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技術的楽観主義 (気候変動対策抑制カード4/12)

気候変動対策推進の足を引っ張っているさまざまな「主義」を、カードでご紹介しています(カードに関する詳細は最下部にてご覧ください)。

Card#4 TECHNICAL OPTIMISM | 技術的楽観主義

私たちが力を注ぐべきは、現在および将来のテクノロジーです。それが気候変動に対応するための大きな可能性を解き放つのです。

Card#4 TECHNICAL OPTIMISM | 技術的楽観主義


技術的楽観主義は、化石燃料やエネルギー需要側への直近の規制から注意を逸らさせ、その一方で技術革新の長期的(そして不確実)な見通しに注意を集中させようとします。

技術楽観主義者は、しばしば過去の技術的システム間の移行に言及します。
「これまでのように、人間の創意工夫と市場の力が、気候緩和のための移行を自然に起こすであろう」と。
より具体的な「技術神話」戦略では、低炭素技術のブレークスルーが数年以内に起こると繰り返し主張し、世間やメディアに短期主義を信じ込ませようとします。
彼らは「それが起きるのはそう遠くなく、他の気候変動対策(需要削減など)は不要だ」と主張することが多いものの、その信憑性は、なぜまだそれが起きていないのかを正当化しようとする主張と同じレベルです。

現在の技術により炭素原単位(事業活動などで排出される温室効果ガスの割合)はすでに低い、あるいは低下していると大げさに宣伝し、商品やサービスの需要拡大に伴う絶対的な排出量を無視するのも、技術楽観主義者にありがちな傾向です。
絶対的な排出量増加に目を向けず、相対的な排出量だけを見ても意味はありません。

TECHNICAL OPTIMISMのオリジナルの説明

先日、ロンドンの「イズリントン・クライメート・センター」を立ち上げた女性とお話しする機会があり、プレゼントに12枚のカードをいただきました。
カードは彼女も作成に関わったもので、英国発の環境保護団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)*」が著作権フリーの制作物として提供しているそうです。

*エクスティンクション・リベリオン | 市民的不服従、非暴力の直接行動を用いて気候変動に対する政治的な決断を促す市民活動団体。
(ところで、この機会にXRについて改めていろいろ調べ、UKで暮らす人たちに意見を聞いてみたのですが、おれが日本で思っていたような「過激な組織」という印象を持っている人は少なそうでした。
やり過ぎてしまうメンバーが一部存在しているものの、規模からすれば当然で、むしろ抗議活動の行い方としては「真っ当」であり、市民や警察に対しても協力的と捉えている人が多いようでした。)

日本とは文化的な違いもありわかりやすくはないものの、それでも通ずるところや感じるものが多いものではないかと思ったので、テキストの日本語訳を考えてみました。
イマイチなところも多々あるだろうなと思うので、「この方が良くない?」とかアイデアがあれば教えてください。そしてもし「イラストを含めて日本語版を作ってみたい」と思われるデザイナーやプランナーの方がいらっしゃったらお声掛けください。

Happy Collaboration!


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