フォロワーさん牌譜検討 Part.10
Pacific Dainagonです。
久々にご依頼をいただきまして、フォロワーさん牌譜検討 Part.10やっていきたいと思います。
今回は雀魂玉の間の検討になります。どうぞ最後までお付き合いください。
東1局
まっすぐは東ですが、単純トイツの9mと9pがすでに1枚ずつ切れてしまっているのでトイツをほぐして柔軟な形にしていますね。これは良いと思います。
ですが、トイツを落とすなら9pの方が良いですね。8を引いた時の形が6899pよりも677899mの方が2メンツを作りやすいので、9pよりも9mの方が価値が高いです。
3トイツの形をほぐすこと自体は悪くないんですが、単純に受け入れが狭まるのと手が進んだ時に677mが残ってる方が形が良くなるので、打点が上がるわけでもない3mくっつきはそれに見合っていないかなと思います。
孤立牌はそんなに強くないので、素直に3mを切りましょう。
下家に1000,2000をツモられました。
形にやや甘いところがありそうな部分はありましたが、方針は良かったのではないかと思います。
東2局
2枚切れの東を安牌に持つこと自体は悪くありませんが、このような手組みをする時はしっかりと状況を確認しましょう。
・他家にすぐにリーチが飛んできそうな人がいるか
・点数状況はどうか
・安牌を持つことによりどれぐらいのロスがあるのか
まず、すぐにリーチが飛んできそうな人はいないと言ってしまっていいと思います。3~7の牌が2,3枚出てきたら速そうな印象を受けますが、そういう人はいませんね。トイメンは速い可能性もありますが、断言はできないレベルなのであまり考えすぎない方が良いと思います。
点数状況的にはまだまだ東2局の平場なので、まっすぐアガりに向かって良いでしょう。
安牌を持つことによるロスは、1pを切ることで123pの3種がロスになりますね。孤立1なので受け入れは少ないですが、安牌を持つことと比較するとどうでしょう。
上記の理由を考えると、安牌を持つことのメリットは小さいと言えます。まだまだ巡目も早く、手の速そうな人はいないので、自分の和了を最大限に見るのが良いと思います。
そう考えると、ドラドラでアガりたいこの手、まだターツも足りていないので、受け入れの狭い1pとはいえ残した方が良いと思います。
ここはまっすぐ東を切りましょう。
ここも發を切るかどうか悩ましい場面ですね。
もちろんまっすぐは發を切るんですが、この場面なら發を残しても良さそうです。
まず6sくっつきの45678sのうち、68sは愚形になるのであまり嬉しくありませんね。7sだけは明確に嬉しいですが、45sは3sを持っているので受けられています。しかも6sを切って5s引きだとリャンカンになってしまうものの、345三色があるのでただのリャンカンよりも強くなっています。
さらに良いのは、この手だと發が重なっても鳴いて満貫なので、發に攻撃的な価値があるのも嬉しいポイントです。
6sを残した時のツモ7sと安牌候補兼攻撃にも使える發の比較なので、私は發を切りますがけっこうどちらでもいい部類かなと思います。
打点は十分なのでカンしない選択肢もありますが、単純に下家に9pが通っていないのと、テンパイ抽選を1回受けられるのが大きいのでカンした方が良いと思います。
1シャンテンなら大体カンしてしまって大丈夫です。2段目中盤ぐらいからの2副露はケアしていきましょう。
この9mは先切り感覚だと思いますが、これもすでに下家に当たっておかしくないですし、7mが出るとはいえ8mの受け入れも減っているので一旦南が良いと思います。
ここも南を切った方が良いと思います。
上家は2mポンで3pを押しており、この巡目だとさすがにテンパイと思った方が良さそうです。
4sは2軒の副露に当たるならこの時点で当たりそうで、かつトイメンには現物なのでトイメンのリーチが来てから切っても変わりません。
4sが当たったのは結果論ですが、もう巡目も深く、先切りをする巡目ではありません。こうなると降りも視野に入るので、一旦南を切って保留してテンパイしたら勝負、無スジをもう1枚引いたら降りるぐらいのバランスが良いと思います。
東3局
リーチしても良いかもしれませんが、私はダマが良いと思います。
