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2020年に見たアニメ3選

はじめに

2020年、私は鬼滅の刃を年始に見たことがきっかけで、アニメにドはまりしました。特に鬼滅の刃の劇場版が公開された10月以降、その他のアニメも見始め、改めて日本のアニメの質の高さに感動しました。本記事では、そんな私が今年見たアニメの中で特に良かったアニメを三つご紹介したいと思います。

1. 進撃の巨人

あらすじ:人類は突如出現した「巨人」により滅亡の淵に立たされたされ、生き残った人類は「ウォール・マリア」、「ウォール・ローゼ」、「ウォール・シーナ」という巨大な三重の城壁の内側に生活圏を確保することで100年の間、辛うじてその命脈を保っていた。しかし、突如現れた超大型巨人と鎧の巨人によって「ウォール・マリア」が破壊され、人類は再び生存をかけて巨人と戦うことになる。(Wikipediaより。一部改。)

好きなセリフ:「(前略)どんなに夢や希望を持っていても、幸福な人生を送ることができたとしても、岩で体を打ち砕かれても、同じだ。人は、いずれ死ぬ。ならば人生には意味は無いのか?そもそも、生まれてきたことに意味は無かったのか?死んだ仲間もそうなのか?あの兵士達も無意味だったのか?いや違う!あの兵士に意味を与えるのは我々だ!あの勇敢な死者を!哀れな死者を想うことができるのは生者である我々だ!我々はここで死に、次の生者に意味を託す!それこそ唯一この残酷な世界に抗う術なのだ!兵士よ怒れ。兵士よ叫べ。兵士よ戦え!」

好きなキャラクター:エルヴィン・スミス団長

本文:正直、今年見たアニメの中でダントツで面白かったです。個人的に感じとっている本作のテーマは「命を何に使うか(心臓を何に捧げるか)」、「決断の難しさ(答えは結局誰も分からない。)」、「世の中(戦争)の真理」だと思っています。

まず、「命を何に使うか(心臓を何に捧げるか)」に関してですが、これは有名なセリフ「心臓を捧げよ!」が、作中では兵士の士気を上げるために使われることが多いことから感じたことです。ここで私が特に思ったのは、「人はいずれ死ぬ。また極限状態では自分の死に方が他の誰かの死に直結する可能性がある。そのような状況下で、あなたはあなたの命をどのように捧げたいか、また命を捧げる覚悟はあるのか」と問われているということです。作中では兵士は人類を巨人から守るために勇敢に巨人に立ち向かいます。しかし、勝ち目が見えないような絶望的な状況も多く、兵士は100%死ぬと分かっている状況の中で巨人に戦いを挑むことを迫られる場面があります。その時、家族の下に逃げて家族と一緒に巨人に食われることを選んだり、迫りくる相手の攻撃に立ち向かわず楽に死ぬ方法を探すのか、それとも人類の存亡のために死ぬと分かっていても勇敢に突撃するのか、登場人物たちは選択を迫られます。現代社会では中々当事者意識を持ちづらい状況かもしれませんが、個人的には自分だけが楽に暮らせる道を選ぶのか、皆が苦しんでいる社会課題に人生をかえて挑むのか、あなたはどちらを選ぶのか、と問われている気がしました。

また、「決断の難しさ」に関してですが、作中ではキャラクターは多くの難しい決断を迫られます。ここで印象に残っている言葉はリヴァイ兵長の「ずっとそうだ。自分の力を信じても。信頼に足る仲間の選択を信じても。結果は誰にもわからなかった。まぁせいぜい悔いが残らない方を自分で選べ。自分を信じるか、俺やコイツら調査兵団組織を信じるかだ」と、アルミンの「何も捨てることができない人には何も変えることはできないだろう」です。恐らく作者の諌山氏の実体験がかなり影響しているのではないかと予想しているのですが、実世界でも同じような状況が多くあります。そこで、私は誰を信じるか、そして大事なものを捨てられる勇気はあるのか、それが強く問われている気がしました。

最後に、「世の中の真理」に関してですが、これは紛れもなく「巨人 vs 壁内人類」の構図にあります。若干ネタバレになりますが、巨人と壁内人類は元々同じエルディア人です。それが戦争がきっかけで大陸と島で離ればなれになり、大陸側はエルディア人と敵対していたマーレ人に支配され、壁内のエルディア人と戦うことなります。登場人物のライナーの心境の描写を見れば分かる通り、元々は同胞のエルディア人が戦争をきっかけに戦う羽目になったこと、また、戦っている相手も同じ人間で、家族がいて、自らの存亡のために戦っていること、これからを鑑みるとこの物語は完全な勧善懲悪ではなく、実際の複雑な世界を見事に描写していると考えられます。

現在、ファイナルシーズンが配信されていることもあり、ますます目が離せない作品です。この年末年始でぜひ一度見られてはいかがでしょうか?

