新規プロジェクト「PAC」について

こんにちは!藤田です。

前回投稿でまとめました
「クラウドファンディング」についてですが、
その先に用意をしていた僕たちのプロジェクト。

今回はそれについて、大まかな方向性が固まってきましたので
報告したいと思います。

まずはプロジェクト名は
「PAC プロジェクト」

PACとは、Pro Aid Company の略で
プロのAidの専門家(理学療法士や作業療法士など)の集団が
医療介護福祉の現場の課題を解決する、ことを目的にしています。

そのエリアは、日本から世界へと活躍の場を広げていきます。

しかし、日本の介護現場は連日「人材不足」が言われるほど課題は散見しています。まずは、自分たちの足元から着実に改善し、そして世界の問題解決ができるように実施していきます。

では、実際に何をするのか?というところなんですが、
単刀直入にいうと、
「介護施設の利用者の介護度を改善する」です。

これを目指すことで、現在介護の現場で起きている全ての課題の答えを見つけることができます。

まず、介護現場での課題は大きく分けて3つ

1つ目は、人材不足
2つ目は、経営の悪化(全事業所の半数近くが赤字)
3つ目は、業界全体のイメージ

この3つは、それぞれが独立した問題ではなく、1つの共通した大きな課題から派生した問題になっています。

1つずつ解説をしていく前に、介護度の改善を目的にすることがなぜ特別なことなのかを解説します。

ここでの登場人物は、施設(経営者・スタッフ)・ケアマネージャー・利用者(家族も含む)ですが、それぞれの立場から介護現場を紐解いていきましょう。

まずは、施設です。ここには2人思いの違う人が存在します。まずは、介護施設の経営者。彼は、介護上がりまたは事業として介護施設を経営するために建てた介護未経験者のどちらかが多いです。介護現場上がりの経営者の場合、介護の現場のことはわかりますが、経営に必要なことが不足している可能性があります。経営には、現場サービスの向上だけでは出来ないことが多いのです。
次に、介護未経験者の経営する施設の場合、経営するのに必要な数字のことはわかります。そのため、業務の効率化を図る方針を立てるところが多くなります。しかし、それを中心に実施していくと現場と経営との解離が始まります。

施設側のもう1人はスタッフです。介護スタッフとしては、利用者に直接関わるため、身体的にも精神的にも最も労力が必要になる重要なポイントです。
では、スタッフのモチベーションはどこにあるかを考えてみます。仕事をする上でのモチベーションは、やりがい・給与・将来性・時間などが一般的に言われます。このときに介護で問題視される点が、やりがい搾取という言葉です。この用語は、人に対してありがとうを直接言ってもらえるために精神的に満足度が高い分、給与を高く与えることが出来ないため、労働とその対価が見合わないというときによく使われます。

しかし、介護の現場で潜在的な問題になっているのは、間違いなく「将来性」です。これは、仕事としてではなく、利用者との将来性と考えた方がいいでしょう。なぜなら、業種としての将来性だけだと、日本の高齢化は2060年まで上昇し続けます。ということは、向こう40年仕事が必ずある将来性の高い仕事だと言えます。しかし、介護現場はどうでしょうか?毎日関わる方は高齢者で、この方は介護が必要だから施設に来ています。
つまり、未来に対して希望があるわけではなく、残された人生をどう過ごすか、ここがポイントになるわけです。このときに、施設の方針とスタッフとの思いがバッティングする点になります。

次は、ケアマネージャーです。介護の仕事で、ケアマネが最重要人物だと言っても過言ではありません。ケアマネの仕事についてはYouTubeで話をしていますので、そちらをご覧になってもらえると嬉しいです。

そのケアマネの仕事を身近な仕事で例えてみるので、スーパーマーケットにしましょうか。スーパーのユーザーはお客さんなのでここを利用者にしましょう。次に、スーパー側は、施設ですね。

となるとスーパーとお客さんをつなげる役割がケアマネになります。いわば、宣伝をしてくれる人ですね。新聞の折込チラシやSNSとか、広告を担う点がケアマネの仕事と言えます。

ここで考えて欲しいのですが、スーパーは大体新しく出来たら1回行ってみますよね。そこで商品や値段などを他のスーパーと比較し、今後もいくかどうかをお客さん本人が決めることが出来ます。これは、スーパーが一般的だからです。なので、広告の役目は初動だけで、継続的に来てもらうときにはそこまでの力を発揮しません。また、その土地に住んでいる人がそのスーパーを利用するので、大きく顧客層が変わることもありません。ですので、広告はそこまで重要な役割ではないです。逆に言えば、スーパー自身がどのようなスーパーにするか他店との差別化は何かなど、サービス提供者自身が頑張らないといけないことが多くなります。

これを踏まえた上で、介護の話に戻りますね。
まず、介護というものは話題になって長いものの歴史は浅く、大抵の人は人生で親の介護が初めて関わる機会になります。つまり、一生で1回〜4回で大抵の人が「知らない」サービスになるんですね。なので、スーパーのようにとりあえず1回行ってみて比べてみよう、なんていうよりも、専門家の意見を聞きたいです、になってしまいます。このサービス利用をする人、利用者やその家族に対して、こんなサービスがありますよ。と説明をする仕事がケアマネなんです。ということは、いくらいい施設にしていても、ケアマネにそれが伝わっていなければ、ケアマネは利用者やその家族に伝えてくれません。なので、施設をいくらよくしても、ケアマネがキチンとそれを理解し、利用者に説明出来なければいけないのです。

