見出し画像

口先だけ主義 (気候変動対策抑制カード5/12)

気候変動対策推進の足を引っ張っているさまざまな「主義」を、カードでご紹介しています(カードに関する詳細は最下部にてご覧ください)。

Card#5 ALL TALK, LITTLE ACTION | 口先だけ主義

私たちは気候変動に取り組む世界のリーダーです。野心的な目標を承認し、気候緊急事態を宣言しています。

Card#5 ALL TALK, LITTLE ACTION | 口先だけ主義


「歴史的な対策」を発表しながら、それを証明できない政治家の言説——。一般に、政府が発表した対策の効果測定は不可能です。そこには数値化された根拠がないからです。
具体的な例を言及し、特定の期間だけをみて進捗状況を狭く、そして都合よく解釈するものがほとんど。これは決して言い過ぎではないでしょう。
口先と行動にどれだけ大きな開きがあるか…。数多ある企業や政府の例のいつくかを、こちらで確認することができます(参考: greenwash https://www.greenwash.earth/ )。
英国では現在、実績ある政策と十分な資金により支援されているのは、必要とされている排出量の40%にも満たないのです(参考: Climate Action Tracker www.climateactiontracker.org )。

口先だけ主義にはいくつかのバリエーションがあります。その1つが、温室効果ガス排出量の過去の削減実績を強くアピールするもので、これは北欧諸国によく見られます。別のパターンは、広範な目標に基づくコミットメントの設定に注目を集めるというものがある。
どちらの戦略も、実際に必要なこと(炭素価格のような具体的な政策手段の確立や、運輸・農業部門などの気候緩和における将来のボトルネックへの対処など)を行うことなく、「気候変動に関して何かをしなければならない」という国民の要求を満たすだけのものです。
政治的行動は強調されるものの、高い一人当たり(および消費ベース)排出量に対しての対策は不明瞭になり、かつ、実際にしなければいけないことが行われていません。

ALL TALK, LITTLE ACTIONのオリジナルの説明

先日、ロンドンの「イズリントン・クライメート・センター」を立ち上げた女性とお話しする機会があり、プレゼントに12枚のカードをいただきました。
カードは彼女も作成に関わったもので、英国発の環境保護団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)*」が著作権フリーの制作物として提供しているそうです。

*エクスティンクション・リベリオン | 市民的不服従、非暴力の直接行動を用いて気候変動に対する政治的な決断を促す市民活動団体。
(ところで、この機会にXRについて改めていろいろ調べ、UKで暮らす人たちに意見を聞いてみたのですが、おれが日本で思っていたような「過激な組織」という印象を持っている人は少なそうでした。
やり過ぎてしまうメンバーが一部存在しているものの、規模からすれば当然で、むしろ抗議活動の行い方としては「真っ当」であり、市民や警察に対しても協力的と捉えている人が多いようでした。)

日本とは文化的な違いもありわかりやすくはないものの、それでも通ずるところや感じるものが多いものではないかと思ったので、テキストの日本語訳を考えてみました。
イマイチなところも多々あるだろうなと思うので、「この方が良くない?」とかアイデアがあれば教えてください。そしてもし「イラストを含めて日本語版を作ってみたい」と思われるデザイナーやプランナーの方がいらっしゃったらお声掛けください。

Happy Collaboration!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?