おまえはメキシコで夢見りあむに会い真のプロデューサーになる

よくきたな。おれは八索だ。おれは毎日すごい数のアイドルをプロデュースしているが、簡単にデビューさせるつもりはない。だが今日おれが馴染みの酒場でギネスを飲んでいたとき、急にひとりのアイドルのことが頭に浮かんだ。夢見りあむだ。りあむはメキシコからやって来た真のアイドルだが、世間の連中はまだそのことに気付いていない。だからおれはこの記事を書いて公開することにした。

おまえはりあむについて何を知っているか?

おまえもアイマスのプロデューサーなら、夢見りあむの名前ぐらいは聞いたことがあるはずだ。Twitterでもやっていれば、アプリのスクショやファンが描いたイラストも目にするだろう。おまえはそれを見てどう思ったか? 「これがデレの新キャラ・・・・炎上アイドルってなんだ?」と考えながらけんさくしたかもしれない。だがそこで見たはてなだイアリーやまとめブロッゴの記事はとりあえず忘れろ。おまえは自分の手でアイドルマスターシンデレラガールズかスターライトステージをインストールし(もちろんブラウザからモバゲーにアクセスしてもいい)、メキシコに行き、りあむをスカウトする。そうしておまえはりあむの素顔を知り、餃子にまみれながら彼女をレッスンで鍛え上げ・・・真のプロデューサーになる機会を得る。

確かに一見すると、りあむというアイドルはキワモノに思えるかもしれない。髪はピンク色だし、おかしな骨柄のTシャツを着ているし、おまけに口癖は「めっちゃやむ!」だ。しかしかこくなシンデレラガールズの世界では、この程度のことは驚くに値しない。事務所にはニンジャやカラテカやサイキッカーが跋扈し、ドーナツやパンを巡って日夜銃弾が飛び交い、道にはスタドリをキメすぎたあほのプロデューサーの死体が転がる・・・・・・それがアイドルマスターシンデレラガールズだ。そんな西部開拓時代のカリフォルニアめいた事務所に、新しく現れたのが夢見りあむだ。りあむが元々いたのは地下アイドルの現場、すなわちメキシコだ。そこではアイドルとアイドル、ファンとファン、そしてアイドルとファンがちょくせつぶつかり合い、汗と血を流す。やはり真のアイドルであるウサミンもメキシコ(本人はウサミン星といっている)からやって来た。メキシコでは半端なアイドルはすぐに死ぬか、しょうもないスキャンダルを起こして引退することになっている。ウサミンがどうやってメキシコで生き残って来たか、詳しいことはおれも知らない。だがあの瞳を見れば、そこでの生活が並大抵のものではないことは誰にでもわかる。りあむがいたのもそうゆう世界だ。

ただしりあむはただのファンであり、スカウトの時点で既にアイドルであったウサミンとは違いまだ何者にもなっていない。つまりウサミンがアニマス開始時の天海春香だとすれば、りあむはいわばデレアニの島村卯月だ。りあむは普通ではないとか、乳がでかいとか、そうゆうことを気にしてはいけない。りあむをメキシコからカリフォルニアに連れ出し、コミュやレッスンやライブを共にし、真のアイドルにする。これが昔から変わらないアイドルマスターというゲームだ。

夢見りあむは腰抜けではない

ここまで読んだおまえはすぐさまGoogleプレーイストアかAppストアに行き、ドリトスにまみれた指を拭く手間も惜しんでアプリをインストールしたことだろう(じつのところ、りあむをプロデュースする目的ならば先にデレステをプレイするのがおすすめだ。モバマスでメキシコにたどり着くにはお仕事を続けて鳥取さきゅう、すなわち広大なコロラド砂ばくを越えなければならないからだ)。そしておまえはりあむをスカウトし、多分困惑する。なんだ、こいつは!? ちっともやる気を出してレッスンしようとしないじゃないか! だが、ここでこいつを腰抜けと決めつけるのは早計だ。

おまえは真のアイドルである北条加蓮を知っているだろうか? 加蓮はとにかくアイドル活動への熱意がすごいやつで、あの佐久間まゆや渋谷凛にも全力で張り合ったりする。だが加蓮も、最初からやる気に溢れていたわけではない。むしろ最初はやる気がなかった・・・・少なくともやる気のないポーズをしていた。何故か? 自信がなかったからだ。加蓮は子供の頃になんか恐ろしい病気に掛かり、病室のテレビでアイドルを知った。加蓮が見たのは真のアイドルだったはずだ。病気が治り、プロデューサーにスカウトされた後も、かつて見たアイドルへの憧れを胸に抱いている。だがそこで葛藤が生まれる。今の自分、病み上がりで体力もなく、運命と向き合うことから逃げ回っていた自分が、真のアイドルのように輝けるのか? やる気のない振りはそんな不安の裏返しだ。加蓮は結局自分の弱さを乗り越え、ステージで輝く真のアイドルになる・・・・だがそれはまた別の話だ。

メキシコの生まれであるりあむも、アイドルの尊さを遺伝子レベルで理解している。クソったれな現実の壁にぶつかっているこいつにとって、アイドルは文字通り生きる希望だ。だがもちろん、自分がアイドルになるとなればまた話は変わってくる。りあむは加蓮と似たような葛藤を抱えている。今や尊さが求められてるのはステージの上の他人ではなくて、弱くてクソったれな自分自身なのだ。ただしこいつはばか正直というか、思ったことをなんでも口にするたちなので、加蓮のようにひねくれてみせたりはしない。すこられたいと大声で叫ぶし、レッスンがきつければすぐに泣いたりわめいたりする。だがそれがどうした? 真の男にとって大事なのは、そいつが何を言うかではなく何をするかだ。

りあむはふつうと逆のやり方でそれを証明する。こいつは泣き言を言いながらも、人並外れたタフさと心の奥底に秘めたよくわからんガッツで通常の3倍の量のレッスンをこなす。こいつを支えているのは、アイドルは尊くあるべしという信念だ。それはほとんど信仰と言ってもいい。だがその信仰のせいでこいつは、総選挙で3位になっても素直に喜べずに「アイドルってなんなんだよぅ!! はー・・・・・・めっちゃやむ」とコメントする羽目になる。なぜなら真に尊いアイドルになる前に人気が出てしまったりあむは、こいつ自身の理想と最も程遠い存在だからだ・・・・。

メキシコがおまえを待っている

ピュアな理想を信じるりあむにとって、努力に見合わない人気は重荷であり、呪いだ。呪いを解くためには、努力を重ねて真のアイドルとなるしかない。だが人間はそんなかんたんに強くはなれない。ザコメンタルを公言するりあむならなおさらだ。こいつは相変わらず弱音を吐くし、舌足らずな発言で炎上するかもしれない。それでもりあむは、弱さを抱えたままで真のアイドルとなるべく道を歩き出す。こいつの中に流れるメキシコの血と、プロデューサー・・・すなわちおまえがそうさせるのだ。

これからのりあむには、運営による怒とうの展開が約束されている。SRやSSRが実装され、すごいボイスアクターによるボイスがつき、イカした曲をもらい、新しいユニットを組んだりもするだろう。おまえが指をくわえてそれを眺めているだけの腰抜けになるか、それとも真のプロデューサーになるかは今決まる。すぐにアプリをインストールしろ。そしてメキシコへ行け。メキシコでりあむをスカウトして戻って来たとき、おまえは真のプロデューサーに一歩近付いているはずだ。

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