最後の登場人物は、利用者とその家族ですね。ここは1つとして考えてもいいでしょう。ここはサービスを選び、お金を払う人という位置付けになります。ポイントは、どのサービス利用者もベテランの人はいないということです。つまり、今の世代でようやく、自分の両親を介護して、自分がその番になったという人たちで、人生でも2回目の人たちなんです。しかも、親の介護から自分の介護までの間に20年ほど時間が経過しているわけですから、介護の制度もサービスも変わっています。すると、選べなくなるわけですよね、なので、ケアマネにおんぶに抱っこになるんですが、ここで問題が出ます。

選ぶ基準がサービスの質ではなく、利用料が基準になってしまうのです。つまり、施設なんてどこでも一緒だから、安いところにしましょ。それってどこなんですか?なんです。
そして、この質問をされたケアマネは、安いところを提案します。経済面は非常に重要な点なので、安くていいところがいいんですが、この観点だけ広がるとそのしわ寄せは、利用者と施設スタッフにいく構図になっているのです。

だいぶ長くなってきましたね。
ここまでまとめたものを動画にしてみてもいいかなと思い始めてきました。

もう少し頑張って書きましょうか。

登場人物が出揃ったところで、今問題になっている人材不足・経営の悪化・イメージの悪さを考えていきます。

人材不足は、言い換えると現場スタッフがいないということですね。でも、考えてみてください。日本のハローワークにはたくさんの職を求めている人がいることを。また、新しい仕事のYouTuberにはたくさんの若者が集まっていることを。つまり、いないのではなく、いるけど集まって来ないが正しいんです。

次、経営の悪化ですが、基本的に介護は介護保険の報酬によって成り立ちます。介護保険は利用者が一部負担を行い、残りを国が支払います。国は介護保険費用として保険料を被保険者から徴収します。それを財源に高齢者の介護を支えているんですね。さて、このときに介護保険を活用してサービスを受けているのは、利用者ですが、そのサービス内容を十分に理解しているのでしょうか?
また、そのサービスを提供しているスタッフはどのようなサービスを行う必要があるのかを十分にわかっているのでしょうか?
それら全てがわかっているのは、経営者です。経営者は介護保険の算定要件を理解した上で、その条件をみたし、その中で、経費を極限まで削減し、サービス提供を行います。介護は人件費率が約70%の仕事ですので、削減して大きい部分は人件費です。ここを削ることで、経費を抑えることが出来ます。さらに、選ばれるために、なるべく一般的な加算のみを算定し、利用者を集めます。すると、改善のために頑張った施設を応援するために準備しているはずの加算を取らないことや介護保険外サービスもなるべく安く提供しようとします。

しかし、ここで考えて欲しいのは、高齢者は果たしてお金がないのか?というところです。下の図をみていただきたいのですが、

画像1

https://www.stat.go.jp/data/zensho/2004/tansin/gaiyo10.html から引用

このように、年間の収入は30才代よりも少ないものの貯蓄に関しては男性で2000万円を超えてるのです。この高齢者がお金をため込む理由は「何かあったときのため」なのですが、今、何かあったときなので、それを使わずに何に使用するんだ、なんですね。つまりは、高齢者に対して、今その貯めたお金の使い所だよ。ということをきちっと伝えた上で、サービスを購入してもらわないとダメなんです。この説明をするのがケアマネなんですね。でも、ケアマネの仕事は説明も含むんですが、おしゃべりのプロというよりも、介護のプロがマネジメント業務ができるようになったのがケアマネなので、より分かり易く伝えられる言葉も考えないとダメなんです。これが施設側にとって必要な努力になります。

最後に、イメージの悪さですが、これは経営が安定することで改善することが可能です。経営が安定すると、人件費を増やしたり、人員を増やすことが出来ます。人手が増えたり、考える時間の余裕が生まれたりするとサービスの質が向上します。それを確実にケアマネに伝え、ケアマネが利用者に伝えることで選ばれる施設になります。すると経営が安定します。このいい循環を作ることがイメージの悪化を改善します。なぜなら、現場が成長していいとお墨付きがもらえるようになるからです。

仕事が嫌になる理由としては、「自分じゃなくてもいい」「この仕事が作業になっている」のような、あなたの成長を望まない状況のときに嫌になります。介護のいい循環を作ることで、自分の成長もかんじ、さらに報酬も増え、新しい可能性が広がります。

さて、ここまで登場人物の整理をしながら、課題に対しての解決策を述べてきましたが、

「介護施設の利用者の介護度を改善する」に関して、
どうしてそれが現状出来ないのかについては割愛しています。そこには、いろんな人の思い込みがあるのですが、ここも長くなりそうなので、また別の機会に話しますね。

インスタグラムもYouTubeもnoteも日々更新していきますので、少しでも興味をもたれた方、一緒に介護の世界を変えていきたいと思われる方はメッセージいただけると嬉しいです!

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