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経営者が月次決算で抑えておくべき5つのポイント

月次決算書を見る時に経営者が押さえておくべき5つのポイントを解説します。このポイントを理解して毎月数値の増減を確認していれば、経営の大きな舵取りミスを防げます。

①売上高計

売上高は、損益計算書の一番上に記載される項目です。
売上の種類別に分けて表示されることもありますが、その場合でも売上げの合計金額は表示されています。
本業の状況の良し悪しを判断するひとつとなる重要な項目です。
売上高は前年同月や前月と比較して増加したか?減少したか?増加理由は何か?減少理由は何か?数ヶ月連続で増加または減少していないか?等を確認することにより会社の戦略が上手くいっているかどうかを判断します。
注意点としては売上は利益=もうけを表しているわけではないということです。

②売上総利益

月次決算書の損益計算書に記載される利益には「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の5種類がありますが、ここでは本業のもうけの柱になる「売上総利益」を確認しましょう。
売上高から仕入等の「売上原価」を差し引いた利益が「売上総利益」であり粗利(あらり)とも言われています。
「売上高-売上原価=売上総利益」となるので、売上が大きければ大きいほど、売上原価が小さければ小さいほど、売上総利益=儲けは大きくなるということになります。
売上総利益の金額の中から次に説明する固定費を賄わなければ真の儲けが出ないので、売上高の増加よりも売上総利益が増加することの方が重要です。

③販売管理費計(販売費及び一般管理費計)

販売管理費とは販売活動に必要な費用や会社全体の管理活動にかかる費用、いわゆる「経費」を指しています。
給料・社会保険料等の人件費、家賃、電気代等の水道光熱費、電話代等の通信費など当月の売上や売上総利益の増減に関わらず毎月かかる費用なので別名固定費とも呼ばれます。
知らず知らずに増えてしまうことが多いので、毎月売上総利益内の金額に収まるようにすることはもちろん、常に増加傾向となってしまっていないか、無駄な支出が無いか常に注意が必要です。
毎月売上総利益内の金額に収まっているかどうかは営業利益がプラスになっていることで確認出来ます。

④流動資産合計

流動資産合計とはおおむね1年以内に資金化できる現・預金、売掛金、棚卸資産の他資産科目の合計額であり貸借対照表に記載されています。
企業にとってすぐ資金化出来る資産がどれだけあるのか把握しておくことは大変重要ですが、流動資産は現預金だけで無く売掛金や、在庫等様々な状態で表示されているためその中身を把握することが大切です。
流動資産を多く持っているということは、基本的には資金繰りが安定しているということになりますが、先ほども述べたように流動資産には棚卸資産(=商品の在庫)も含まれているため仮に商品が売れなかった場合は資金化ができなくなる恐れがあることも考慮しておいてください。

⑤純資産の部

純資産の部は「利益の累積」を表す場所となっています。
純資産が増加傾向にあれば経営が上手くいっているという事で、純資産が減少傾向にあるようなら赤字経営になっているという事です。
純資産はすべて自由に使えるお金なので、増えれば増えるほど会社の経営が安定しますのでここが増加傾向にあるかを把握することが重要です。

一般社団法人日本パートナーCFO協会 編集部

この記事を書いたのは、
浜村美香さん(協会代表・協会認定パートナーCFO®)




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