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騙されてなかった!! アーセナル戦観戦記@ニューカッスル(2023/11/04)

タイトルで半分以上物語っているんだけど、怪しげな売り子が提示するチケットの写真を撮って、どこかにいかれちゃった後の話を。
…と、始める前に、前のを読むのがダルいって方向けに、ダイジェスト版を書いておきます。


アーセナルのニューカッスル・ユナイテッド戦アウェーゲームを観に、セント・ジェームス・スタジアムに試合開始90分前にやってきたおれ。ウロウロと会場の周りを歩き回るものの、お目当てのものは見つからず…。そう、おれはチケットを持っていなかった。

オンラインの売買サイトで2週間前は1番安くても240ポンドだったチケットは、2日前が1番安く、100ポンドを切るものも僅かだが出てきていた。だが、システム利用料だかなんだかで、手数料が30ポンド以上取られるのだ。それをケチったおれは、当日スタジアム近くで安く買えるんじゃないか? という可能性に賭けた。

そしてキックオフ15分前。「おまえ、チケット欲しんじゃないのか? 80ポンドで売ってやる」と声をかけられ、電子チケットの画面コピーと引き換えに金を払ったおれ。1人、入り口に向かうものの…一体このあと何が?!


あったゲート27-30。この4つならどれでもいいってことだな、OK。よかった、さっきよりは混んでないからすんなり入れそうだ。
えっと、バーコードリーダーはここだな。すんなり行きますように。

【【【ENTRY DENIED】】】

……焦るなよおれ。ちょっと拡大表示しすぎたんだきっと。さあもう一度。

【【【ENTRY DENIED】】】

「ダメだなそのチケット。どこで手に入れた? さっき買ったばかり? チケットオフィスに行って聞いてみた方がいい。ここでは何もできないから。さあ行ってこい」

入場係員の言葉を聞きながら、頭に血がガーッと昇っていくのを感じる。

怒り。恥ずかしさ。自分への怒り。言い訳。どうするおれ? どうしようおれ?

…とにかく、売ったやつを見つける努力をしよう。きっともうどこかにトンズラしてる可能性が高いだろうけど、もしかしたらのうのうとまだ商売しているかもしれない。
見つけても、開き直られたらどうする? …そのときはそのときだ。まずは見つけようとすることだ。

ダッシュして買った場所あたりに行くと、いた! 仲間と一緒だ。2人か。知るか。

「おいおまえ、入れないじゃねえか。ENTRY DENIEDだってよ。どういうことだよこら!!」

「ヘイヘイ。なんだよどうした? 入れなかったのか? 誰から買ったんだ?」

「ふざけんなよ!! 誰からってお前からだろ!」

「ちょっと待てちょっと待て。おれたちは今、チケットを買おうとしてるんだ。。どうしてチケットを買おうとしているおれたちが、チケットを売るんだよ。持ってないのにそんなわけないだろ?
あ、ひょっとして、おれみたいな帽子を被った男か? あいつなら、今、その階段昇った上のとこにいるぞ。急いだ方がいい。きっとまだいるはずだから」

「お? おう…。お前じゃないの? …ありがとう」


60段くらいの階段をダッシュするおれ。待って。本当にお前じゃないの? ひょっとしておれがダッシュを始めたらおまえは逆方向にダッシュして逃げるんじゃないの?
…振り返ると彼らはまだそこにいた。

いた! あいつだ。今度は間違いない。仲間と2人でいる。知るか。

「おいお前から買ったチケット使えねーよ。ENTRY DENIEDだってよ。どういうことだよこら! 今すぐ入り口まで一緒に来い。来ないなら金返せ」

「なんだよなんだよ。どうしたんだよ入れるはずだよ。入り口行くよ入り口。慌てんなよ」

「慌てるに決まってんだろ。試合始まるじゃねーか。走るぞ。おれから離れるなよわかったな」

「わかったよ。それで、なんなんだよENTRY DENIEDって? 係員はなんて言ってた? どうしてだって言ってたか?」

「おれが知るかよ。おまえの方が知ってんじゃないのか!」


ともあれ、ようやく入り口に着くまでには、すでにスタジアム内から2〜3度超大きなどよめきが聞こえてきていた。
焦るおれ。そしてどうやらダフ屋も焦りだしてる。

「おい、早くおまえのチケットでゲートを開けろ」

「待てよ、ネットワークがつながらなくて、チケットが表示できないんだ。おまえのネットワークを貸してくれ。テザリングするから。ほら。早く貸せよ!」


言われるがままにネットワーク接続画面を開きテザリングさせるものの、なかなか画面が表示されない…、がんばれ楽天モバイル!! あれ、こんな知らないやつにネットワークログインのパスワード教えていいんだっけ? でも、それどころじゃないな。
…こない…こない…こない…カモーン!! 頼むぜ。…きた! ようやく電子チケットが表示された!

