アルゼンチン共和国杯回顧 ~血は争えない~
「な~んか似てるんだよなぁ」
パドックを歩いているオーソリティ。馬体の作り、胴の長さ、歩き方。エフフォーリアにどことなく似ていると感じたのだ。
他人のそら似?くらいに思っていたが、血統表を比べたら従兄弟でした。
エフフォーリアの背中の長さはハーツクライだと思うが、オーソリティの背中の長さはスペシャルウィークのものなのか、メジロマックイーンのものなのか?。2頭とも背中が長いことは共通している。そしてサンデーサイレンスの3×4というのも共通項。そしてこの2頭の巨体にスピードを生み出してるのはシーザリオに違いない。やはり彼女は偉大な牝馬だ。
馬体の違いはよりしなやかなのがエフフォーリアで、トップスピードに乗った時の完歩が広いのがエフフォーリアの方だと思う。オーソリティは体が少し硬い分、あそこまでのスピードは出ない。
大型馬が完成するのには時間が掛かる。キタサンブラックが本格化したのは3歳の秋以降。大きなものをしっかり動かすだけの体幹と筋力がなければスピードが出ないし脚も続かない。大谷翔平も高校生の時点では完成度がかなり低かった。長い手足を支える土台を作るのには時間が掛かるものなのだ。
エフフォーリアも新馬戦で出してる能力は決して高くなかったが、その後、綺麗な成長曲線を描いていくのがTPを見ているとよくわかる。ただこれだけデカい馬がスピードが出る上に、クラシックで通用する筋力や持久力を早い段階でつけてしまうのだからエフフォーリアは変態、いや天才なんだと思う。
オーソリティは芙蓉Sや青葉賞などのスローの上がり勝負では長く脚を使える強みを発揮しているが、ホープフルSや弥生賞で持久力の低さを露呈した形。そしてエフフォーリアも実はスタミナが問われたダービーでハナ差負けしていて、両馬ともウィークポイントはタフな馬場で脚が上がる消耗戦ということになると思う。
レースを見ると、昨年は前半のペースが速く時計が今年より0.8秒速い決着で54㎏を背負って0.2秒差の勝利。今年はスローで後半1000mが58秒という上がりの競馬。かなり余裕を持っていたようで57.5㎏を背負って逆手前のまま抜け出すと最後の100mで手前を替えてさらに突き放す楽勝だった。TPは暫定値で77。ちなみに天皇賞のコントレイルと同じ値。
次走はジャパンカップかGⅠ香港ヴァーズか。スタミナを武器にする馬ではないので有馬記念という選択肢は無いと思うが、この秋、目の離せない馬になったことは確かだと思う。
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