四象戦2021夏牌譜検討 〜決勝戦最終試合〜
こんにちは、Pacific Dainagonです。
これまで「四象戦2021夏の陣」の記事を上げてきましたが、今回はいよいよ決勝戦の最終試合になります。
ここまでのポイント状況は以下のようになっています。()内はトップとの差です。
PDGON +40.9
3週間さん -0.7(-41.6)
みらくる先輩さん +19.0(-21.9)
げるさん -59.2(-100.1)
順位ウマは5-15なので、1着順差で10pt、2着順差で20ptの差が付きます。また、追いつき有利のルールとなっているため、同点の場合は後から追いついた方の順位が上となります。
それを踏まえ、ざっと自身の優勝条件を書き出すとこのようになります。
・自身トップなら無条件
・みらくる先輩さんと1着順差で11800点差、2着順差で1800点差以内
・3週間さんと1着順差で31500点差、2着順差で21500点差、3着順差で11500点差以内
・げるさんとトップラスで70100点差以内
自身は現在トップ目ではありますが、こう見るとまだ全然安全圏ではありませんね。条件戦に不慣れな自分は対局の中で条件を確認しながら順位操作をできるような自信もなかったので、最終戦もやはりトップを狙って戦うことに決めて挑みました。
条件も粗方出したところで、いよいよ最後の対局に入っていきましょう。
どうぞ最後までお付き合いください。
東1局
開局しました。
まずは席順が大事ですね、アガりやめ有りのルールなので、オーラス親番の3週間さんはトップ目になった時点で連荘ができなくなります。
現在3着目の3週間さんとは大きな点差が付くと困るので、これは私としてはありがたい席順だと言えます。
2着目のみらくる先輩さんはトイメンなので鳴かせないよう絞りを入れたりすることは難しいですが、まずは自分にできることをやっていきましょう。
4巡目に上家のげるさんからリーチが来ました。
まだあまり勝負できる手ではないので、ひとまず西から切ってベタオリします。
6巡目、1sツモ切り
安牌がなくなり、手詰まってしまいました。6mが通っていますが、9mはドラなので切りにくいです。
6mがノーチャンスになっているので普通は7mを切ることが多そうですが、ここで私は1sを切りました。
9mがドラである分ペン7mに当たる確率が普段より高くなっており、かつ689mの形から5mを引いた時のタンヤオ移行のために69mを両方引っ張っているケースは多いため、6mノーチャンスとはいえこの7mは無スジと同じぐらい危険な牌ではないかと考えました。
7mが無スジと考えるなら、放銃打点を考えても端牌でタンヤオに当たらない1sを切る方が良いと思い、ウマぶりかな~と思いつつ1sを切りました。
速い巡目でソーズが全く見えていない中なので、23sがどちらもツーチャンスで上家がソーズ下を持っていないことも十分ありそう、というのも大きな理由でした。
トイメンとの横移動で決着です、なんとか凌ぎ切ることができました。
個人的には、今大会で自身の一番のファインプレーだったと思っています。
東2局
3巡目、ツモ7s 打2s
ドラドラある手ですが、門前だと大体ドラを1枚切らなければいけなくなりそうなので、かなりタンヤオで仕掛けて行くのを見ていました。7mからもう1ブロックか、566pから2ブロック作ることを考えてペン3sを払っていきました。
1sからの方が良かったと思います。
4巡目、2pポン 打發
仕掛ける前提の手組みをしているので全力で鳴いていきます。
2pをポンするとドラ2枚を使いやすくなるのも良いですね。發も切ってブクブクにします。
5巡目、6pポン 打7s
運良くドラも鳴くことができました。
7sを切って、くっつきの1シャンテンに取ります。
この上家の8sはスルーしました。
鳴くとテンパイですが単騎待ちで、その後嬉しい変化が25m引きの2種しかないこと、かつ親の現物が2枚できるので最悪親に対しては守れるようになることが大きいと判断しました。
子からであっても私はスルーしそうな気がします。
カン6mでテンパイして、上家から打ち取ることができました。
ここまでかなり良い展開で来れていますね。
