【MTG】第3回添削杯参戦記(鱗親和)

みなさんこんにちは、八索と申します。先日の2020年11/15(日)に、Discordのサーバー上でヴィンテージの大会「第3回添削杯」が開催されました。この記事はその参加レポート兼デッキ調整記録です。

使用デッキ

[土地]
4:《伝承の樹/Tree of Tales》
1:《ファイレクシアの塔/Phyrexian Tower》
4:《Mishra's Workshop》
3:《古えの墳墓/Ancient Tomb》
1:《地平線の梢/Horizon Canopy》
1:《森/Forest》

[クリーチャー]
4:《電結の働き手/Arcbound Worker》
4:《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
4:《歩行バリスタ/Walking Ballista》
1:《通電式召使い/Voltaic Servant》
4:《鋼の監視者/Steel Overseer》
4:《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》
1:《磁石のゴーレム/Lodestone Golem》

[スペル]
2:《むかしむかし/Once Upon a Time》
4:《硬化した鱗/Hardened Scales》
4:《オパールのモックス/Mox Opal》
1:《Black Lotus》
1:《Mox Emerald》
1:《Mox Sapphire》
1:《Mox Jet》
1:《Mox Ruby》
1:《魔力の墓所/Mana Crypt》
1:《太陽の指輪/Sol Ring》
1:《魔力の櫃/Mana Vault》
1:《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》
3:《オゾリス/The Ozolith》
2:《ゲスの玉座/Throne of Geth》

[サイドボード]
2:《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine》
3:《活性の力/Force of Vigor》
3:《精神壊しの罠/Mindbreak Trap》
3:《貪欲な罠/Ravenous Trap》
1:《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》
1:《三なる宝球/Trinisphere》
2:《むかしむかし/Once Upon a Time》

今回はモダンで活躍している鱗親和と呼ばれるデッキを、ヴィンテージ用にチューンして使用しました。

画像1

鱗親和はその名の通り《硬化した鱗/Hardened Scales》をキーカードとした、アーティファクト主体のアグロデッキです。鱗と《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》などの+1/+1カウンターを利用するカードとのシナジーにより、アグロながらコンボデッキさながらの一撃必殺を狙うことも可能です。詳しい動き方などはこちらの記事を参考にしてください。

採用されているクリーチャーはほとんどモダン版と変わりませんが、マナベースが大きく違います。モダンで禁止されている《伝承の樹/Tree of Tales》と《オパールのモックス/Mox Opal》に、ヴィンテージらしく《Mishra's Workshop》や《Black Lotus》、各種《Mox》などを加えたマナベースは極めて強力であり、順調に行けば1~2ターン目に手札を全て展開することも難しくありません。そのため、モダン版はコンボ要素のある中速アグロといった立ち回りが基本でしたが、ヴィンテージでは2ターンキルも可能な高速デッキに変貌しています。

デッキ調整

今回採用しなかった面々の中で、一番迷ったのがこの1枚です。

画像2

《活性機構/Animation Module》は自分のパーマネントに+1/+1カウンターが置かれるたびに1マナで1/1トークンを生み出せるという、まさにこのデッキのために生まれてきたかのようなカードです。これとお馴染みの《頭蓋骨絞め/Skullclamp》を組み合わせると、トークンを絞め、引いてきたカードに+1/+1カウンターを乗せてトークンを出し、またトークンを絞め……という感じで、ほとんどマナのある限りカードを引き続けられる状態になります。

非常に強力なシナジーに見えるかもしれませんが、ひとつ重大な問題が。このデッキで一番マナが出るのは《Mishra's Workshop》が複数並ぶパターンなのですが、ワークショップから出るマナは絞めの装備コストや活性機構の誘発コストの支払いには使えません。そのためワークショップ頼みでキープすると、マナがあるのにマナに苦労するという展開になりがちでした。

そこで今回は思い切ってこのギミックを抜き、《鋼の監視者/Steel Overseer》と《ゲスの玉座/Throne of Geth》でカウンターをガンガン乗せていく打点重視の構成で挑むことに。完全に1人回ししかしていないので調整不足どころではありませんが、果たしてこの選択が吉と出るか凶と出るか。

大会当日

第1R 不戦敗
第2R 不戦敗
大会参加を決めた時点では1日予定を空けていたのですが、その後で午前中にどうしても外せない用事が入ってしまいました。やむなく事前に大会スタッフに連絡をして、不戦敗扱いとしてもらい午後から参加することに。

第3R 墓荒らし ○×○
事前の想定では比較的有利なマッチアップでした。唯一気を付けなければいけないのはサイド後の《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe》で、《伝承の樹/Tree of Tales》を含むデッキ内の大半のマナベースとシステムクリーチャーが機能不全に陥ってしまいます。ただし墓荒らしはそこまで速いデッキではないため、3ターン目ぐらいまでに捲られない盤面を築ければアウフが出ても何とかなるという算段で、特に対策は用意していませんでした。仮に《四肢切断/Dismember》のような対策カードを採用しても、そもそもマナがロクに出ないので構えてないと撃てないという事情もあります。

G1は《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》を置きつつクリーチャーを横に並べる展開で勝利。
G2は相手が1ターン目にMoxからドロースペルを打つだけの静かな立ち上がり。ならばと返しで大量展開。第2ターン、相手が唱えたのは予想通りのアウフ……ではなく《魔力流出/Energy Flux》!

