週記29【8月4日】

テスト期間。
一限に補講がある、と聞いていたので一応大学に行ったが、始業時間を過ぎても教室内には私と友人Aしかいなかった。「補講がある」というテイだったことに、一見してから気づいたお馬鹿さん二人である。
わざわざ1時間半かけて向かったのに、何事もなく踵を返すのは腹立たしい。車で通学しているAも同じ気持ちだった。


大学生の娯楽なんて知れている。私はまず最寄りの競馬場を調べた。
残念ながらその日はレースが無かった。畜生、こういう日が私にとっての一粒万倍日だというのに。
射倖心に包まれた私はAに「パチンコ行く?」と尋ねたが、Aは堅実な人で、賭博に対ししっかりと嫌悪を示していたので、これ以上、ソッチ系の提案するのをやめた。今後二度と彼をクズの道に誘う行為を禁止とする。

大学の最寄駅から少し遠いところにラウンドワンがあったので、そこに向かうことにした。
開店は10時。1時間ほど空白があるが、本屋によれば少しは潰せるだろう。Aの目標であるワンピースの新刊のためにも、我々は近くのツタヤに向かった。


Aの車内で、私がディスクジョッキーを務めた。
最近ミスチル大好き期なので、Applemusicの「はじめてのMr.Children」をかけた。
Aは音楽に疎い。三曲目あたりで、「これB'z?」と聞いてきた。
「いや、ミスチル」
「ああ。同じようなもんや」
個人的には結構違いがあると思っていたミスチルとB'z。Aからすれば同じようなもん。これが価値観の違い。
「なるほどな」私が発するこの言葉には、大抵こんな思考が内包されている。


ツタヤは色々ある。
暇な時間が長いとアレなので、私は二人でもできそうなボードゲームを探した。「カードしか入ってないボードゲームはカードゲームと呼びたいがそうするとトレーディング感が出てしまって困る問題」については、別の機会があれば。


駅を西に進んでいくA車。私は少し疑心があった。
「ラウワンって、こっち方面やっけ?」
確か、駅の東の方じゃなかったか?
この辺に住んでいるA。土地勘は私より冴えているはず、とたかを括っていた。
「でも、こっちの方でボウリングした記憶があるから…」
呟くAを尻目に、地図アプリでラウンドワンと調べる。
結果画面に私は目をひん剥いた。
ラウンドワンは、駅から南東にあった。
即Aに伝え、すぐに左に見えたマックスバリュを使ってUターンした。


余談だが、私が通う大学の市内にはマックスバリュが多くないか?

私が通う大学の市内にはマックスバリュが多い!!!

(うるさい)
本当だからだ!!!



上記により私が好きなYouTuberがバレることはさておき、私はもう一つの懸念を持っていた。
(行くまでに右往左往や七転八倒があったおかげで、ボドゲやる暇あらへんのちゃうか?)

マックスバリュに入ったタイミングで、9時半を過ぎていた。
地図アプリでは「目的地までの所要時間:24分」とある。
丁度、ボドゲがいらない。
案の定、到着したのは10時過ぎ。
さよなら、俺の2,200円。心で唱えた。


ボウリングは高い。これはもうずっとそう。
協議の結果、我々はダーツをすることにした。Aは堅実な人で、今までダーツもビリヤードもやったことがないらしい。私がとりあえず、ダーツの1から3までを教えた。4から先は、私も知らない。
楽しかった。でも別に上手くないので、こんなミラクルプレーしたよ!という自慢はできない。


2時間ほどダーツをした後、UFOキャッチャー一回無料券とメダル10枚プレゼント券を貰った。
もちろん、UFOキャッチャーでは何も取れなかった。「ラウワンの無料券マジでいらんけどせっかくならやっとくかって考え別に両方とも得してない問題」については、またの機会に。

しかしメダル10枚、これはギリ夢が見れる。
私は火山みたいなオブジェクトがあるメダルゲームに向かった。
これは0か数倍かのハイリスクハイリターン台で、夢がある。
10枚全てを注ぎ込み、ボール発射のボタンを押す。
ボールがアウトに入ると0枚。×2,×3などの穴に入れば、2倍,3倍だ。

私はここで10枚のメダルを30枚にした。
その後様々なゲームを練り歩き、メダルの枚数を63枚にした。
最後に向かったのは、「DUEL DREAM」という筐体。
結論から言うと、いや、結論のみ言うと、私はここで63を0にした。
私はあの台を許さない。二度と遊びません。

片やAはと言うと、最初に挑んだ火山のメダルゲームで1発アウト。2秒で溶かしていた。
こりゃ、こいつには賭博は向いてねえな。そう思った。




オチなし。



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