東3局
3巡目、4mチー 打8p
ピンフ形でそこそこ手が整っていて巡目も早いですが、上家の4mをチーしてタンヤオに向かいました。
メンピン赤は全然見えますが、少し浮いたトップ目なので赤が使えないピンフのみのリーチをしたくなかったのと、大体テンパイまで赤5pを持っておかなければならなくなるので、先々で赤5pを切るリスクを嫌ったという感じです。
少しやり過ぎな気はしますが、そこまで無理をする必要のない条件戦なのでこの状況ならアリかなと個人的には思っています。
12巡目に1000オールをツモアガりました。
かなりツモが効いていますね。
東3局1本場
第一打、中
かなり整った好配牌が来ました。何を切るのか難しいですが、中を1枚切るところから始めました。
中を切るのは攻撃的な選択と思われるかもしれませんが、この手は数牌から何を切るかも難しいので、「中を1枚切ることで、1枚切れの中を抱えることができる」「中をポンすると安牌が1枚もない」という点で、自分の中では守備意識的なところがありました。
8巡目に4sを引いてリーチしました。
36p引きならリーチ、1s引きは微妙でツモ切りも考えていましたが、4sを引いてタンヤオが確定したので、3枚切れの36pでもこれなら打点も付いて十分と考えリーチしました。
ダマで2000点をアガってもあまり意味がないということはありましたが、ホンイツ模様の上家から字牌が溢れているのはもっと警戒した方が良かったかもしれません。
上家から6pが出ました。
上家は満貫のリャンメンテンパイだったので、自分が掴んでしまっていたら危ないところでしたね。
リーチした時点では仕掛けも入っておらず2枚切れ字牌が切られただけだったので、あまり警戒し過ぎるのも良くないかもしれませんが、事故を減らすためにダマる選択肢はあったと思います。
東3局2本場
4巡目、5sツモ切り
手形があまり良くないので、ここまで稼いだらこの親はもう無理はしないとかなり降り気味に打っています。
かと言って明らかな配牌オリを見せるとゆっくり高い手を作られてしまうので、ある程度は手を組んでアガりに行っているように見せています。
下家からリーチが来たので、全力でベタオリしました。
ツモられましたが裏は乗らず、1300,2600で済んだのもラッキーでした。
東4局
6巡目、9mツモ切り
258m3sの1シャンテンになりますが、8mがすでに2枚切れで、愚形テンパイでリーチを打つつもりがないので9mをツモ切りました。
2巡前の8p切りも、好形受け入れが多くタンヤオになる牌の方を残してスリムに打つという点で似たような意味合いです。
7巡目、ツモ2m 打西
嬉しい2mを引いてくっつき1シャンテンの形になり、ここで西を切りました。
9mを切っていることもあり7mの受け入れはあまり強くありませんが、親には現物で、トイメンもマンズのホンイツではなさそうなので後で当たってもそこまで高くなさそう、上家の捨て牌はかなり不規則なので7mも西も危なそう、かつ上家のげるさんがアガる分には問題ないので、7mは残しても大丈夫だと判断しました。
次巡に赤5pを引いてテンパイしました。
ダマでも満貫、ツモれば三暗刻で跳満あり、リーチをしても親が降りる状況ではないのでダマにしました。
この生牌の白を切るかどうかは正直かなり迷いました。
トイメンへの警戒ですが、56pの手出しがかなり気持ち悪く、發もまだ1枚しか見えていないので大三元を狙っている可能性は十分に考えられました。
悩みましたが、2巡目の發を鳴いておらず、ここでターツ落としが入るならまだ發暗刻の大三元はそんなにないだろうと考え、ラストプッシュぐらいの気持ちで切りました。
親からリーチが来ました。
一発目は2枚切れの西を引いて凌げましたが、現物がありません。
中スジの4mはドラですし、4sワンチャンスの3sや早い4pの外側で3枚切れる2pなども当たる可能性はあります。
完全安牌がないことと、「これをアガればトップ」というぐらい自分の手が高いこと、かつ3週間さんには3万点差を付けられなければトップを獲られても大丈夫なことを考慮し、最悪放銃しても良いと思って8pを押しました。
