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高額療養費制度を具体的に計算してみる

検査入院するかもしれない可能性を告げられたとき、大学病院の文書室のおねーさまがおっしゃるには、なにはともあれ、高額療養費制度を申し込めという。

申し込んで使わなくてもよし、しかし、申し込んでおけば自己負担はそのタイミングで最低限に抑えられる。
難病助成なりには診断書等が必要だし審査には3ヶ月かかる、しかし、高額療養費制度は自分の健康組合に申請出せは数日で発行されるものだという。

なるほど。たまに聞く、

すごく高額だった医療費1000万円が30万円に!!

ってやつか。

しかし、最初にその説明を受けたとき、理解できなかったのだ。
現在令和4年時点の説明は以下の図となっている。

https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf  より

さて、もらった健康組合のサンプルが(イ)のケースだったので、800万円程度の年収として以下考える。そうなると、計算式はこちら

ひと月の上限=167,400円+(医療費-558,000)✕1%

まず、医療費とはなんだ?自己負担額か?例えば1万円払ったら、いくらだ??と考えて暗算したら当然マイナスになってしまう。
マイナスとはどういうことだろう。と思って、文書室のお姉さまに伺うと、それは10割負担分の金額を入れるのだという。
10割負担でも4万じゃん、やっぱりマイナス……と、最初は混乱していた。
なにか、適用条件の記載が抜けているのでは……と気が付き、まあ、常識的に考えて、上回った分が適用かと後で気がついた。(※この部分の思考回路は後述)

まず、3割負担を考えよう。医療費100万円までの自己負担は以下の通り。
100万円の医療費に対して自己負担は30万円である。
これ以降、全て1ヶ月の合計医療費で、かつ初回が前提である。

3割負担のときの医療費と自己負担金額

高額療養費は、自己負担額が一定を超えたときに適用される。
よって、ある時点までは3割負担の金額を払い、その金額がある基準を超えると制度適用となる。つまり、100万円までの医療費の自己負担額は以下となる。
上から2番めの人たちは大体、医療費55万円までは3割負担(自己負担16.7万円程度)、それ以降は16.7万円+医療費から55万円控除した金額の1%が自己負担である。

制度適用時の自己負担(オレンジ/◆マーカ)

ところで、難病助成制度が適用されるとさらに2割負担になるので、こんなイメージ。支払上限は一般所得II(~年収800万程度まで)の場合は2万円。

難病助成適用時(赤/■マーカ)

たしかに助成適用される時のこの負担割合は大変ありがたいが、適用されるほどの重症度なのか、ということを考えるとちょっと複雑。
この図を見ると、助成対象にならなかった場合の悲劇を想定してしまうが、「軽症長期」という支援もある。その場合医療費の約3万円超えが過去1年のうちに3回超えれば適用となる。詳しくは以下のページご参照。

さらに、難病申請を出した時点で在住の市区町村独自の助成制度があるケースもあるので保健所で聞くと良い。


※何がマイナスだと思ったのか
こういう思考過程だった。
1.療養費制度を申し込む
2.制度が適用される
3.適用された金額を払うことになる
4.もし、0円だったら? 式に数字を入れたら、16万近い金額がでるが??
5.え?使ってないのに16万?私的にマイナスでは???

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