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動画を1.5倍速する若者たち、と言うけれど

最近ワイドショーなどでよく取り上げられる、「動画を1.5倍速で見る若者たち」
これについて、私が思うことを書こうと思う。

まず、ワイドショーでの取り上げられ方としては「動画を早送りで見て、ちゃんと理解出来ているのか」
「若者の相手の感情を読み取る能力が落ちている」
など、ちょっと不安になる意見で構成されている。

ではここで、動画の良さを考えてみる。(YouTubeもアニメも映画も含む)
まず、再生ボタンを押せば勝手に情報を流してくれる事だ。視聴者は料理を作りながら、勉強をしながら、何か作業をしながらでも向こうの方から映像と音声で与えてくれる、忙しい現代人にはうってつけの鑑賞方法である。また、他人と共有しやすく大勢で楽しむことが出来るのも特徴だ。その点で、動画が主流になる理由がよく分かる。
それと対比して、本は能動的に読む必要がある。知りたいと思ってページを開き、文字を目で追ってまたページをめくる。つまり、「よし読むぞ!」とその為に時間を作り1対1で向き合ってはじめて情報が得られる。独りでその世界に浸るため他人と共有しづらく、楽しみ方としては盛り上がりに欠ける。

では逆に、動画の難点とは何か。
それは、自分の気になったところだけを見るという、再生の自由度が低い所だ。
「大体知ってる内容だから、あそこだけ見たいんだよね」
「好きなキャラが出てるところだけ見たい」
「この辺のエピソード、ちょっとダレてるから飛ばしたいけどいつまで続くのかな」
となると、分数単位で探さねばならず、見落としも発生する。

つまり、これが1.5倍速で見る者の心理である。
「若者は我慢が出来ない」とか「辛抱が足りない」とかではなく、単純にそのデメリットが浮き彫りになっただけだと私は思う。

反対に本は読み方の自由度が高く、読み飛ばし、読み返しが簡単に出来る。

1度、知り合いと本の読み方について話したことがある。
ある人は「最初から最後まできちんと読む」
またある人は「とりあえず大雑把に全体を読んで(何やら難しい説明は飛ばして)気になったところとか、よく理解出来なかった所をもう一度読む」
また、別の人は「1周目、面白かったところに付箋を貼って、後でまた読み返せるようにする」
など、読み方は人それぞれだ。
本は閉鎖的で読み方について他人となかなか共有することがないため話題にならないが、これだけ見ると、動画の早送りなんて比にならないくらいの読み方をしている人もたくさんいる。(速読という、読み方もあるくらいだ)

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周りの不安に流されず、自分が見たいように動画を視聴すればいい。
最近の若者がー、ではなく元々持っていた人や物の本質が暴き出されただけであって、私たちは昔と大して変わらないと思うのだ。


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