のん/禾森硝子

もうアカシックレコードがほしいなんてわがままは言わないから、広辞苑分冊版をください。 …

のん/禾森硝子

もうアカシックレコードがほしいなんてわがままは言わないから、広辞苑分冊版をください。 アイコンはなるほどねメーカー(https://picrew.me/share?cd=imOyr5rAZw )さんと、ケミカルシステムLEさんの枠からお借りしています。

最近の記事

6.7℃が結構高熱だったころ

 誰も感覚を正しく教えてくれる人なんていないのになんでみんなお医者さんの問診に「正しく」答えられるんだろうとずっと不思議だった。どういう風に痛いとかどのくらい辛いとかって、何をどういう尺度で見たらいいか不明だ。おそらく悪寒らしきものを背中に乗せながらそういうふうに思い出した。今でもこれが悪寒なのかどうかはわからない。擬音で言うとゾクゾクだから多分悪寒なんだろう、と判断する。あくまで、判断する。ゾクゾク、という擬音、一個の表現を通して誰かとぼくはまさに今「悪寒」という色とか形と

    • ゆで卵の中の黒猫(のちにげっ歯類)

       明け方に、愉快な夢の続きを見られないかと思って眠り直したら二本違う夢を見た。やっぱり最初の夢がいちばんよかった。今日は自転車で走り回ったので二本の別の夢は街中にころころ落っことしてきてしまったらしくほとんど覚えていないのだけれど、最初のがよかったという実感だけは残っている。ぼくはゴシックでバロックな感じの部屋にいて、そこは大きな大学によくある傾斜のついた講義室をぎゅっと小さくしたようなところだった。校舎の奥まったところに位置する教室は薄暗くて埃っぽく、机と椅子のくっついた長

      • 無いかもしれない古書店の

         さいきん、頭の片隅が微弱に起きているように眠ってばかりいて、昨日今日がいつからいつまでの長さだったのか判然としなくなっている。そのせいなのか知らないけれど、まだコミュニケーションの手段になっていない、思考ツールとしての言語ばかりが溢れていた。今日約束があったことも人と話したこともなんとなく何か間違っている気がする。この間東欧っぽい響きの名前のついた古書店に行ってたくさん買い込んでしまったのは、部屋に積まれた本の数からして現実に違いないのに夢なのかもしれないと疑念が常にいる。

        • 犬とクッキー

           ぼくにとっていちばん本を読むのに適している体勢というのは、床にうずくまって鼻先まで持ってきた本をじっと眺めるというものだ。とにかくしゃがみ込むことが重要なのだ。図書館には大体毛足がみじかくてごわごわしたカーペットが敷かれている。すねやひじをそこに預けてほとんど動かないまま何時間でも過ごしていられた。昼間子ども用の図書館に行った。司書さんが挨拶をしたのでぼくも「こんにちは」と返した。子どもの挨拶だった。機嫌はいいけど少し緊張してすましていて、他のことで頭がいっぱいなことがすぐ

        6.7℃が結構高熱だったころ

          内側の内輪ネタ

           えっとですね https://twitter.com/nonwakatomilk/status/1345011623446990850?s=19 https://twitter.com/nonwakatomilk/status/1345012170556207109?s=19 承前  内輪ネタってあって、忌避されがちだったり逆にめちゃくちゃ使われたりする。ぼくはというと別に厳密な定義もなく好きなやつあるなあ、なんでだろうなあとなんとなく思っていた。しかもその好きなやつっ

          内側の内輪ネタ

          白くて丸い

           食べること好きだし基本的にはいっぱい食べるひとなんだけれども、ときどき普通のものを食べる気が起きない時期にさしかかる。白くて丸いかんじのものが食べたい。白くて丸い、何なのかは知らない。  そもそも食べ物の好き嫌いがぼくにはほとんどないのだ。スイカ好き、果物好き、甘いのと紅茶も好き、辛いものが圧倒的に食べられない。あげるつもりになれば「出汁味が好き」とか「野菜全般食べる」とかそういうことも言えるけれど、それに言及していったらだいたいのものを言うことになると思う。肉魚野菜米パン

          チョコレート・バーは0か2

          「痛みを十段階で表すとしたら、今はどのくらい?」  という質問を診察室でされたことがある。ぼくは答えられなかった。普通にわからなかったから。  自分の考えてることを数値化するのが苦手だ。今課題でそういうことをやっている。テストみたいに明確な基準があって明確な数字が出るのはわかりやすくて好きだけど、こういう曖昧なものを数値化すると余計によくわからなくなる。から、なんか気持ちわるい気がする。から、チョコレートを食べる。ぱちぱちと弾けるキャンディーが入った、少し分厚めのチョコレート

          チョコレート・バーは0か2

          明らかに正解ではないが「掬」という字にはなっている

           よりによって結構面白く受けてちゃんと出席してた授業が(しかも2つほど)自分の出席確認ミスでダメっぽいという1から100までどーにもならんことをやらかした。だいぶ凹んだ。字のごとく。ぼくはこういうことをする……そう……直面しちゃったよ……  と思ってたんだけど、おかしくないだろうか。  ぼくがこういうことをするっていうのは常日頃ぼんやりと、しかし確実に意識されていることだ。でもそういうときはこんなにべこべこに凹まない。じゃあなんで今はこんなに凹むんだろう。不思議だ。不思議で

