DOCX出願(アップデート)
いよいよ年明けから本格運用がスタートするDOCX出願ですが、12月19日付でUSPTO長官からアナウンスがあったので紹介したいと思います。
1.出願人の用意したPDF書面(Auxiliaary-PDF:予備PDF)の活用
既に利用されている出願人・代理人の方もいると思われますが、現状、DOCX出願をする際には、何かエラーがあったときのための予備として、出願人自身が予め容易したPDF書面(予備PDF)を併せて提出する、ということが認められています。
この手続自体は年明け以降も有効なのですが、年明け以降にこの手続を利用する場合はPDF書面の提出料として追加で$400を支払わなければならない、というのが従前のルールでした。
今回の発表によると、出願人側からの強い要望を考慮し、上記追加費用の支払いが発生する時期を半年遅らせ、2023年6月30日までは追加費用なしで予備PDFを提出しても良い、ということになりました。
なお、あくまでもメインとしてはDOCXを利用する場合の話なので、PDF書面だけで出願をする場合は追加費用$400の支払いが発生する、と考えて頂いた方が良さそうです。
無料で予備PDFが提出できる、ということですので、年明け以降の米国出願の際には積極的に活用いただければと思います。
2.訂正の仕方
(ちょっとリンク先のブログとはタイトルが異なりますが)2つ目の発表は、DOCX出願の利用によってエラーが発生した場合の訂正の仕方の案内になります。
先ずは、連絡先として、EBC (Electronic Business Center)にご相談ください、というアナウンス。
続いて、具体的な訂正手段として、以下の3つが紹介されています。
USPTOが作成した正式なDOCX書面に基づく訂正は、規則1.181条 (37 CFR 1.181) の申請書を利用
予備PDFに基づく訂正は、規則1.182条 (37 CFR 1.182) の申請書を利用
参照による引用(Incorporation by Reference)を利用した訂正
※ 詳細はこちらのQ&A "How do I report and/or correct any perceived discrepancies in my file?"もご参照ください。
1つ目の規則1.181条については、根拠となる書面が変わるだけで、実態としては今まで通りと考えて頂いて良いかと思います。
予備PDFを使う必要がある場合は2つ目の規則1.182条が適用されるとのことなので、手続根拠に気を付ける必要がありそうです。なお、規則1.181条、1.182条のいずれも手数料が発生すること、時期的制限があることなどにご留意ください。
3.Patent Center Training Modeの紹介
最後は、前回の記事でもご紹介したPatent CenterのTraining Modeを活用ください、というお話と、USPTOで提供しているTraining Sessionsの紹介です。
以上、ご参考になれば幸いです。
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