これをツモって、3000,6000の和了となりました。
当たり牌の7pを掴んでいても切っていたと思うので危なかったですが、結果的に勝負が決まるほどの大きな和了をモノにできました。
南1局
配牌で南が暗刻、5巡目に急所の7pを引き入れてテンパイしました。
自分でも出来過ぎているなと思いながら打っていました。
1人浮きのトップ目ですし、一番のライバルの親番なのでもちろんダマで流しに行きます。
同巡にトイメンからアガれました。
あまりにツいていて顰蹙を買ってしまいそうですが、なにはともあれライバルの親を流せたのは非常に大きいです。
南2局
7巡目に親からリーチが来ました。
げるさんの和了は問題ないので、もう2mから切ってベタオリします。
トイメンが追っかけリーチでツモアガりました。
この状況になると、満貫をツモられても局が進む方が嬉しいです。
南3局
第一打 西
この親番は、とにかく高い手に放銃しないことがテーマです。
役満のケアなどもしつつ、ほぼ配牌オリのような感じにするので、まずはドラから切っていきました。
4巡目、ツモ3s 打發
下家から中が切られたところで、大三元ケアで發を切っていきました。
中が鳴かれていないので、仮に大三元をやっている人がいたとしてもまだ3種全てが揃っていることはなさそうですし、發を鳴かれたなら中を引いた時に止めておくことができると考えました。
6巡目、ツモ1p 打1m
少し手がまとまってきてしまいましたが、リーチを打つつもりはないのでピンフの役ありテンパイになった時だけテンパイを取れる道を残そうと思い、若干国士無双のケアも兼ねて1mのトイツを落としていきました。
テンパイしましたが、このテンパイは取りません。
9mがすでに4枚見えたことで国士の可能性もなくなり、19字牌が安牌として使いやすくなったので、ここからは完全に降りていきます。
まだテンパイっぽい人もいなかったので通っていない4mを切りましたが、4p辺りを切った方が良かったと思います。
最後までリーチも来ず、もう大丈夫だと流局して手牌を開けてみたら、びっくりし過ぎて本当に「は?」という声が出ました。
なるべく他家の捨て牌に合わせて、生牌でない牌を切るよう注意してはいましたが、まさか本当に役満をテンパイしているとは思いませんでした。
しかも雀魂のスッタンはダブル役満なので、直撃でもツモでも非常に危ないところでした。
最後まで気が抜けません。
南4局流れ1本場
4巡目、3sチー 打西
短い条件確認の時間を終えて迎えたオーラス、
親のアガりやめがあるのでこのまま降り続けてもかなり勝ちですが、前の局のこともあるので、静観して役満をツモられることなどがないようアガりにいきます。
ですがリーチはあまりしたくないので、親警戒で少しスリムに構えつつ役ありテンパイを目指していきました。
親リーが入り15巡目にツモ、裏が1枚乗って6000は6100オールの和了ですが、これはギリギリ捲られないのでまだ続行となります。
ですが後はもうノーテン罰符だけで変わる差なので、次が本当に最後の局です。
南4局2本場
第一打 白
ひとまず素直に進めていますが、このとき内心かなり焦っていました。
こんなに僅差になって続行することは考えていなかったので、この状況になった時の具体的な条件がどのようになっているか、確実に把握できていませんでした。
具体的には、「親の跳満、倍満を耐えるかどうか?」というところになります。ここから3着に落ちることはほぼないので、3週間さんとは31500点差を付けられなければ大丈夫ですが、この時点で1200点差、跳満直撃は耐えません。
倍満ツモはどうでしょうか。親倍ツモで32000点差が付きますが、そこにプラス2本場なので32800点の差が付きます。
つまり、32800-1200は31600、これは同点追いつきでちょうど捲られる点数です。
まさかこんなことになるとは思っておらず、打っている時の私は倍満ツモで捲られるのかどうか分からないまま打っていました。しかし、この状況がまずいことだけは分かるので、自身で決着をつける必要性がより高まったと思い、この局も自身の和了を目指して打っていきます。
9巡目、3mチー 打1s
