見出し画像

破滅主義 (気候変動対策抑制カード11/12)

気候変動対策推進の足を引っ張っているさまざまな「主義」を、カードでご紹介しています(カードに関する詳細は最下部にてご覧ください)。

Card#11 DOOMISM | 破滅主義

どのような緩和策も遅きに失する。破滅的な気候変動を逃れることはもうすでにできないのだから、あとはどう適応するかだ。いや、もう神や自然に運命を委ねるかしかないのかもしれん。

DOOMISM | 破滅主義


もちろん、(社会、環境などの)被害を完全に防ぐにはもう遅すぎます。
しかし、気候変動について科学的に語られていることを誇張することに、一体なんの意味があるのでしょうか(セールス活動には大いに貢献し、売り上げにはつながるのかもしれませんが...)。
破滅主義は無価値です。キッチンからの出火が他の部屋に燃え広がろうとしているのを前に、「何もできることはない。私たちはもう終わりだ…」と傍観しているようなものです。

「すでに運命づけられている」と言うのは誤りです。
私たちには、持続可能な世界に暮らすための必要な変化を起こす時間がまだ残されています。国連事務総長のアントニオ・グテーレスは、2023年3月の時点でも「それは可能だ」と繰り返し述べています。
破滅主義者は、気候変動に対処する自らの主体性を放棄し、意味ある行動をとる責任を逃れているのに過ぎないのです。

なによりも、最終期限など存在していないのです。もちろん、20年か30年前にきちんと対策をスタートできていればどれほどよかったでしょう。
しかし、仮に2025年に、あるいは2030年に行動を起こさなかったからといっても、すべてが失われるわけではありません。
理解すべきポイントは、取り組みが遅くなればなるほど、フィードバック・ループはさらに酷くなり、事態が破滅的になっていくということです。

DOOMISMのオリジナルの説明

先日、ロンドンの「イズリントン・クライメート・センター」を立ち上げた女性とお話しする機会があり、プレゼントに12枚のカードをいただきました。
カードは彼女も作成に関わったもので、英国発の環境保護団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)*」が著作権フリーの制作物として提供しているそうです。

*エクスティンクション・リベリオン | 市民的不服従、非暴力の直接行動を用いて気候変動に対する政治的な決断を促す市民活動団体。
(ところで、この機会にXRについて改めていろいろ調べ、UKで暮らす人たちに意見を聞いてみたのですが、おれが日本で思っていたような「過激な組織」という印象を持っている人は少なそうでした。
やり過ぎてしまうメンバーが一部存在しているものの、規模からすれば当然で、むしろ抗議活動の行い方としては「真っ当」であり、市民や警察に対しても協力的と捉えている人が多いようでした。)

日本とは文化的な違いもありわかりやすくはないものの、それでも通ずるところや感じるものが多いものではないかと思ったので、テキストの日本語訳を考えてみました。
イマイチなところも多々あるだろうなと思うので、「この方が良くない?」とかアイデアがあれば教えてください。そしてもし「イラストを含めて日本語版を作ってみたい」と思われるデザイナーやプランナーの方がいらっしゃったらお声掛けください。

Happy Collaboration!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?