          明らかに正解ではないが「掬」という字にはなっている

          黄色の夢

           さっき見た夢で黄色いものだけ売ってる人を見た。屋外だった。天気は良くて乾いていたけれど、陽炎がたっているように見えた。夢だったからそう見えただけだろうか。レジャーシートの上、黄色い靴から黄色いしましまの靴下がにょっきり立っていた。 「これなんですか?」 「いや、わからないな」  わかんないのか。売るな。と、起きた今なら思うけど、寝ているぼくは寝ているので、今度は隣の四角い物体を指さした。これも白と黄色で、縦長の長方形の上に飛び出た四角があるようなものだった。継ぎ目はなく

          とりあえず何かは考えていた(いる)

           小学生のひとを小説で書いてるので必然、小学校のことをいっぱい思い出したりする。なんかいつもうすらぼんやりとかつ無意味に愉快だったし、同様に不愉快だったもしたなと思う。出来事で言うとだいぶ困ってることも多かったけど、(連絡帳って今もあるんだろうか。ぼくはあれを書くのがものっすごく苦手だったぞとさっき思い出したのだ)でも、授業中と泣いてるときと喋ってるとき以外はずっと鼻歌歌ってるような小学生だった……いやこれ今もだね。うすらぼんやりとかつ、無意味に愉快。同様にときどき不愉快。基

          とりあえず何かは考えていた(いる)

          カブトガニがしっぽを振って

           今日は花火大会の日だった。それは現実の話じゃなくて、あつまれどうぶつの森ってゲームの中だけでの話。すごくほんとっぽい空気感があって、例えば風船のひもが引っ張るとたわむ。ぼくは花火が単純に上がるのも好きなんだけど、ぱっと開いたあとにいかにも火の粉らしく燃えながら落ちていく残りの光を見るのがより好きだった。蒔絵っぽさもあるよね。確かに花火は上がっていたし、落ち方もすごく本物みたいだったけど、あの燃えているもの独特の内側から光っている感じはやっぱりない。  大きい花火がみたいなあ

          カブトガニがしっぽを振って

          3コンボ!

           一時間目の課題が時間ぎりぎりまで先延ばしにされている、課題をしていて二時間目を忘れかける、参加した瞬間にぼくがレジュメを出す日だったと思い出す。見事な3コンボを決めて我ながらびっくりした。元々課題が多い学校じゃなかったから最近こういうことなかったけど、そういえば宿題ってシステムが不得意だった。  でもレジュメのこと、怒られなかったな。口頭で発表をやったとは言え、課題をすこーんと忘れていて怒られないのなんか新鮮だった。課題を全部リマインダーに入れておこうと思ったこともあったけ

          手袋か枕を投げてください

           課題で恋愛小説を書かないといけない。その前はホラーだった。どっちも書けない/書きたくないやつだけど、大変さで言ったら恋愛小説の方がよっぽど上だ。だって、わかんないから。したことないとか興味がないとか、そういうことも言うしあるけれど、それ以上に「わからない」のだ。  みんなの語る恋愛を自分の頭で考えようとしたとき、ものすごい空白地帯に足を踏み入れるイメージが強く出てくる。つかみどころがないし、まずそこは存在する場所じゃない気がする。ゲームのバグで黒いところを歩いているみたいな

          手袋か枕を投げてください

          月明かりと月の光、どっちがMOONSHINEかな

           思うとぼくはずっと宵っ張りだった 眠くならないというか、眠る気にならない 眠る口実がぼくの中にない  どうにも寝付けないから座ってお雛様みたいにぐるぐる巻きになってみたり、起き出してなんだか折り紙をやっていたりしたような気もする 折り紙なんてぼく、しばらくできなかったはずなんだけど  結局星がちかちかするのを見たり眠る前に読んだ本の内容を繰り返したりで、眠くなるまでの長い暇を潰していたはずだ  そういえばベッドサイド・ストーリーの本をもらってからそこそこ素直に眠っていた気が

          月明かりと月の光、どっちがMOONSHINEかな

          コップの中の嵐

           今日『今夜、すべてのバーで』を読んだけどよく考えると今日読むものじゃなかった気がする。20歳の誕生日前夜です。明日の夜に読めばよかったのかもね。  お酒飲みたくなさがすごい。お酒が悪いわけじゃない、カクテルの本を何冊か好んで読んでいる。もちろん中島らもが悪いわけでもなくて、あのイニシエーションくささがいやだ。飲むってことの大人だよねって感がね、なんかね、ありますよね。バンジージャンプは笑うくせにな。たった一つ、飲料の選択肢が増えるだけのことがなんかいやなんだ。『今夜、すべて

          コップの中の嵐

          意図せぬスクショとマッチ、およびポンプ

           うっかりなのでよくスマホの画面がぐっちゃぐちゃになる。しかしうっかりなので四日に一回くらいは間違ってホーム画面のスクショを撮っている。おかげで直すには困らない。世の中上手くできてる。もしくはこれをマッチポンプという。  マッチポンプって放火→消火で丸儲けの意味らしいけど、マッチとポンプの威力が釣り合ってなさすぎてちょっと怖くなるよね。マッチから始まってポンプ持ってこないと収まらないんだ。世の中理不尽なことばっかだな。一応日記として書いてるのに思ってもいないことを書くのはどう

          意図せぬスクショとマッチ、およびポンプ