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【パーマカルチャーデザイナーvol.42】Atsuhide Matsumoto

これはパーマカルチャーデザインコース(以下、PDC)を修了したパーマカルチャーデザイナーたちのリレーコラムです。

※パーマカルチャーとは
"Permaculture is a dance with nature, in which nature leads."
パーマカルチャーとは自然に導かれる自然とのダンスのようなもの。
Bill Mollison

ビル・モリソン


#42 Atsuhide Matsumoto

すでに場を持っていて多くの実践と経験を積んできているあっくん。
そんな彼がPDCに来てくれたのは、ソーシャルパーマカルチャーやインナーパーマカルチャーそしてZone00という中での『在り方(being)』にとてもフォーカスされたことだと感じてる。
これを具現化して伝えるのは難しくて、PDCに来てもらって感じてもらう以外の方法が思いつかないのだけど、あっくんの文章を通して少しでも伝わると嬉しい。
最終デザインでサングラスと白シャツで登場して、目を輝かせながら発表してたあっくんの姿が忘れられず、また会う日を楽しみにしています。

Q1.あなたについておしえてください

松本篤英(マツモト アツヒデ)
宮崎県出身。
現在は岩手県の森の中で元保養所だった遊休施設をパーマカルチャーフィールドとして「環境の再生と整備」をしながら、妻・ネコ・ニワトリと暮らしています。

3.11をきっかけに15年ほど勤めた東京電力を辞め、自然と共に生きる人生へ飛び込みました。

パーマカルチャーとの出会いは、2012年に山奥のNPO法人岩手子ども環境研究所(森と風のがっこう)に勤めたこと。
そこで循環型の施設運営や環境教育に従事。

森と風のがっこうでパーマカルチャーライフに必要な「具体的な技術や知識・団体運営・仕事づくり」などの所作が身についたことや妻と出会えたことで、一人では見つけることの出来なかった「自分たちらしいライフスタイル」の具体像が見えて来たことが人生を次なるステージへ加速させました。

その後、地域おこし協力隊となり任意団体を設立。

行政や企業・地域の方のサポートを得ながら、2015年よりピネムの森(pinemem forest)の屋号を掲げ、「場の放つ力によって自分の中に眠る「原体験」のスイッチが入り、深いつながりと共に、自身の役割に戻って欲しい。」そんな「祈りのような場」をつくりたいという思いで、現在につながる活動をスタート。

おかげさまで、3年間で延べ2000名の方に来ていただきました。

(馬搬材を使った掘立て小屋の制作WS)

フィールド整備と並行して、イベント企画・飲食・宿泊業を営むも、パンデミックにより方向転換。
現在はパーマカルチャーデザイナー&ビルダーとして、企業視察の受け入れ・大工&フィールド整備・講演会・環境再生のワークショップなど専門的な技術や知識の提供と共に、妻のお菓子屋さん『アムタピーニャ』のサポートなどをしつつ暮らしています。

※森と風のがっこう
『パーマカルチャー〜自給自立の農的暮らしに』(創森社) 
パーマカルチャー・センター・ジャパン (編集)
に設備概要や設立の思いなどが掲載。

Q2.パーマカルチャー デザインコースを通して

Permaculture Design Course 2019

実践から5年が経ち日々試行錯誤しながら気づいたことやさまざまな人との出会いの中でパーマカルチャーについて実感が伴い、今後も持続的に続けていくためのワークライフバランスを模索していた2019年に「パーマカルチャーデザインコース」を受講しました。

講師陣や参加者の方々のサポート
安心して過ごせる人との距離感
丁寧にデザインされた調和的な場
『平和で美しい空気感』を感覚として体験出来たことが強く印象に残っています。

フィールド整備・運営でクタクタになっていた心身に

人と場が共鳴する力によって

「自分自身が自然であったという原体験を、呼び覚ますきっかけになる」

という願いが確信となって

他者とのつながり方や分かち合いのバランス感覚や人と自然の『活かし合う関係性』の段階へと
自身の在り方を加速させていきました。

Q3.あなたにとってパーマカルチャー って

自宅の庭の景色。
周囲をぐるりと森に囲まれている。

東南に位置する庭を囲むように自宅・薪小屋・ニワトリ小屋・温室・家庭菜園・水場・果樹・道具小屋が配置されている。
奥に見えるのはシンボルツリーのストローブ松。

窓を開けて、庭を眺めると生命が今日も紡がれていく。

そんな世界の物語が僕にとってのパーマカルチャー。

2015年から始めたフィールドデザインは、さまざまな経験で得た気づきを通して微調整されながら『自然と人の環境再生デザイン』へと変化してきている。

そこで暮らすさまざまな生命の日々の動きを観察しながら施設を配置し、少しづつ自然の持つ働きと共同して仕組みを動かせるようになってきて、結果として無駄なエネルギーが抑えられ、豊かで安心して暮らせるようになってきた。

パーマカルチャー実践も10年を超え、自身の物語から見えてきたものは一見不自然な社会や自分かもしれないけれど大きな視点で見ると、タイミングや役割・世界観が違っていて、この社会で豊かに生きるための不完全さを含む過不足のない世界だったという衝撃的な気づき。

そんな大きな視点と同居させながら、精神性も、機械化も、お金稼ぎも、色んな人との出会いも全部巻き込み渦が大きくなる度にプラスもマイナスもバランスを取り直しながら、この世界を楽しんでいます。

冬の一コマ。
ロケットストーブの周りに集まる面々。

これからひとり一人がパーマカルチャーなどのきっかけを通して

地域固有の風土の作法を取り戻し
段々と身体感覚と知性が一体となって
動物たちのように命の営みそのもので
徐々に自然の循環に加わりながら

人の暮らしや営みによって
風土景観も美しく再生していく

僕にとって
パーマカルチャーは今も変化し続ける
そんな世界の物語です。

Q4.PDCの中で次にバトンをつなぎたい人とその人の印象

ナミHey!(Namiko Mochizuki)

「愛と笑い」の魅力的な人。
一緒にいると生命の美しさを感じました。
創造力の追いつかない底知れぬ懐の深さを感じる。
思慮深いのかなとか、いやシンプルに何も考えていないのか!?とか。

いつかお店にも、突然伺いたいです。

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松本篤英
Atsuhide Matsumoto

note:https://note.com/pinemem808
Instagram:https://www.instagram.com/pinemem_forest
Youtube:https://www.youtube.com/c/pinemem
*気まぐれ発信中。
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2022/12/7 大雪

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