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フォロワーさん牌譜検討 Part.14(後編)

東場は前編をご覧ください。
https://note.com/pacific_dainagon/n/n9b62dd1650ee

(続き)


南1局

6巡目、ツモ6m 打9m

打9mは678三色の1シャンテンであり、最も受け入れが広い素直な選択ですが、ここは打8sとするのもいいんじゃないかなと思います。

8sがあることによって8sと東のシャンポン受けが増えていますが、そもそも残り2枚しかない上に、それらを引いた時は愚形リーのみのテンパイになってしまいます。

9mを残しておくことで、57m引きのリャンメン変化と、45mを引いた時に今度はイッツーの1シャンテンにできるようになります。

この形で678三色にこだわるとピンズとソーズの良形変化を捉えられないので、イッツーになった方がより柔軟に変化を捉えられそうです。



12巡目、5sツモ切り

678三色に固定してスリムに受けていましたが、2軒に仕掛けが入り、裏目のカン5sを引いてしまいました。
(下家は7mチー打1p、トイメンは中ポン打4s)

まだ2軒とも1副露なので先切り感覚で5sを押す選択肢もありますが、この巡目にドラもない愚形愚形の1シャンテンでは少し戦うに見合っていなさそうなので、一旦南を切って5sはテンパイ勝負にするのがいいんじゃないかと思います。

親はドラを切った後の4s手出しなので、ほぼ関連牌で5sの危険度が高いのと、やはり自身の手牌価値が低いので、次に通っていない牌を引いたらもうベタオリして良さそうです。

ここで南を使ってしまってもまだ完全安牌の東があるのも、降りに寄りやすい要素かなと思います。



14巡目、ツモ7s 打南リーチ

ここまで押したのでリーチも分かりますが、この場面ならダマにするのがいいんじゃないかなと思います。

やはり残り巡目が少ない上に愚形なのでそもそもかなり和了率が低く、トイメンの親を流すのが大きい状況で、リーチによってこれ以上和了率を下げるのがラス回避においては厳しいかなという印象です。

下家はトイメンのドラをポンしていないのでそんなに高いことは少なそうですが、親に対しては終盤危険牌を止めることもあるので、諸々の状況を考えるとダマが良さそうに見えます。



南1局1本場

7巡目、ツモ7m 打6s

上家に2副露が入り、仕掛けをケアして今通った6sを切ったということでしょう。

ですが、ドラドラの1シャンテンなら十分な勝負手なので、打点の見えない仕掛けに臆さずまっすぐ1sか12mを切って1シャンテンに取りましょう。

仮に上家に放銃しても1000点かもしれないですし、それよりもアガればほぼラス回避はできそうなこの勝負手をアガり逃す方が痛いです。



9巡目、8pツモ切り

さっき安全に6sを切ったはずなのに、9pはまだしも無スジの8pを押しているのは中途半端です。

今度は2シャンテンなので、6sがあった時よりも手牌価値が下がっています。それなら1シャンテンの時に押したかったですね。
押すなら押す、降りるなら降りるで方針をはっきりさせましょう。



南1局2本場

4巡目、ツモ發 打7p

親の2副露に7pを合わせて降りたのだと思いますが、先ほどまでよりも点差が詰まってしまって親と戦う必要性が増しているのと、ここから降り始めると終盤に手詰まりそうなので、まだ押した方が良いと思います。
この巡目の2副露なら張っているかどうかも分かりませんし、両脇の2人は自分よりも遥かに降りやすい点数状況なので、2人が降りてしまうと親の一人旅になってしまいます。

まっすぐ行くなら發ですが、後手を踏みそうなのもあって安牌の發を持って進行したいのであれば、一旦1sあたりを切っておくのが良いかなと思います。


8巡目、6sツモ切り

一番放銃したくない親へのケアを最優先して、瞬間通っていて後々親に当たる可能性のある6mから切りましょう。

ベタオリする時はこういうところも丁寧に行きたいですね。



南1局3本場

3巡目、2m123チー 打8p

良い仕掛けですね。

ドラがないので門前でも大した手にならず、親を流す価値が高い場面なので、ここは南バック全力で鳴いて行ってしまって良いと思います。

あえて言うなら、私は先に8pを切って發も保険に残しそうです。



南2局

4巡目、ツモ6p 打8m

一番素直なのは打7sですが、愚形ターツが多い上にやや変化しづらい6ブロックなのと、7sくっつきでタンヤオも近づくのでちょっと捻っても良さそうですね。

打8mも柔軟な一打ですが、打1pの方が少しいいかなと思います。

単純に瞬間の受け入れも打1pの方が多いですし、打8m→ツモ2pは6mが機能しなくなってしまいますが、打1p→ツモ7mは3pがリャンメンカンチャンの形で機能しているので、余剰牌のない1シャンテンになります。