仕掛けて和了を目指します。6mと1sはどちらがいいか分かりませんでしたが、見た目枚数と万が一ドラを切ってダマ高打点に放銃しないように1sを切りました。
11巡目、ツモ4p 打6m
親が6mを切ってきたので6mを合わせました。
13巡目、ツモ6p 打3s
25pがフリテンなのでピンズを切りたいところですが、そろそろ親のメンチンも警戒しなければいけません。
8mも發も生牌なのでトイツ形の手やメンホン、上家の国士なんかに刺さる可能性があるため、巡目も深くなったので降り気味に3sのトイツを落としていきました。
全員ノーテンで流局、この瞬間私の優勝が決まりました。
まとめ
ということで、最終戦はトップで終了し、四象戦2021夏の陣の優勝を飾ることができました。
こちらが最終試合が終わった後の総合成績です。
PDGON +72.7
3週間さん +19.9
みらくる先輩さん +6.4
げるさん -99.0
壮絶な戦いでしたが、耐えるところを耐えて決めるところで決められたのと、ツモと展開に恵まれたのが大きかったと思います。
対局が終わった後に知りましたが、私はこの決勝戦3半荘を通して無放銃であったそうです。出来過ぎていますね。放銃しておかしくない場面はいくつもあったので、本当に運が良かったと心から思っています。
どこかのツモが1牌違っただけでも結果は大きく変わっていたと思うので、これほどの大きな舞台でこれほどの戦いをできたことをとても嬉しく思います。
そして全力で戦っていただいた3週間さん、みらくる先輩さん、げるさん、応援していただいた皆様、これまで私に麻雀を教えてくださった方々に、改めて心からの感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。
四象戦が終わって以降、書こう書こうと思っていたこのnoteですが、大学の課題でバタバタしたりしている内にもう3ヶ月が経ってしまいました。
この記事が公開される週の週末は、四象戦2021秋の陣の本戦、そして決勝戦がまた行われます。残念ながら今回私は本戦に出場することは叶いませんでしたが、その優勝者の方とは年度末に、四象戦優勝者の中から真の頂点を決める麒麟戦を戦うことになるので当然私は観戦します。
この記事を読んでいただいた方にもし、「四象戦おもしろい!見てみたい!」と思っていただけたなら、この長い記事を書いてきた甲斐もあるというものではないかと思います。本当に初心者のところから雀魂を始めた私にとって四象戦は本当に憧れの舞台だったので、皆様もぜひご覧いただければ幸いです。
それでは、長々と書いてきたこのシリーズもここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
少しだけ小ネタのようなものを入れました。
本編と何も関係ないので、ご興味のある方だけご覧ください。
裏話
記事の冒頭にリンクを貼りましたが、主に雀魂公式チャンネルでの決勝戦配信の裏話になります。本当にくだらないことしかありません。
・ユーザー名「PDGON」なのに配信内で「パシフィック大納言さん」と呼ばれていますが、決勝前に運営から意気込みを訊ねるメールが届き、その中に自分で「パシフィック大納言と申します」と書いたためです。PDGONでは読めませんね。
・決勝後のインタビューで「他にゲームはしていますか?」という質問に「特に何もやっていない」と答えましたが、本当に頭が真っ白になっていて、自分がつい最近まで将棋をやっていたことを忘れています。5年ほど将棋ウォーズというアプリをやっていました。最高で初段なのであまり強くはないです。
・渋川プロ、咲乃もこさん、鳳玲天々さんとのエキシビションマッチは、東4局に「オーラス」の表記が出るまでこれが東風戦だと気づいていません。最後まで無放銃を守ったままラスりました。
・四象戦の後、お世話になった配信者の方々にスパチャして回りました。オタクなので。平澤さんはまだスパチャできないサブチャンネルの方でしか配信してなかったので本を買いました。
本当に終わり。
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