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予実管理3つのステップとすべきこと

PL/CFの改善をするためにはまず月次損益を把握し、単月での黒字化を図ることから始めるのがおすすめです。そのために予実管理が重要になってきますが、効果的に実践できている会社は少ないです。ここでは予実管理を実施するにあたり「予算を立てる」「実績を測定する」「予実の差異分析をする」という3つのステップごとのポイントをお伝えしていきます。

予算を立てるときのポイント

①そもそも予算を立てていない
予算を立てておらず実績管理のみしか行っていない会社があります。この場合予算の達成状況が把握できないだけでなく、どこまで改善したらいいかの具体的な数値もないため、効果的な施策を見つけ出すことができなくなってしまいます。予算は必ず立て関係各所に周知するようにしましょう。
②予算はまず現実的な数値で立て、予実管理を進める中で見直していく
最初から大きな売上アップを見込んだ予算にする必要はありません。改善すべき方向性も分からないままいきなり高い目標値を掲げられては、従業員も何をすればいいのか分からずただプレッシャーを抱えるだけです。まずは実態把握を目的として現実的な数値で予実管理を開始し、改善すべき課題や具体的施策を見つけながら予算を最適化していくことをおすすめします。

実績を測定するときのポイント

①正確な数値を取ることにこだわりすぎない
実績を測定するためには現場の協力が不可欠ですが、正確な数値を取ろうとし過ぎるとその分現場の負担は増えます。また例えば月次の締めが遅い現場があった場合、足並みを揃えようとすると差異分析をするタイミングが後ろ倒しになっていきます。正しい数値にこだわりすぎない、締めが間に合わない場合はある程度見込みの数値でも許容するようにして、鮮度の高い状態で定期的に差異分析をしていくことが重要です。
②簡単に実績が測定できるような仕組みを作っておく
PL/CFについては経理ソフトなどで管理している会社が多いかと思います。予実管理の数値はエクセルなどで管理表を作っておき、経理ソフトからエクスポートしたCSVファイルを貼り付ければ予実管理表に自動で反映されるように計算式を入れておくなど、現場に負担をかけず手軽に測定できる仕組みづくりをしましょう。

予実の差異分析をするときのポイント

①差異が発生した原因を考察し、具体的施策の効果や副作用を吟味する
予算未達だからといって安易なコストカットを取ろうとすると、現場の機能不全を起こしたり、最悪売上が落ちてしまうこともあります。予実の差異を分析することで様々な原因や施策候補は見つかると思いますが、効果や副作用をきちんと洗い出した上で取るべき施策を吟味することが重要です。
②施策の実施状況は次回レビュー時に必ず確認する
原因分析をして具体的施策を立てたものの、その実施状況をチェックしていないと予実管理の効果が半減します。例えば翌月のPL/CFが改善したとしても施策の実施状況が見えていないのであれば、その施策が本当に効果があったのかそれとも別の要因が影響しているのかすら分かりません。施策の実施状況は次回のレビュー時に必ず確認し効果を確認しながらPDCAを回していくことで、より改善効果の高い予実管理ができるようになっていきます。

一般社団法人日本パートナーCFO協会 編集部

この記事を書いたのは、
田中祥一郎さん(協会認定パートナーCFO®/ITコンサルティング)


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