ここで、おれの頭には新たな疑惑が。
「こいつ、同じチケットを何人にも売ってるんじゃないか? 既にこのチケットで入場したやつがいるから【ENTRY DENIED】だったんじゃないか?
…と、そんなことを疑っても、いまとなってはおれにできることはもう残っていない…。あとは、ダメなら金をどうにか奪い返すだけだ。
「おい、おれがゲートを抜ける準備をするから、おれの後ろからお前のケータイでチケットをリーダーに読み込ませろ。いいな。」

ここでイギリスのフットボールスタジアムの入場ゲートバーについて解説しておきたい。
1人ずつ、リーダーで読み込ませた後にバーを押して入場するんだけど、その横幅が「嘘でしょう?」ってくらい狭いのだ。本当に
太っている人が厚着していると、上着を脱がなきゃ無理。かなり太っている人だと、本当にお腹を引っ込めて肉を手で寄せてどうにかこうにか入る感じ。本当にそれくらい狭い。 
下の写真は、別の入り口だけど横幅は同じ。人によっちゃぁ、本当に横になって通り抜けようとしても無理だよね、これ?

これは16番turnstile。ターンスタイルで「改札口」って意味らしい。

【【【ACCEPTED】】】

ダフ屋のチケットはあっさり無事に読み込まれた。
「おい、どうしてお前のはダメだったんだ?」
「知るかよ。とにかくよかった。じゃあなありがとよ!」

入場してからも結構席まで遠い。延々と階段を上がって行かなきゃならない。でも、ピッチが見えた! やったー。0-0。試合開始から4分弱。まあそんなに多くを見逃したわけじゃなさそうだ。 
席も見つかった。他の人が座ってるなんてこともなかった。
ミッション・コンプリート。騙されることなく、予算の範囲内で、セント・ジェームズ・パークにてアーセナルvsニューカッスル戦の観戦成功!

後半開始直後。このときはまだニルニル(0-0)

試合結果は残念な0-1での敗戦。アーセナル、先日のカラバオカップに続き、率直にいって出来は悪かったと思います。富安先発フル出場も、プレーは特に可もなく不可もなくかなと、サカもマルティネッリも、見せ場はほぼ作れず…。残念でした。

でも試合内容そのものよりも、書いておきたいことがあって。
それは、おれが座っていたシートのこと。
ゴール裏はかなり縦に長く、多分7-80列くらいあるんじゃないかと思います。1階席が50列くらい。で2階席が2-30列。
それでおれが座ってたのは前から30列目くらいなんだけど、2階席がアウェー席で、アーセナルサポの熱い声援が上からガンガン聞こえてくる!
…ところが、当たり前だけどおれの周りは全員ニューカッスルサポ。そして多分だけど、わざわざアウェー席の近くのチケットを買うような感じの熱めのサポたちなんじゃないかと…。

もうね、すごいんですよ。何かといっては振り返って上の席に向かって中指を立てるは、おれには聞き取れないスランギッシュな罵声を延々怒鳴り続けるは、おれでも知ってる「Same ol’ Aresenal, always cheating」や「You’re not singing, anymore」の歌を何度も何度も何度も繰り返して歌ったり…。もちろん、アーセナルの選手には常に罵声です(You Bastard!)。
それよりも、何が1番嫌って、ニューカッスルがいいプレーするたびにグータッチしたり肩組んできたりハイタッチを求めてくる。
「お前はチャイナじゃなくて、日本か。東京か? ニューカッスルまで良く応援にきてくれたな。今日は一緒にアーセナルをぶっ飛ばすぞ。ヒャッハー!」って…。
アーセナルファンだってバレないよう、アーセナルのいいプレーにできるだけ反応しないようにしていました。ただときどきは…。そしてニューカッスルの明らかにいいプレーや惜しいプレーには、拍手を送りましたよ、ええ。
そんなことを続けていたら、気づいたら後半、無意識にニューカッスルに拍手してることがありました! …このときは自分が憎らしかった…。反省しましたよ。。。

試合後、ピッチ脇まで降りて記念撮影。


ということで、これはエディンバラに帰る列車の中で書いています。
予約してた列車はなぜかキャンセルされていて、その後前もかなりガタガタのスケジュールになっていました。駅で係員に聞いたら、「この後すぐ出る便なら多分座れるけど、それ以降はどんどん混むから席が見つからないかもね」と。
そして無事、席は取れたものの、なぜか電源がイカれていてケータイの充電ができない…。ということで、家に着くまで充電が持つか心配なので、noteにアップするのは帰宅後とします。


1泊2日のニューカッスルの旅は、とても貴重な経験にあふれたいい旅でした!
今後はアウェー戦を見るときはちゃんとアウェー席で見ることにします。

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