親の2副露ドラポンがかなり危険で、現状役は見えませんがターツ落としに加えて赤5sも切っていて、もうテンパイしていておかしくありません。
対して自分はピンフのみの3枚切れ25sで、打点・待ちともにあまり満足はできません。ピンフのみ1000点をアガりたい点数状況ではありませんが、親に危ない牌を引いた時に降りる道もあるのでここはダマが良いかなと思います。
トイメンから5sが出て、裏1の3900をアガることができました。
もちろんこれはリーチした故の嬉しい結果ですが、親の18000テンパイと捲り合うにはやはり見合っていなさそうなので、明らかに高い仕掛けが入っている時はもう少し警戒度を上げていきましょう。
東4局
ここは字牌を切りましょう。
ドラトイツを固定したい気持ちは分かりますが、14s、特に4sを引いた時に中膨れ含みの連続形を逃すのが痛すぎます。4sを引いて2334567sになると14sと258s受けの3ブロックが作れますし、1s引きでも単に3sを浮き牌としてまだ使えるので、この2sは切ってはいけません。
ターツの足りていない形では233sなどのリャンメントイツから2ブロックも見込めることを覚えておいた方が良いと思います。
親リーが来ていますが、この3sはポンした方が良いと思います。
まずポンして安牌の南を切って満貫の1シャンテンになることと、これを鳴かないと次に無スジを引いた時にかなり降りざるを得なくなってしまいます。それに發や南を抱えて数牌を切る進行は、後手を踏んだ時に安牌を切りながら押し返すという意味なので、後手を踏んでベタオリするのではただ受け入れを減らしただけになってしまいます。
目の前に満貫が見えている手で降りたくはないので、ここは3sをポンして勝負にいきましょう。
3sをポンしないと、やはりこうなった時にかなり降り本線になってしまいますね。
もう巡目もないので、現物の3sでしっかり降りているのは良いと思いますが、勝負できる手の時は勝負しにいきましょう。
上家の1人テンパイで流局しました。
やはり形への理解に少し甘いところがあるのと、中級者の方にありがちな字牌を持ちすぎてしまう傾向にあるのではないかと思います。
字牌を持つことによって受け入れにどれぐらいの差があり、どの程度までなら和了率が落ちないのか、比較ができないうちはまっすぐ字牌を切りましょう。
比較ができるようになって字牌を持つ時は、もっと押し返しの意識を持ちましょう。
東4局1本場
2巡目で東を切ったところはダブ東を鳴かれる前に切りたいという意味で分かりますが、ここでオタ風の北を残して發を切るのはメリットがありません。安全度には差がありませんし(むしろ鳴かれていない發の方が安全な可能性すらある)、發が重なると役役ドラドラの満貫も見えるので明確に發が重なった方が嬉しいです。
素直に北を切りましょう。
こういうミスは損をする度合いが大きいので気を付けましょう。
2pを切ってしまうと単純に3pの受け入れがなくなってしまうだけでなく、この手だと一気通貫の役までなくなってしまいます。
たかがペン3pの4枚だけと思っていても、現状の受け入れ1347p中の15枚の内の4枚、しかも一気通貫の仕掛けも利くことを考えると、かなり大きくロスをしているのが分かるかと思います。
まっすぐ北を切るか、北を切らないにしてもせめて孤立牌の5mを切りましょう。
ここで北を切るのであれば、前巡2pを切ってまで北を残した意味がなくなってしまいます。
この手だけ見れば北切りは全然ありますが、ここで5mを持つよりは2pを持って一気通貫も見れた方が良かったですね。安牌として北を残したかった思考とブレてしまっているので、この進行を取った以上は5mを切りましょう。
この1pポンは良いと思います。
待ちは3枚から2枚に減るものの、3900から7700のテンパイにパワーアップしていますね。こういった仕掛けができるのはとても良いです。
2軒リーチが入ってしまい、下家に満貫をツモられてしまいました。
結果的に最終形は同じになっていそうですが、やはり受け入れを減らして浮き牌を持った時にどれぐらいのロスが出るかの比較ができていないように見受けられます。手なり進行をミスしないように心がけましょう。
南1局
