阪神JF回顧 ~2歳馬のリスク~
まあ若い頃なんてのは酒の飲み方を知らない。
ペースも何も考えず勢いのまま飲む。で、終電に乗って気がついたら終点だったり、翌日は二日酔いで使い物にならなかったり。大人になると自ずとコントロールが効くようになる。まあ中には飲み方がいっこうに大人にならないおっさんもいるんだけどな。
2歳馬の競馬も大体これと同じだ。自分のスピードで走りたいが騎手は抑えろと喧嘩になる。フルゲートで馬群が密集した競馬を経験したことが無いのでビビッて内外に逃げたりする。その煽りを誰かが喰う。こんな競馬でアクシデントが起きない方が奇跡かもしれない。
上位3頭については現時点での力がちゃんと反映された結果だと思う。サークルオブライフは後方で完璧に折り合って伸びる外を使って勝利。今回体幹が3→4に上がり、馬体がしっかりしてきたことで直線前半の加速する区間では性能が上がっていると思う。瞬間的なキレ味を武器とする馬ではないのでこの先体幹が上がるとまだ能力が上がると思う。
父エピファネイアということを考えると、この馬は馬体が成長し仕上がるにつれてもう少し体が硬くなっていくのではないか?と想像する。アリストテレスやデアリングタクトと同じ方向。その時が馬体が完成された状態で、来年のいつそんな仕上がりになるのか?には注目したい。
ラブリイユアアイズはデビュー当初から体幹4でもともと完成度が高かった馬。ただ非力なのでパドックで強さを感じさせないのが厄介ともいえるタイプ。血統も競馬も地味なんだけど破綻しない。この先、体重が増えたりして性能は上がる余地はあると思うがGⅠタイトルには手が届かないタイプに見える。
ウォーターナビレラはまったく惜しくない3着。離れた3番手で折り合って脚は十分溜められた。外差し有利な馬場で直線目標になって内外から差しを受ける横綱競馬で3着。あれを受けきって勝つのが強い馬。が、この辺が遅生まれで馬体が完成しきってない弱さなのだと思う。ナミュールが折り合っていたり、内を突かなかったら4着まで落ちていたと想像する。まあどのみち本命にした馬が3着の時点で予想は外れだ。自分の予想が甘かっただけ。馬に罪はない。
馬体は前走のような窮屈さは消えていた。この手の馬はどこかで変わってくるはずで、そのタイミングこそ馬が化ける瞬間。それを見逃さずに観察したい馬。
ナミュールは体重が10㎏減ったが、デキも落ち着きも前走同様だった。ただレースが厳しかった。
出遅れてCデムーロが押して馬場の真ん中へ。そこにサクが外から寄ってきて内へ逃避する形。これで掛かってしまったのが痛い。あとは直線外に出したら間に合わないと判断したみたいで、直線は伸びない内。競馬がスムースで外に出していたら勝っていた可能性は十分あった内容。
これがテン乗りの難しさだと思う。前走乗っていてこの馬の性格やキレ味を把握していたらまた違った競馬をしていた可能性はあったと思う。まあ予想できないリスクがあるのが競馬なので仕方がない。
この馬の本質は1800mがベストの馬じゃないかと思う。決してフィジカルに恵まれた馬ではなく馬体に抜群のキレ味を感じさせる馬。心肺能力が高いので脚を溜めれば直線誰よりも瞬発力がある。ただこの馬体だと間隔を詰めて体重が減るとこの先コワイかも。今回の競馬が将来のツケにならなきゃいいんだが、というのは杞憂かな。
ステルナティーアも向正面で挟まれて削られて掛かってしまった。昨年の桜花賞でソングラインも暴走族のメイケイエールにぶつけられ競馬を辞めてしまったように、ステルナティーアにとってもここは力を発揮できなかったレース。
相変わらず良い仕上がりだった。ただスムースだったら勝てたのか?はわからない。この先の成長度や奥といったモノをどれだけ見せてくれる馬なのか?。答えは春にわかるはず。
とまあ、他にもいろいろアクシデントが起こっていたが、それがフルゲートのキャリアの浅い2歳戦。もちろんどの馬にアクシデントが起きるかは予想ができないが、馬券というものは、こういうことを経験しそれをリスクとして記憶し、考えられるようになることで上達する。それらのリスクを込みでどういう馬券を買うのか、買わないのか?を考える能力を上げていくことが必要だ。
最後に月曜日かるーく二日酔いだった自分への教訓。
酒は飲んでも飲まれるな。
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