画像3

ワークショップ頼みの盤面ではどうにもならずに投了。
これを見てG3で《活性の力/Force of Vigor》をサイドインすべきか少し悩みましたが、先手でありかつ相手のデッキに的が少ないこともあり、《三なる宝球/Trinisphere》を投入するだけにしました(墓荒らしはMoxに加えて死儀礼もフル投入しているので先手2ターン目に3マナ揃う確率が高く、後手の三球はそこまで強くありません)。
結局G3もG1と同じくアメジストのとげが有効に働き、展開を阻害されずに勝利。

第4R ドレッジ ××
ドレッジはメインからカウンターや活性の力などの妨害を多く積んでいる上にキルターンも速く、かなり厄介なマッチアップです。

G1 は《搭載歩行機械/Hangarback Walker》《歩行バリスタ/Walking Ballista》を並べて《黄泉からの橋/Bridge from Below》を牽制しながら戦いますが、活性の力で的確にリソースを削られ、最後は4体の《イチョリッド/Ichorid》に押し切られて負け。
G2は1ターン目に土地とMoxから《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage》とアメジストのとげを並べたところ、とげにスタックで活性の力で檻とMoxを割られ、墓地を止められずに負け。先手の場合、檻を1ターン目に出す必要はあまりないので、これは完全にプレイミスでした。

第5R ハイタイド ○×○
《Fastbond》のために緑を、《ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will》などのために黒を入れた三色構成のハイタイドでした。

G1は相手のデッキの正体が分からないままバリスタをWillで消されてキルターンをずらされ、ライフを削りきる前にコンボ始動されてしまいます。しかし途中で相手がマナ計算を間違えてコンボが止まってしまい辛くも勝利。
G2は鋼の妨害2発+ハーキルの召喚術で展開を阻害され、返しにコンボを決められて負け。
G3はコンボ始動前に鱗からの瞬殺を決めて勝ち。

第6R 4Cコントロール ×○×
前回の神決定戦で高橋優太氏が使用していたタイプのデッキです。4Cゼロックスや4C墓荒らしとも呼ばれていますが、実態としては死儀礼禁止前のレガシーでの4Cレオヴォルトのような、コントロール系のデッキだと思います。死儀礼で序盤のマナ基盤を支え、大量に採用された《ダク・フェイデン/Dack Fayden》や《レンと六番/Wrenn and Six》などのプレインズウォーカーでアドバンテージを取りながら盤面を掌握していきます。

G1はレン六とダクを計2枚ずつ出される展開。PW本体はなんとか処理しましたが、アド差を覆せず息切れ負け。
G2は《オゾリス/The Ozolith》経由で搭載歩行機械を育て、ダクを引かれずに殴りきって勝利。
G3は《古えの遺恨/Ancient Grudge》や《突然の衰微/Abrupt Decay》で丁寧にクロックを潰され完封負け。

第7R 赤単プリズン ○×○
G1は先手を取って鋼の監視者などから展開。相手の場に難題の予見者が出てきますが、順調に監視者の能力を起動してサイズ差で勝ち。
G2はロータスとワークショップを含むブン回りハンドをキープしますが、先手1ターン目に三球で蓋をされてしまい負け。
G3は 《血染めの月/Blood Moon》を出されましたがあまり刺さらず、鱗から決めに行って勝ち。

結果&反省

というわけで最終結果は3-4(うち不戦敗2)でした。不戦敗を除けば勝ち越せたのはまあまあの戦果と言える一方で、メイン・サイドの練り込み不足も浮き彫りになりました。

まず4枚目を持っていなかったのでサイドの貪欲な罠と活性の力が3枚ずつになっていますが、これはどちらも4枚積むべきでした。前者は割られやすいアーティファクトの墓地対策では代替が効きません。後者は(今回は当たりませんでしたが)ゴロススタックス相手に必須です。このデッキはメイン・サイド合わせて《無のロッド/Null Rod》を4枚積んでいるリストが多いので、活性の力がないとサイド後に一方的にやられてしまいます。

メインボードでは緑マナが不足することが何度かあったので、もう少し緑マナを出せる土地を増やしつつ、活性の力用に緑のカードを水増しするべきかもしれません。また現在の構成だと第6Rで当たったような除去の豊富なデッキ相手に息切れしてしまうので、活性機構や《屑鉄場の再構成機/Scrapyard Recombiner》を採用して、長期戦に対応可能な形を模索していきたいです。

最後になりましたが、大会運営に尽力して下さったスタッフの皆さん、それから対戦相手の皆さん、本当にありがとうございました。

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