どうせ1pも1sも切りそうなのでどちらでも良いと言えば良いですが、4sと受けが被ってしまっている1sから切りましょう。
こういった基本的なところを大事にしていきたいですね。
マンズの染めを見たかったのだと思いますが、せっかく一盃口もできてある程度の打点が見込めるようになったので、ここは染めを見切ってしまいましょう。35s引きのメンピン一盃口や6s引きの変則二面を逃すのが非常に痛いです。
2345sの15枚と中の3枚では受け入れに差があり過ぎるので、ここは中を切った方が良いと思います。
258mの25mで高目一盃口のテンパイですが、ここで6sを切って染めに向かうのであれば前巡1mを切った思考とブレてしまいます。染めるなら1mも残っていた方が良いですね。
1mも残して染めるのなら話は合いますが、こう進めた以上はリーチしましょう。
2mをチーして染めに向かった局面、現状はホンイツのみのテンパイですが一手でチンイツに変わります。
この8mをしっかり鳴けているのは良いですね。8mがないのでペン5mの2枚しかないテンパイですが、打点が大差なのでこれは鳴いた方が良いです。
鳴き方も678と789の2通りありますが、678で鳴くと5567789が残り、789で鳴くと5566778が残ります。どちらも待ちは58mで変わりません。
678チーは他家からただのタンヤオに見えて染めの警戒が薄れるかもしれないのと、手替わりで実際にタンヤオが付いて18000になるかもしれないというメリットがあります。
789チーはその後良形になる変化が多いですね。特に7mを引いた時の四面張が非常に強力です。
この局面では親満をアガってラスから遠ざかるメリットが非常に大きいので、更なる打点上昇を追うよりも和了率重視の789チーで良いと思います。
ここは7mを切って56m待ちに受けましょう。
変化は弱くなりますが、見た目枚数2枚vs4枚の差が覆ることは打点が絡まない限りほぼありません。
6mを引いて567m待ちに変化したところで放銃となってしまいました。
この放銃自体は仕方がないですが、序盤のやや強引な手順と道中の変化の見落としは気を付けたいポイントかなと思います。
南2局
ここは悩ましいですね。1m、6m、9p、どれもあると思います。
ラス目なので打点は欲しいですが、3着目と点差が近いのでメンピンぐらいでも全然アガる価値があるのと、一番嬉しいドラ重なりが1枚切れてしまったので、アガりやすさ重視の1m切りも良いと思います。
もう少し点差が離れていて打点を作らなければならない場面では、ドラか一盃口をギリギリまで見る打9pでも全然良さそうです。
ここは9pを選びたいですね。おそらく5677999mの478m待ちが見えていなかったのではないかと思います。
普通はヘッドレスの形が一番広くなりますが、受け入れ枚数が微差の場合は最終形の良形率が高い方が勝るのと、実はこの形では打7mも打9pも平面の受け入れ枚数が変わりません(どちらも24枚)。
それならばツモ4p以外の全ての受け入れで良形になり、かつ三面張の可能性もある打9pの方が良いですね。最終形の良形率も意識してみましょう。
上手く8pを引き入れてテンパイしましたが、捲り合いに負けてしまいました。これ自体は仕方がありません。
基礎牌理の部分はまだ学習の余地がありそうなので、単純な受け入れ枚数以外の部分も考える練習をしてみましょう。
南3局
字牌を切るのは良いですが、他家が使いづらい自風牌から切るのは良くありません。
基本はオタ風→役牌→自風の順番で切っていきましょう。
1pを切ること自体は良いですが、3着目でライバルの上家に一番鳴かれたくないダブ南を引っ張ってしまっているのが良くありません。
自分が南を重ねて2000点をアガってもオーラスは全然不利な状況ですし、ここはリーチを打ってオーラスを有利な状況で迎えたいので、鳴かれたくないダブ南は早く切り飛ばしましょう。第一打から切ってしまって大丈夫です。
まだメンツもなく速度が不安なのは分かりますが、先ほども書いたようにオーラスがキツくなってしまうので2000点の和了は許容したくないのと、この手はターツも足りず喰いタンにすると14mがペン4mになってしまうので、速度的にも速くなっているか怪しいです。
2000点を全力でアガりにいって良い場面ではないので、ここは堪えてリーチを打ちにいきましょう。
