見出し画像

防衛省が血液製剤を作るらしい

ぼんやりニュースを読んでいると気になる記事が出てきた。
防衛省が有事の際に前線の自衛隊員が負傷し、失血死をできる限り防ぐために全血液型対応の血液製剤を製造していくことを検討しているという内容だった。

https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/meeting/blood-transfusion/pdf/siryo01_05.pdf

国家防衛として自衛隊員が前線で負傷するような状況に備えるということは、日本が戦地になる可能性があることを意識させられ、そもそもそのような状況にならない外交努力ができる政治家を選ばなければならないことを平凡ないち国民として痛感させられている。

私は専門家ではないのでトンチンカンな発想かもしれないが、そもそも大量出血している人に対して大量輸血をして助かるのか?という疑問がある。
もし助かる確率が高いのであれば、交通事故などで大怪我をした人を救命するためにも活用すれば助かる人が増えるのではないか、という点。一刻を争う怪我人は戦場だけに限らないのだから、それほど有効なのであれば例外的な前線の自衛隊員に限らず広く活用すればいいのに防衛省だけというのは何故なのか、本当は有効ではないのではないかと素人ながら勘ぐってしまう。
大量に出血しているところに輸血したところで穴の空いたバケツに水を貯めるようなもので根本的な治療をするまでの繋ぎかもしれないが、事故などで救急車で運ばれる一般の患者さんたちはそのような扱いは受けないで亡くなる方もいらっしゃるのだから有効な治療法ならば同じ日本国民として同等にしようという方向性がないようで不思議に思う。

もう一つ疑問に思ったのは前線で負傷した自衛隊員に対して処置をするのが「第一線救護衛生員」という自衛官らしいということ。初めて知った。
この第一線救護衛生員は医師資格はなく、准看護師と救急救命士の資格をとり更に自衛隊内部の試験に合格して第一線救護衛生員となるようだ。
輸血をするという判断と実施を准看護師と救急救命士の資格をもつ人ができるのか、という点。輸血はミスがあればそれ自体で人命が失われるリスクのある医療行為であるのにも関わらず(防衛医大という医師の養成機関もあるのに)前線の医療行為に医師が全く不在である前提というのは不思議に思う。
前線という特殊な環境で、しかも多数の負傷者がいるなかで限られた輸血をどの人に実施するのか、相当難しい判断なように思えるが、日常的に血だらけの患者さんが運ばれてくる救命科の医師でもない第一線救護衛生員が(もちろん訓練はしているでしょうが)いきなりの現場で修羅場に対応できるのかと考えると少々不憫に思えたりする。

やれやれ。
有事のことなんて考える必要もないぐらい平和な世界になることを祈りながら、今ちょっと疑問に思ったことを書き留めておく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?