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麻雀IQを高めるコラム Part.5『なぜ先制リーチは強いのか』

Pacific Dainagonです。


先制リーチは強い。」そんなことは麻雀をやっていれば誰しもが聞いたことがあるでしょうし、実際に先制リーチは強いです。

しかし、なぜ先制リーチは強いのか?その理由までは知らない人、もしくはある程度麻雀に慣れて忘れてしまった人をしばしば見かけます。
こんなにも強いリーチのことを正しく認識していないと、麻雀は上達できません。


ということで、麻雀IQを高めるコラム Part.5『なぜ先制リーチは強いのか』、やっていきたいと思います。


本記事は値段を設定していますが、最後まで無料でお読みいただけます。気に入っていただけたらご支援いただけますとありがたいです。

それでは、どうぞ最後までお付き合いください。




リーチのメリットその①:打点が上がる


リーチの最大のメリットは、自分の打点が上がることにあります。

点数計算の仕組み上、満貫までは1翻増えるごとに打点が倍になっていくので、リーチした瞬間打点が倍になるのです。

さらに、リーチの1翻に加え、一発裏ドラなんかの偶発役も付く可能性があり(ルールによる)、しかもリーチは必ず門前になるので、ツモれば門前自摸の1翻も確定で付きます。
このように強力な性質のため、リーチは実質1.5翻役だと言われたりもします。

例えばリーチのみの手、そのままアガるだけだと大体1300点止まりですが、リーチ・一発・ツモ・裏1で何の苦労もなく満貫にすることができます

もちろん確率は低いものの、どんな手でもリーチするだけで満貫になる可能性があると考えれば、リーチがいかに強いかお分かりいただけるかと思います。


時々耳にする意見として、「ピンフのみの手はリーチしても1000点が2000点になるだけなのだから、ダマにして和了率を高めた方が良い」というものがあります。
たしかに、打点が倍になるとはいえ、1000点しか増えないのならあまり得をした気にはなりません。


もちろんルールや打つフィールドも影響しますが、このような考え方は基本的に誤りです。
なぜかと言うと、リーチ・ピンフは2000点ではないからです。

より正確に言えば、「リーチ・ピンフは2000点以上の打点期待値を持っている」ということになります。
ツモの時点で2700点になり、出アガリ裏1は3900点、ツモ裏1は5200点、一発も複合すれば満貫・跳満になる場合もあります。

このように様々な打点上昇のパターンがあり、統計データではリーチ・ピンフの期待値は約3500点ほどと言われています。

つまり、ピンフのみをダマにする度に、3500点ー1000点=2500点の損失を自分が受けているということになります。(自他の和了率などにも影響するため厳密には異なる。)


お分かりいただけたでしょうか。リーチすべき手をリーチしなかった時、仮にアガれたとしても、損をしているのは自分なのです。

この打点上昇の確定したメリットと比べたら、場況やら他家の動向やらの不確定な情報など大体関係ありません。
麻雀は点棒を稼いで1つでも上の着順を目指すゲームなのですから、加点のチャンスはしっかりと逃さないようにしましょう。




リーチのメリットその②:出アガリできる


役がなかった場合、リーチすることで出アガリできるようになることも大きなメリットです。


1sを引いてドラ3のテンパイ、打点はありますが待ちはカン4mと非常に悪いです。

それでも、この手は絶対にリーチしましょう。
もちろん4mがポンされていたりすれば話は別ですが、この手はすでに満貫以上が確定している勝負手なので、アガれるチャンスを増やすメリットが非常に大きいです。

もう7巡目ということですぐに追っかけられるかもしれませんし、場合によってはすでに先制リーチを受けているかもしれません。

たしかにアガりやすい待ちではありませんが、アガれた時の見返りがあまりにも大きいので、このような勝負手はしっかりとアガりにいきましょう。
どんな待ちでもアガれる時はアガれるので大丈夫です。



さて、例をもう1つ見てみましょう。


今度は南3局、点数状況は以下のようなものとします。

東家 15000点
南家 30000点
西家(自家) 20000点
北家 35000点

誰かに満貫を放銃すると自分がラス目に落ちてしまう状況で愚形リーのみのテンパイ。ラス回避ルールの段位戦を打っていると、このような場面で悩む方は多いんじゃないでしょうか。

