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コインランドリーやってます②理不尽な規制

うちの会社ではコインランドリーを経営しています。

約8年前に事業をはじめたのですが、やってみると気付いたことがあります。


儲かってる店舗でもランドリー機器の利用率は20%未満

何となく「儲かっている店舗ならランドリー機器もひっきりなしに使われているんだろう」と決めつけていました。しかし実際にデータを取ってみると、意外にも実際に利用されている時間はわずか20%未満。つまり80%以上の時間は使われていないのです。

コインランドリーの機器はけっこう高額です。安くない機器を働かせず遊ばせておくのはもったいない。そう思い、何か機器の空き時間をマネタイズ出来ないかと思案しました。

洗濯するための機械なんだから洗濯に使えば良いのでは

当たり前ですがランドリー機器は洗濯するためのものです。だったら洗濯に使えば良い。ということで次のように考えました。

・誰かから洗濯物を預かって、洗濯、乾燥、畳みまで仕上げてお返しするのはどうだろう。
・ターゲットは忙しくて家事を外注したい家庭、インバウンドを含む観光客あたりでどうだろう。
・洗濯、乾燥、畳むという作業はけっこう定型化出来そうだから、あるタイプの知的障害者、発達障害者には向きそうだ。障害者雇用を推し進めているウチにはうってつけでは。

あくまで事業のラフスケッチですが、試して見る価値はありそうです。テスト的に運用することを想定しても、すでに機器類と人的資源はあるので初期費用はほぼ不要で、失敗してもリスクは低い。そう考えました。

洗濯代行サービスはクリーニング業なので…

しかし、調べてみるとこのアイデア実現はかなり実現が難しいとわかったのです。
私の考えた事業はクリーニング業法で定められたクリーニング業にあたることから、次のような規制があるわけです。

①クリーニング師という資格者が必要
②コインランドリーの機器を洗濯代行サービスで使ってはならない
③コインランドリーと洗濯代行サービスのスペースは明確に分けなければならない

まず①について、クリーニング師資格は都道府県ごとバラバラに試験が実施されていることがわかりました。都道府県ごとに難易度もバラバラで、難関地域と簡単地域があることも。
とはいえ資格については、無経験でも受験可能であり、簡単地域で受験すればいけそうだと判断しました。

問題なのは②、③です。
特に②です。コインランドリーの機械を洗濯代行サービスで使えないって、それではこの事業アイデアの根本が否定されるじゃないですか!何でこんな規制があるの?
納得できないのでダメな理由を保健所に直接聞きました。
回答は「同じ機械を使うと衛生的に問題があるかもしれないから洗濯代行サービスで使用してはならない」…いや、衛生的に問題があるならコインランドリーでも使っちゃダメでしょ。
っていうか、そんな衛生的に問題のある機器は使わないし、コインランドリーでも洗濯代行サービスでも使う機器は同じメーカーのほぼ同じ機器ですよ。

③も致命的です。コインランドリーと洗濯代行サービスのスペースを明確に区別するほど各店舗は広くありません。
ちなみにこれも問い合わせると、「衛生的に問題があるかもしれないから」と同様の回答でした。

調べてみるとこの規制はちょっと古いもので、クリーニング業への事実上の参入規制なんですね。未だにこんな理不尽なものが残されているなんて…

というわけで、違法行為を行うわけにはいかないので、一旦このアイデアは諦めることにしました。
ただ、将来的にこんな規制は撤廃されるでしょうから、その時に備えてクリーニング師を取得しました。これについても面白かったのでいつかnoteに書こうと思います。

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