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【パーマカルチャーデザイナーvol.39】Kenta Ooe

これはパーマカルチャーデザインコース(以下、PDC)を修了したパーマカルチャーデザイナーたちのリレーコラムです。

※パーマカルチャーとは
"Permaculture is a dance with nature, in which nature leads."
パーマカルチャーとは自然に導かれる自然とのダンスのようなもの。
Bill Mollison

ビル・モリソン

#39 Kenta Ooe

今回は千葉出身の島根在住・大江健太ことケンケン。
昔からの顔馴染みのような親しみやすさがケンケンの魅力。
朗らかで柔らかではじめて会ってもホッとできるような存在。
今回の記事は彼のやっていることの一部。
活動は多岐にわたっていて、地域のキーパーソンなんだなと感じてる。
いつか彼の住む津和野を訪れることを楽しみにしています。

Q1.あなたについておしえてください

島根県津和野町在住。36歳。男。
】という食べることから社会のこと見渡せる場をつくっています。
わかりやすく言えばカフェ&ブックス&量り売りの店。
ぼくらの活動がだれかの糧になればいいなと想いで運営してます。

Work shopの大地の再生講座の一場面

それと他に、空間・コミュニケーションデザインの会社をやっていて、お店づくりや家づくりの建築的な仕事をしています。

2021.03竣工 NeroBake
Photo by 七咲友梨

そんなぼくについて、おしえてくれ、と。なるほど。過去、どんなことを考えてたか振り返ってみたことをツラツラ書いてみます。

「建て方やってる大工さんってかっこいいなー、鳶の服もいい・・!」 ・・・小学校の頃、近くで家の骨組みをつくっている大工さんが餅投げをしてて

「いつか森をまもる仕事をする」
・・・亡くなったじいちゃんの葬式での誓い。なんかふと森(自然)を守りたいと思い立った。

「水は善く万物を利して而も争わず、衆人の悪むゆえところにおる。故に道にちかし」
・・・高校生の頃、老子の思想にどはまりしていた。

「家づくりってハードな部分のデザインだけじゃなくて、ソフトのコミュニケーション設計がされていないってまずくないか?」
・・・大きな分譲地で注文住宅をつくりながら、思った疑問。

「たべることがこんなに身体をつくってるなんて、思わなかった」
・・・重度のアトピーで苦しんだ30歳。食べることが身体をつくり、治癒することができることに気づきいた。

こんなことを思いながら、36年間生きてきて、たどり着いたのが現在ですかね。これからどんな出会いがあって、どんなインスピレーションを受けて、どういう自分に変わっていくかわからないけど、思えば、つよく思ったことはいつしか形になっていく、不思議。

パーマカルチャーデザインをはじめてからも、たくさんの出会いがあって、機会をいただいてる。社会の大きな変化や、身の回りの変化にながされながらも、自分なりの形を模索していきたい。

今は、津和野で自分のフィールドになる場所を探してます。家の裏の空き家いいなーとか、けど直すってなるといくらかかるんだろ・・(汗)、とかっていう感じで、うろうろ。

あとは友人がパーマカルチャー的なフィールドづくりをしたいっていう話をいただいていて、その設計を取り組んでいて、一緒に考えて、一緒にいい形にしたいなと思ってるところです。

Q2.パーマカルチャー デザインコースを通して

まずは、背中を押してくれた嫁さんの話。
以前からパーマカルチャーについてとても気になっていて、そのことを度々嫁に話をしてて、今年はPDCいつあるの?って話をしてたときにPDCの告知を見つけた。
費用はそれなりにかかるものだから、どうしようかなと、相談すると、

「学びはじめたいことがあるんだったら早いほうがいいよ。費用がそれなりにかかっても、いつかは学ぶんだろうから、すぐに行ってきなよ」

と背中を押してくれた。 その決断への一押しがあったからなのか、PDCでの学びは僕の人生の中でとても大きいものだった気がする。

ぼくの中でPDCに行けて一番ありがたかったのは、仲間との出会いだろうなって思う。 パーマカルチャーという領域はまだ日本ではニッチ。PDCを受講せず、住んでいる場所でひとりでパーマカルチャーについて学び続けてもいいけど、ぼくだったら寂しくてやめちゃうような気がする。 だからPDCを参加しての2週間で得たパーマカルチャーの仲間は最高な宝物だと思う。出会った仲間たちの拠点は遠いけど、仲間の活動の投稿がSNSにポストされるたびに、頑張ろう・・!っていう気になれる。

津和野に戻ってパーマカルチャーの講座やワークショップをすこしずつ企画するようになると、PDCを受けた先輩方が意外に近くにいてびっくりした。これから少しずつだけど、近所に住んでいるパーマカルチャーに興味あるひとたちと共に学びの場をつくって、一緒に活動していけたらいいなって思っています。

Q3.あなたにとってパーマカルチャー って

ぼくの仕事は「建築設計」や「空間づくり」が多いんだけど、パーマカルチャーを知ることで、考える起点が増えた。「暮らし」や「自然」という要素に繋がりができたことで、かなりの広がりをデザイン・設計に取り入れることができることに希望を覚えつつも、壮大な領域になったものだなぁとちょっと焦りの感覚もある。こりゃ一人の人生で完結できるような学びじゃないな・・と(笑)

・自分の暮らしを納得できるような形に工夫していくこと
・その暮らし方をみんなにシェアをして、みんなにとっていい形を提案していくこと

この2つをじっくり、これからやっていきたいなと思っています

そうそう、誰かが言ってたか忘れたけど好きな言葉は

「暮らしをしつづけることで、その場所が心地よく豊かになっていく」
「人も自然の一部で、壊し続けることも多いけど、育てて豊かさを最大にしていける、そんな存在なんだよ」

この言葉が誰が言ったか忘れてしまったのが悔やまれるけど、パーマカルチャリストみんな言ってるような気がする。素敵な言葉です。

なんにせよ、ホリスティックな目線をゲットできたこと。
ぼくにとって新しい好奇心であり、「人生かけての学び」のスタート地点に立てたことに感謝。
人生という時間の中で、好奇心がずっと寄り添ってくれる安心感はすごい。
パーマカルチャーと出会えて嬉しいです。

Q4.PDCの中で次にバトンをつなぎたい人とその人の印象

キコリン!木山 由香子さんです。

ぼくが千葉で活動していたエリアで、離れた後もキコリンがいろいろ面白いことをやっていて、活動中に会えてたらよかったのにな〜とちょっぴり悔しい。
PDC2021の同期で、いまやってることや考えてることをこのMagazineを通して聞いてみたいなーと思いました。

素直で、まっすぐで、太陽みたいな明るさをまわりに与えられる人で、PDC最終課題(?)のオールタレントショーで凄い盛り上がりを作ってくれたのが忘れられない。(衝撃すぎてまだ思い出し笑いできる 笑

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大江健太
Kenta Ooe
糧(津和野にあるカフェ)
http://72recipes.jp/

高津川デザイン工房(リノベの会社)
https://takatsugawadesign.com/

Radio Active Radio(編集スタッフ)
https://open.spotify.com/show/57TAYkgyhoSkiRG0cOcqNk?si=130e0e9ebcf54631&nd=1
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2022/10/23 霜降