南家、北家がアガってくれるのは構いませんし、ラス目の親はかなり押してくることが想定されます。


しかし、この手はリーチしましょう
なぜならこの状況は、自分がアガらないとラスになってしまう可能性が上がるためです。

仮に放銃を恐れて、この手をダマにしたとします。
両脇がアガってくれれば良いですが、ラス目の親からリーチが来た時、点棒に余裕のある南家と北家は降りてしまい、ライバルの東家だけがアガれる最悪な状況になってしまいます


それでは、ライバルにアガられないためにはどうすれば良いのでしょうか。
一番は自分でアガってしまうことです。

ペン3mは良い待ちではありませんが、ライバルが押してくるなら3mも切ってくれるかもしれませんし、是が非でもアガりたいこの状況で、3mが切られた時にアガれないのは罪が重いと言えます。

万が一親に追っかけられて放銃したとしても、どうせ親の和了は自分がラスになってしまうのですから関係ありません。放銃しなかったとしてもツモられたら結局苦しいです。
その前に、自分の和了抽選を受けておくのが非常に重要になります。


また、ここからペン3mを払って、ソーズの中ぶくれで良形を作りたい!という方もいるかもしれませんが、これもオススメしません。

そもそもその変化も1245sの4種14枚でそこまで多いわけではありませんし、リャンメンになったところで大して和了率は上がりません

今リーチして全員からアガれる4枚と、将来的に14枚の中の1枚を引いて、そこでようやく全員からアガれるようになる7枚。
あまり変わらないどころか、外して再びテンパイできるかも分からないことなども考えれば、おそらく今リーチする方がアガりやすいです。

愚形テンパイは大体の1シャンテンに勝ります


麻雀は基本リスクなしには勝てないゲームです。
ある程度のリスクは許容して、リーチすべき手、すべき場面ではしっかりとリーチできるようにしましょう。



リーチのメリットその③:他家を牽制できる


前述の2つのメリットだけでもすでにリーチは強いですが、それらによる副次的な効果として、「他家を牽制できる」というものもあります。


例えばこの手。②で見たのと同じ牌姿ですが、今度は東発のフラットな状況です。
テンパイしたものの待ちは悪く、打点もありません。

しかしリーチしましょう

「アガっても安いし、追っかけられた時に放銃するのが怖い……」と思ってしまう方は多いでしょう。
もちろんこんな手で、無防備になるリーチなんて喜んでしたくはありません。

しかし、一つ言わせていただきたいのは、「失点したくないからリーチする」といった側面もあるということです。

何を言っているのか分からない方もいるでしょう。
皆さんは、放銃をしないためにはどうすれば良いの?と聞かれたら、どのように考えるでしょうか。

一番明快な方法があります。それは、自分でアガってしまうことです。
これは②にも通じることですが、リーチをすれば押してきた相手からもアガれる可能性があるので、そうなれば自分は失点しません。アガることは放銃回避にも繋がります

逆に、麻雀は降りるとほぼ失点します
他家のツモ、ノーテン罰符、もしくは降りても放銃してしまう可能性もあるので、横移動以外の全てのケースで失点してしまうのです。

とはいえ、こんな愚形ではアガれないことの方が多いでしょう。
自分がアガれなかったとしても、失点しない方法が1つあります。
それが、他家を降ろすことです。


リーチを受けた立場で考えてみましょう。

自分の手は2シャンテンながら、赤もメンツもあり、悪くない手に見えます。

しかし、リーチが来ていると話は別です。基本的にリーチに対して2シャンテンからは押せません
リーチ者はもう誰からでもアガれる状態なのに、自分はあと2枚引いてようやくテンパイ、しかもそれまでに放銃してしまっては結局アガれません。

おそらくちゃんと押し引きの勉強をしている人であれば、上の手牌からは5pか3sを切るでしょう。
このように、完全に降ろせるかは分かりませんが、微妙な相手の手牌進行を歪めさせる効果が期待できます。


しかしこういうのは降ろせません。
1シャンテンでもリーチと戦うに十分見合っている場合は、押し返されてしまいます。

ですが、それもちゃんとした押し引きの知識があってのことです。
皆さんはこの手で本当に押せていますか?
現物の5pなんかを切って、受け入れを減らしてしまったりしていませんか?