ピンズが上に伸びていることでカン2pターツの変化が少し弱くなっているので、ピンズは2ブロックに固定してマンズとソーズで残り3ブロックにするのが良さそうです。



南2局1本場

5巡目、ツモ6s 打7m

ここは打3sの方が良いですね。

浮き牌としての機能は7mも3sも変わりませんが、6mを先に引いた時に567三色があるのと、ドラが9mなので2s引きの14sよりも8m引きの69mの方が価値が高いです。



10巡目、ツモ9p 打5p

この9pはツモ切りましょう。

形上は打5pでも打9pでも受け入れ枚数が変わりませんが、リャンカンを残すことでピンフの受け入れが増えているのと、この局面だと西がすでに2枚切れなので、単純に受け入れが少ないですし最終形も字牌シャンポンにできません。

打5pが打9pに勝るメリットがないので、ここは明確に9pを切る方が良いですね。



これは結果論ですが、567三色を捉えていればカン6pのダマにしてアガれていそうでしたね。

選択が結果に影響しないこともありますが、やはり良い方にハマった時にそれを逃してしまうのが痛いので、小さな比較も丁寧に行っていきましょう。



南3局流れ2本場

5巡目、白スルー

2着目の下家からリーチが入っています。
自分の手牌価値も高いので悩ましい所ですが、これはスルーで良いかなと思います。

鳴くと満貫の1シャンテンですが、放銃があまりに痛い局面なのでライバルのラス目以外にはそこまで押したい状況ではありません。
加えて、2mと發を押すだけならまだそんなに厳しくないですが、14mが入った時に3mを押さなければならないのがかなり厳しいと思います。

下家は7mを切った後手出しを挟んでの5m切りリーチなので、単純なカンチャン落としではないため5mが関連牌の可能性が高く、しかも47mがないので、36mはほとんど待ちか入り目レベルのS級危険牌です。

さらにテンパイするまでに引いた無スジも押さなければならないことも考えると、この状況なら鳴かずに降りた方が良いかなと思います。



南4局

5巡目、ツモ中 打5s

これは良い選択だと思います。

下家とは5900点差なので6400以上の出和了か、1000,2000ツモ条件です。

リーヅモドラ1で良いためこれ以上手役を狙う必要がなく、かつドラを引くと中のポンテンでツモ直条件にできるので、中を残す価値も十分に高そうです。


10巡目、ツモ9p 打8mリーチ

リーチは絶対にするとして、打8mと打6mどちらもありそうで難しい所ですね。そんなに差はないんじゃないかなと思います。

7mがすでに3枚見えなので、47mと8m中は1枚差です。
一応リャンメンの方が1枚多く、8mの方が安全度は高いですが、1枚差のリャンメンと字シャボなので和了率は大差なさそうで、シャンポンにして脇から中でアガると無条件でラス回避になります。

7mは親の現物なので追っかけても脇から打たれるかもしれませんが、その時に裏1条件なのが微妙な所ですね。
7mが3枚見えているのに8mは生牌なので、トイツで持たれていなければ山に1枚はいそうなのもシャンポンの嬉しいポイントです。

私は打6mリーチにしそうですが、どちらにしても悪くないと思います。



しっかりツモってラス回避できました。
お疲れ様でした。



まとめ

平面の手組みはそんなに目立ったミスはありませんが、点数状況などを合わせた立体判断が課題かなと思います。

どんな状況であれ、まずは自分の和了を目指すのが基本です。
あまりにも自分の和了が遠そうな時以外は、自分がアガるためにはどうすれば良いかを最優先で考えましょう。

副露に対する押し引きも同様で、やはり一番重要なのは自分の手牌価値です。
ドラなし愚形残りなんかの価値の低い手では早めに降りるのもアリですが、満貫の1シャンテンなら打点の見えない仕掛けには基本的にツッパりましょう。

点数状況判断はそこにプラスして考えるものです。
ラス目だろうがどうしようもない手では押せませんし、放銃が罪な場面でも満貫のテンパイなら押した方が良いことが多いです。

微妙な判断になりやすい1シャンテンの時や、点数状況の影響が大きい南場以降で、点数状況を選択の材料にすることを考えましょう。




それでは、今回はここまでになります。
長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Pacific Dainagon


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