで勝つための競馬を意識して乗れるようになるか。それまでは直線の短いコースでは着順を見立てより1つ落とすというのがこの騎手の評価だと思う。

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