2. 鬼滅の刃

あらすじ:時は大正。主人公・竈門炭治郎は亡き父親の跡を継ぎ、炭焼きをして家族の暮らしを支えていた。炭治郎が家を空けたある日、家族は鬼に惨殺され、唯一生き残った妹・竈門禰󠄀救うため、鬼殺隊に入隊する。(Wikipediaより。一部改。)

好きなキャラクター:竈門炭治郎

好きなセリフ:胸を張って生きろ

本文:言わずと知れた、今年最大のヒット作です。鬼滅の刃は家族の絆を大きなテーマにしていると言われていますね。家族を殺され、鬼にされた妹を救うために戦う炭治郎、鬼に最愛の姉を殺されその遺志を引き継いだ胡蝶しのぶ、鬼になった自分とともに心中をしようとした両親を殺し、”家族の絆”を求めて仲間にした鬼を恐怖でコントロールし家族ごっこをしていた下弦の伍、累と、作中で登場するキャラクターにも家族思い、もしくは家族の絆を求めているキャラクターは多く登場します。しかし、個人的にはそれより強く感じるテーマがあります。それは「生きることへの執着」です。作中で描かれている通り、鬼は日光で焼かれるか、日輪刀にて首を切られること以外では死にません。つまり、条件付きで永遠の命を手に入れられるわけです。その”生への執着”が、鬼を誕生させたと言えます。現に、鬼の中には病弱だった自身を救うために鬼になったものもいます(累と愈史郎)。また、漫画では鬼舞辻無惨が鬼になった背景も描かれ、無残の「生への執着」を強く感じます。そんな「生への執着」とともに、最終巻では「生きることの尊さ」が強く伝えられています。2020年はコロナウイルスの蔓延、多くの自殺のニュース、中東での戦争、アジアや東ヨーロッパでの激しいデモが起こり、「死」にまつわる悲しいニュースが多い年でした。そんな年に出てきたアニメ・漫画だったからこそ、「生」を求める気持ちが多くの人の中に生まれ、結果的に本作が多くの人々の心を打ったのではないでしょうか。これは本当に2020年の人々に求められていた作品だったと思います。

3. ヴァイオレット・エヴァーガーデン

あらすじ:4年間にわたる東西南北による大陸戦争が終結。その戦場で「武器」と称されて戦うことしか知らなかった少女・ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、激化する戦場で両腕を失い、自在に動く義手を付けることを余儀なくされる。退院したヴァイオレットは、ホッジンズの下で、自動手記人形としてC.H郵便社で働きはじめる。ヴァイオレットには、かつて戦場で誰よりも大切な人・ギルベルト少佐がいた。最後に聞かされた「愛してる」という言葉が理解できなかった彼女は、仕事と日常を通じて人と触れ合いながら、その言葉の意味を探していく。(Wikipediaより。)

好きなキャラクター:ヴァイオレット・エヴァーガーデン

好きなセリフ:人には届けたい想いがあるのです。届かなくてもいい手紙なんてないのですよ。

本文:2018年からアニメが開始され、本年は映画も公開されました。個人的にこのアニメから感じ取ったのは「”想い”と”言葉”を育むこと、繋ぐこと、そして伝えること」です。人間の感情は複雑で、中々ストレートにそれを表現できる人は多くありません。それゆえに、伝わらない想いも多く、また伝え方も難しいものがあります。本作ではそんな”想い”を”手紙”という媒体を通して人々に届ける「自動手記人形サービス」が活躍し、ヴァイオレット・エヴァーガーデンもその自動手記人形サービスの従業員、いわゆる”ドール”です。本作では登場人物それぞれが持つ”想い”が描かれ、それを伝えるための言葉をドールが紡ぎ、人々にそれを伝えていくことで人と人の気持ちが繋がったり、その”想い”を受け取った相手の心が動いたりします。そんな本作を通して、私は人の感情の難しさや言葉を紡ぐことの難しさ、伝えることの難しさを痛感するとともに、それらの大切さ、美しさを学ぶこともできました。本当に心が温かくなる作品です。また、本作は2019年に放火の被害に遭った京都アニメーションが制作し、その苦難を乗り越えて今年映画を公開したということもあり、制作側としても様々な方の想いを受けた作っている作品だと思います。ぜひ、多くの方にこの作品をご覧いただきたいです。

最後に

今年は他にもキングダムや、はたらく細胞呪術廻戦約束のネバーランドDr. Stone等、多くの作品を見ました。キングダムはロマンがありますし、はたらく細胞は細胞のことについて物語を通して学ぶことができます。呪術廻戦は主人公の虎杖悠仁の使命感や死への描写から多くのことを学べますし、約束のネバーランドは頭脳戦が面白く、Dr. Stoneからは化学のことが学べます。2020年は多くのアニメを見たことで、アニメの美しさと文化的な力を再認識できた年でした。2021年も現在アニメが放映されている呪術廻戦進撃の巨人、1月から新シリーズが始まるはたらく細胞約束のネバーランドDr. Stone、4月から新シリーズが始まるキングダムと、楽しみが絶えません。来る2021年もアニメから多くのことを学ぶ一年にしたいと思います。

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