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タダ乗り主義 (気候変動対策抑制カード3/12)

気候変動対策推進の足を引っ張っているさまざまな「主義」を、カードでご紹介します(カードに関する詳細は最下部にてご覧ください)。

Card#3 THE FREE RIDER | タダ乗り主義

排出量削減は我が国の力を弱めることになります。他の国々は本気で排出量を削減するつもりはなどないでしょうから。

THE FREE RIDER | タダ乗り主義


タダ乗り主義は「誰かが損すれば誰かが得する」という考え方を気候変動に持ち込むものです。
私たちが排出量削減に取り組めば、それを利用しようとする国や組織が出てくるだろう(トランプ元大統領の「COPは炭鉱の仕事を減らすのではなく、単にアメリカから海外に移すだけだ」という声明を覚えていますか?)という考え方であり、他国への不信を促すものです。

これは気候変動に対するこれまでの取り組みの成果を無視したものであり、今後の取り組みを低レベルな競争へと向かわせることを助長します。
「高潔で、公正で、行儀良くしすぎている国は、狡猾で、それを利用しようとしている他国に食い物にされるぞ」と主張しているのです。

多くの適応政策は、人びとにより高い回復力を与えるのと同時に、温室効果ガス排出量削減を促進するという二重のメリットを有しています。
米国上院は、気候変動への適応に関する2019年の報告書でそれを確認しています。IPCCもまた、適応策がもたらすコベネフィット(一つの活動が複数の利益につながっていくこと)に言及しています。
私たちは、世界的大流行(パンデミック)がどれほど壊滅的な影響を私たちの健康、経済、社会に与えるかを、Covid-19を通じて目にしたはずです。

THE FREE RIDERのオリジナルの説明

先日、ロンドンの「イズリントン・クライメート・センター」を立ち上げた女性とお話しする機会があり、プレゼントに12枚のカードをいただきました。
カードは彼女も作成に関わったもので、英国発の環境保護団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)*」が著作権フリーの制作物として提供しているそうです。

*エクスティンクション・リベリオン | 市民的不服従、非暴力の直接行動を用いて気候変動に対する政治的な決断を促す市民活動団体。
(ところで、この機会にXRについて改めていろいろ調べ、UKで暮らす人たちに意見を聞いてみたのですが、おれが日本で思っていたような「過激な組織」という印象を持っている人は少なそうでした。
やり過ぎてしまうメンバーが一部存在しているものの、規模からすれば当然で、むしろ抗議活動の行い方としては「真っ当」であり、市民や警察に対しても協力的と捉えている人が多いようでした。)

日本とは文化的な違いもありわかりやすくはないものの、それでも通ずるところや感じるものが多いものではないかと思ったので、テキストの日本語訳を考えてみました。
イマイチなところも多々あるだろうなと思うので、「この方が良くない?」とかアイデアがあれば教えてください。そしてもし「イラストを含めて日本語版を作ってみたい」と思われるデザイナーやプランナーの方がいらっしゃったらお声掛けください。

Happy Collaboration!


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