2014/08/11 Adele - Chasing Pavements

Twitterで渋谷慶一郎さんが、この曲のMVをツイートした後に「この曲、すごいいいかたちでバカラック昇華、消化してると思う」と書いていたのを見て、ハッとしました。目から鱗。
該当のツイートはこれね↓

なんで鱗を落としたか、と言いますと、この曲が好きだから、という単純な理由なんですが(前にここに書いた「Someone Like You」 https://note.mu/p_yama_film/n/n653f25874cb4 よりも好きかもしんない)、なんで自分がこの曲が好みなのか、ということがこの渋谷さんのツイートで何となくわかったからハッとしたのであります。
つまり、バカラック的メロディやアレンジがドンピシャ、ということです。
楽理的なことなど、音楽の専門的な知識は全く持ちあわせていないので、楽曲分析などは他の優秀な方にお任せするとして(ふと思ったんですけど、音楽ライターの方ってそこら辺の知識は経験的に学んでいかれるんですかね。ぼへらーっと音楽聴いててもさっぱり身につかないもんなぁ、俺)、改めてこの曲を聴いた印象を考えてみると、確かにバカラックっぽさがあるんですよね。
短いイントロ、ヴァースとコーラスのシームレスな構造、コーラスのメロディの”地に足がつかない感じ”(この感じは、専門的な知識があればもっと具体的に書けるんだろうけどなぁ)、ストリングスの入るタイミング、楽曲自体の尺、などなど、バカラックの楽曲の特徴と思われるものを、この「Chasing Pavements」でも感じることが出来る。
じゃあ、その「バカラック的なもの」がなんで俺は好きなのか、と言われると、それはもう「好きだから」としか言えないんですけども、ただ単純にメロディが美しいとか、アレンジが見事とか、歌がうまいとか、そういうものとは少しズレた(もしくは”一筋縄ではいかない”と感じられる)彼の楽曲の遺伝子みたいなものが、こうして次代に受け継がれているんだなぁと思うと、なんだか無性に嬉しくなるし、そんな気付きを与えてくれた渋谷さんのツイートに感謝しております。
まぁ、歌詞の和訳を調べてみると、相も変わらずこの方は自分を裏切った彼氏に対する恨み辛みを歌詞にしておりまして、しかもこういう曲に仕立てることでしっかりと復讐を果たしたかのようになってしまうんですから、男の自分にとっては恐ろしい限りであります。「Adeleの歌詞が泣ける」なんて言ってる女の人がいたら、静かに頷いて話に耳を傾けることにします。
あ、あと、MVもなかなか素敵なんで、ぜひご覧下さいませ。