上の手は基本的に捨て牌3段目までゼンツできる手ですが、相手が間違えてくれたらもっと早く降ろせる可能性があります
特に玉の間のような、様々なレベル感の人がいるフィールドならなおさらです。先制でリーチを打つことによって相手に不利な択を押し付けて、自分は圧倒的に有利な状態で戦うことができるのです。


また、これを読んでいる人の中には「微妙な手でも押されて、追っかけに放銃してしまった」という経験をされた方もいるでしょう。
しかし、そんなことは気にする必要はありません。なぜなら、それで損をしているのは自分ではなく相手だからです。

相手は本来放銃抽選を受けるべきでない手で放銃抽選を受けているのですから、期待値的に不利な選択を取っていることになり、つまり相対的に自分は得をしています。本来放銃抽選に乗らないはずの相手が、自分に放銃するリスクを負ってくれているわけです。

そこで放銃したのは結果論であり、各者の選択による期待値は自分が最もプラスになっているのですから、自分はその選択を続けるだけで自然に勝つようになります。


今リーチすれば降りてくれるのに、リーチしなかったせいで相手が自由に打ててしまって、結果として相手にリーチを打たせてしまった、というようなことは多々あります。

このような効果により、リーチをするとかえって安全になる場合があります。リーチをしないことで、知らず知らず損をしてしまっているかもしれません。

基本的に先制テンパイは、攻撃・守備両方の意味でリーチすべきなのです。




番外編:リーチを怖がるな


ここまで言っても放銃が怖くてリーチできない人もいるでしょう。

ここで一度、先制リーチをしたことで、自分が損をするパターンを考えてみましょう。


〈全員が降りた場合〉
 1.自分の和了(+)
 2.流局テンパイ(+)

〈他家が押し返してきた場合〉
 3.自分の和了(+)
 4.流局テンパイ(+)
 5.ツモられ(0)
 6.横移動(0)
 7.放銃(-)


先制リーチを打った後のパターンは、ざっくりとこの7つに分けられるかと思います。
+が4つ、0が2つ、-が1つです。

5と6を(0)と書いたのは、自分がリーチしなかったとしても変わらない点棒移動なので、リーチの結果は±0であるという意味です。

厳密にはリーチ棒分の損失であったり、安手が降りて本手が押してくることによる失点の上昇もあったりしますが、この表を見て「けっこう失点のパターンが少ないな?」と気付くでしょうか。

実はリーチをしたことで損をするパターンは7つの内1つだけ。
しかもリーチをしなかったとしても自分が放銃してしまう可能性はあるので、「リーチをしたせいで当たり牌を止められず放銃してしまう」パターンに限られるのです。

つまり、自分がリーチしたことで損をするのは、「自分がアガれず、他家に追っかけられて、ツモられや横移動も発生せず、リーチしたせいで止められなくなってしまった当たり牌で放銃する」場合だけです。

かなりレアケースな気がしてきませんか?
ほとんど損をしないなら、なんだかテンパイしたら全部リーチし得なように聞こえます。


その通りです。
大体得なのだから、テンパイしたらリーチするべきなのです


ラス回避の段位戦を打っていて、リーチすることが怖くなってしまう方は多いです。
そういう方は、上の表で言うと7の大して起こりやすいわけでもない最悪な結果ばかりに気を取られ、1~4の自分が得をする結果が見えていないのではないかと思います。

しかもリーチすべき手でリーチをしないと、ここまで書いた①~③のメリットを全て放棄することになるので、けっこう大幅な損をします。

悪い結果が意識に残りやすいのは人間の性質なので仕方がありませんが、リーチは間違いなく麻雀で最強の役なので、その強さを正しく理解できないなら麻雀が強くなれるはずもありません。


もちろん放銃をしないだけなら、リーチをしないで守備に徹した方が良いかもしれません。でも麻雀はそのようなゲームではないので、放銃しないだけでは普通にラスを引きます

ラスを回避するためにはどうすれば良いのでしょうか。
答えは簡単、ラス目より点棒を稼げば良いのです。
ラスを引きたくないならたくさんリーチを打つべきなのです。

「ラス回避だろうがトップ取りだろうが、点棒をたくさん稼いだ奴が勝つゲーム」なのだということを正しく理解していただければ、この記事を書いた甲斐があったというものです。



Q. 麻雀で勝つためには?

A. リーチ。



それでは、今回はここまでになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Pacific Dainagon

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