また、鳴くのであれば全力でアガりに向かわないと意味がないので1sを切りましょう。
依頼主の方からは「上家に14sがかなり危険だと思った」というお話をいただきましたが、そもそも8sも全く通っていませんし、1sを切らないのであれば降りるしかないので鳴いた意味がありません。上家に切れないのであればやはり先に1sを切って受けを広くした方が良かったとなってしまいます。
上家の和了はオーラス絶望的になってしまうので、安手の1シャンテンですがここはしっかり1sを押しましょう。
ここで諦めて気合いオリを選択したようですね。
親が押して来ていることも含めてなくはない選択肢ですが、点数状況的に降りがあまり許容される場面ではないので良くはないかなと思います。
鳴いたところで結局和了も遠く降りもできないこのような状況になってしまうので、やはり仕掛け出しの場面を見直したいですね。
トイメンから上家に5200の横移動となりました。
オーラスに満ツモ条件が残ったのでかなり嬉しい横移動ですが、やはり他家依存になってしまうのは苦しいです。オーラスを有利に進めるために自分がどれぐらいの打点をアガればいいのか、点数状況を見てしっかり判断できるようにしましょう。
南4局
満貫ツモで2着まで上がるオーラス、チンイツに向かったのだと思いますが、これは染めない方が良いかなと思います。
まず門前でもメンタンツモドラの満貫が普通に狙えるのと、チンイツに行くにはソーズの形がやや苦しいです。現状3ブロックしかない上に浮き牌の8sくっつきも弱く、かつ2sがかなり急所になってしまうので、あまり染めない方が良い形だと思います。
ここはスルーして門前でリーチを狙いつつ、トイツが増えたらタンヤオトイトイ赤なども見ていきましょう。
染めに向かって以降は順調にソーズが入り、トイメンから12000をアガることができました。
今回は上手くいきましたが、ソーズをちゃんと引けるとも上家が鳴かせてくれるとも限らないので、おそらく上手くいかない場合の方が多いです。
門前でもかなり条件を満たす手が作れそうな手牌だったので、染めに向かう時の判断は見直していけると良いかなと思います。
何はともあれ、最終的には2着になることができました。
この後は半荘全体を振り返っていきます。
まとめ
基礎牌理の部分にまだ改善の余地がありそうです。
今回見た部分以外にも字牌を抱えることでかなりの損をしていそうなので、まず基本的な牌理が身に付くまではまっすぐ字牌を切っていきましょう。牌理が身に付いた頃には、受け入れを減らすことと安牌を持つこととのバランスも今より分かるようになるのではないかと思います。
安牌を持つ手組みはメリットとデメリットを理解してバランスを取らなければただただ損をしてしまうので、非常に難しいです。今回の牌譜を見た限りではまだ手を出さない方がいい分野かなと思ったので、まずは手なり進行でミスをしないようにしていきましょう。
普段どのように勉強をされているのかは分かりませんが、オススメの動画を一つ載せておくので活用していただければと思います。
もう1つ気になったのは、特に南3局での点数状況判断です。
なるべくオーラスを優位に迎えるために、それより前の局で自分は何点をアガれば良いのか、また何点の放銃をしてはいけないのか、考えられるようになると良いと思います。
オーラスをラス目で迎えない、できれば2着目以上で迎えることと、南3局までにラス抜けが厳しい場合はオーラスに満貫ツモ以内の条件を残せるように打ちましょう。
3900テンパイからドラ単騎の7700テンパイに受け変えたりなど、打点意識は十分にできていると思うので、牌理と点数状況判断の基礎をしっかりと身に付ければ玉の間でも戦っていけるようになるのではないかと思います。
今後の更なる躍進をお祈りしています。
今回の記事はここまでとなります。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
依頼主の方を含め、この記事を見てくださった方のお力になれていれば幸いです。
Pacific Dainagon
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