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騙された?! アーセナル戦観戦記@ニューカッスル(2023/11/04)

さてさて、今日の、なかなかに複雑な気分と経験について書いておこう。

まず、今おれは安いタップビール(1パイント2.9ポンド)の看板に惹かれて、ニューカッスルサポーターまみれのバーでビールを飲んでいる。John Smith’sってやつで、アルコールは低めだがコクがあって悪くない。

そして店内のテレビでは、さっき終わった試合の解説をジェイミー・ギャラガーがしゃべっているが、そんなのはお構いなしに、店内にはなぜか難しそうな顔をしたおじさんDJがいて、大音量でクラシック・ロックを続けざまにかけてる。
店内はときどき大合唱だ(Because the night belongs to us!)。

スタジアムのすぐ近くのパブが地元チームのサポーターで溢れているのは当たり前だし、強豪アーセナルに勝った後だ。大声で歌いたくなるのも、歌うのも、当たり前だろう。まあいいだろう。
そしてこんな店の片隅に、1人放っておいてもらえるのも悪くない。特に、ニューカッスル・アポンタインの勝利の瞬間に、こちとらまったく嬉しいわけもないのに、ウザいニューカッスルサポに抱きつかれ肩を組まれ、一緒に敵の勝利を喜んでるフリを散々しなきゃならなかった後は。
それにしても、おれの周りの奴ら、アーセナル・サポへの悪態のつき方レベルが酷かったな…。

毒を喰らわば…

さて、そろそろ本題に入ろう。
まず最初に書くべきは、チケット購入のことだろう。特に試合のチケットを持たずにビッグマッチを観たいと考えている人の参考にはなるんじゃないか。いい参考かどうかは知らんが。
焦った。怒った。安心した。

スタジアムに着いたのは試合の90分前。人の流れはまだそこまででもないが、時間とともにどんどん増えていく。
おれも「自分がチケットを売るんだったらこの辺りかな」みたいなことを考えながら、スタジアムの周りをぐるぐると歩いてみたけれど「チケット売るぜー」みたいな素振りのやつはまったく見かけない。
うーん、こないだのグラスゴー・レンジャーズ戦を観にIBROXに行ったときは、結構チケットを上空に掲げて歩いているやつを見かけたんだが…。

キックオフまで残り15分…。ここでようやく初めて「TICKET」と書いたケータイを胸の前に掲げている奴を見かける。
声をかけようとしたところで、別の2人組が先に話しかけていた。ところどころ聞こえる彼らの会話。
「友だちが具合悪くて…だからチケットは1枚しか…そんな安くは…」。
おれの英語力と盗み聞き能力とでは、話の内容はよくわからない。「そんな安く」って、一体いくらっていってたんだろう?
…どのタイミングでカットインするべきだろう? そろそろか!?

「チケット欲しいのかおまえ?」
ソワソワしている様子にピンときたんだろう。といかにも怪しい感じのやつが声をかけてくる。
「いくら払う? 今日の試合はビッグマッチだからな。いくらなら払う? チケット手に入んないって知ってんだろ。いくらなら払う?」と畳みかけてくる。

はっきり言って、おれはやつの勢いに飲まれてた。
「えっと…あんまりお金ないんだ。席によるさ金額は…そもそも現金は40ポンドしか持ってないんだ。今日のチケットは、定価は40ポンドだろ?
それに、そもそもお前が本物のチケットを売ってるのかだってわかんないし。」

「定価なんて知らねえよ。でも40ポンドで買えると思ってるならお前はイカれてる。本当は120だけど、キックオフも近いから80で売ってやる。80ポンドだ。
交渉はなし。ゴール裏の観やすい席だぞ。現金持ってないならあそこで下ろせる。一緒に行ってやる。80ポンドだ、交渉はなし。」

「…わかった。でもお前の電子チケットが本物かわかんないから、お前も一緒に入り口まで来い。」


「これ、騙され出る可能性あるよな。とはいえ、当日会場近くで買うってことは、どんな買い方しようと騙されてる可能性をなくすことは不可能だし…。せめてできることは、最後の最後までカネを渡さないことくらい?」
そんなことを考えながら、一緒に通りを渡ってTesco Express(コンビニみたいの)の脇にあるキャッシュディスペンサーで金をおろす。
「金を渡すのは最後の最後にしないと。あっという間にドロンされそうだからな。」

入り口(ゲート)までおれをエスコートさせることにしたものの、そいつも入り口はどこだかよくわからないという。
近くにいたオフィシャルに電子チケットを見せて、入り口を聞く。「このまましばらく先まで行ったTurnstill27まで行け」だって。一緒に歩き出す。

「おい、今ので偽物じゃないってわかったよな。正式な係員が電子チケット見て案内しただろ。お前のwhat’s upの番号教えろ。電子チケット転送するから。」

ここでおれが軽くパニくる。what’s upはスコットランドに来る前にインストールしておいたけど、番号ってなに? どこからわかるの? アプリ立ち上げても、マイナンバーなんて見つけらんないんだけど。どこにあるの? プロフィール? アカウント? 見つかんないんだけど?!

「いいよもう。この画面を写真に撮れ。それでチケットのバーコードを入り口でかざして読ませろ。それで大丈夫だから。ほら、写真撮れ。よし。じゃあ金よこせ。じゃあな。」

「いやお前、一緒に入り口までくるって言ったじゃんか。なんだよ急に。来るんだろ。来いよ。いや来て。来てください。」

「さっき係員が本物だって証明しただろ。ほら、写真撮れ。OK。それで大丈夫。写真撮ったんだから金よこせ。OKじゃあな。」

キャプチャーで撮った電子チケットの写真。


あ〜行っちゃったよ。いや、おれが金渡したから行っちゃったわけで、行かせちゃったんだな…。ダメじゃんかおれ。押しの強さに負けちゃって。

ともあれ、キックオフももうすぐなのに、どのゲートから入れるのか、チケットを見てもよくわからない。そもそも、このチケットか本当に「ゴール裏の中段」の席なのか。そもそも本当に本物なのか…。

不安な気持ちを抱えながら、係員に改めて聞き、言われたゲートに向かう。結構あるな。。。



と、ここまでが昨日の夜のうちにパブで書いた部分でした。
ここからが本番なんだけど、長くなったので続きは次回に。

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