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【税理士試験】財務諸表論合格まで

令和5年度の財務諸表論に合格することができました。ここでは合格までに要した時間や費用など合格のための一つの目安を示したいと思います。

税理士試験等結果通知書

①財務諸表論基本情報

試験内容

第一問 理論(25点)
第二問 理論(25点)
第三問 計算(50点)
試験時間 120分

理論問題では会計の原理、原則や基準について記述する問題が出題されます。以前は長文を記述する問題が出題されていましたが、近年は、文章の穴埋めや数行の記述を求める問題が数問出題される傾向にあります。

計算問題では、会社法の規定に則って財務諸表を作成する能力を問う問題が出題されます。決算整理前残高試算表(前T/B)と決算整理事項が示され、個々の仕訳を切り、財務諸表(損益計算書P/L・貸借対照表B/S)を作成します。

令和5年度(第73回)合格者数及び合格率

受験者数
13,260人(対前年131.1%)

合格者数
3,726人(対前年248.1%)

合格率
28.1%(前年14.8%)※数値は国税庁HPより

令和5年度(第73回)から簿記論・財務諸表論の受験要件が緩和されたので受験者数が前年から大幅に増加しました。また、当年の財務諸表論の問題は平易であり、簡単な年は合格率が高くなる傾向にあるようですので合格率も上昇しております。

①筆者の受験前のスペック

財務諸表論の学習開始にあたって私が有していた資格や知識は以下の通りです。財務諸表論の学習を始めるにあたっては十分な知識を要していたと思います。

  • 米国公認会計士(USCPA)

  • 税理士試験(簿記論)

  • 一般事業会社での経理経験(経理専門ではない)や監査法人での実務経験

②合格までの勉強時間

筆者はTACの基礎マスター+上級コース(通信web)を1年間受講していました。勉強時間は「Studyplus」というアプリで記録しておりましたが、合格までの勉強時間は800時間でした(うち理論の暗記に要した時間は380時間)。TACのHPによると合格までの標準勉強時間は理論暗記時間抜きで450時間程度でしたので概ね標準通りの勉強時間であったと思います。

③合格までにかかった費用

※金額はおおよそ。

・TAC 基礎マスター+上級 218,500円
・TAC ゴールデンウィークゼミ 10,000円
・TAC 最終アシストゼミ 4,000円
・TAC ファイナルチェック 6,000円
・TAC出版 税理士受験シリーズ 財務諸表論 総合計算問題集 基礎編 2,970円
・TAC出版 税理士受験シリーズ 財務諸表論 総合計算問題集 応用編 3,080円
・大原 財務諸表論総合計算問題集応用編 2,970円
・大原 全国統一公開模擬試験 3,000円

 合計 250,520円

こうやって振り返るとかなりの出費であったと思います。これに加えて、教材のコピー代、勉強するために利用したカフェ代などを含むと30万円は超えていると思います。

④試験の出来具合

巷で言われている通り、当年の財務諸表論の難易度は平易なものであったと思います。受験後は手ごたえはあったものの、特に計算に関しては易しめで、自己採点でケアレスミスに二点ほど気が付き凹みました。自己採点では各予備校の解答で67点~68点でした。

各予備校の公表しているボーダー

・TAC 67~68点
・大原 62点
・ネットスクール 63点
・LEC 60~63点
・CPA会計学院 67点

⑤総括

自分では相当な時間と費用をかけたと思いますが、結果通知書を受領するまで合格しているか確信は持てない状況でした。試験から合格発表まで4か月近くの間、ずっと不安であったというのが正直な気持ちでした。感触的には60%~70%は合格している、とは思うけど。。。くらいでしょうか。その中で支えになったのは、過去に受験した簿記論の時と似たような感触だったので多分大丈夫だろう。。という経験だったかもしれません。最後に自分なりに考えた財務諸表論に合格するための勉強方法を書き残したいと思います。

・計算
財務諸表論の計算は簿記論より易しく得点源です。目標としては8割を取るつもりで勉強するのがいいと思います。問題もパターン化されているので、総合問題を徹底的にやり込むのがいいと思います。私はTACの教材を中心に一つの総合問題につき3回はやりました。休日には必ず総合問題を一題は解くというルールを決めていました。毎回時間を計って本番さながらの緊張感で取り組むことで自分がミスをしやすいポイントも掴めてきます。ちなみに、上記の大原 財務諸表論総合計算問題集応用編は内容が難しいのでやらなくても問題ないと思いました。集計方法は与えられる決算整理前残高試算表に+-する形を取り、特定の科目だけはT勘定や集計表を使いまいした。T勘定を使った科目は繰延税金資産・負債、その他有価証券評価差額金、法人税、集計表は貸倒引当金、有形固定資産などです。

・理論
理論のポイントは細部に拘らず、予備校のテキストに出てくるものを穴なく網羅することです。そしてそれを何回も繰り返すこと。理論は負けなければいいと考え、細かいところは捨てて問題ありません。難しい理論はできる人はほとんどいないと割り切ることが大切です。例えば財務諸表論の理論は大括りにすると15単元位になると思いますが、最初の方は一日1単元を15日で終えることを目標とし、次は一日2単元で7日で終わらせる。直前期には2日で全単元を回せるのが理想的です。覚え方は読む、書く、聴く。回す際にはこのいずれの方法を組み合わせて覚えていきます。最初は覚える意識よりなぞる感覚で問題ありません。本格的な暗記は試験の3~4か月前からで十分です。繰り返しになりますが、全単元を全体像を意識しつつ網羅していく感覚が大切です。





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