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フジコ・ヘミングさんの思い出

起きたら訃報。
ピアニスト、フジコ・ヘミングさんが亡くなってしまいました。

1999年NHKのドキュメント番組『ETV特集』「フジコ〜あるピアニストの軌跡〜」が放映されて大ブレイクした彼女。その後は、CDリリース、コンサート活動で大活躍していました。

私が知っているのは、そのブレイク前。
まだ駆け出しのピアノ調律師だった、20代前半のワタシ。ご自宅のピアノ調律に伺っていました。すごい状態のピアノだったのを覚えています。

そして沢山の猫。
調律していると、入れ替わり様子を見にくる🐈。
そして手料理をいただいたのも、良い思い出です。

ある日、確か横浜市イギリス館だったかな…
「サロンコンサートがあるから手伝って」と言われて、調律とコンサートの準備を手伝った記憶。

更に、東京藝術大学の旧奏楽堂に呼ばれて行きました。「今日、NHKの取材が入るのよ〜」なんて言われたと思ったら、放送されて大ブレイク。

「もうひと花咲かせたいわ」
なんて言ってたのに、ひと花どころか第14回日本ゴールドディスク大賞の「クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」他各賞を受賞。CDリリースや本の出版、大きなホールでのコンサートと大活躍されていました。

私は、やんごとなき事情で会社を離れることになったので、大ブレイクしたところまでしか関わっていなかったのですが、その後の大活躍を目耳にして嬉しく思っていました。

昨今、楽譜通りに弾く技術「だけ」すごいピアニストは掃いて捨てるほどいますが、フジコさんは情感を込めて演奏するタイプ。ミスタッチなんて気にしないし、思うままに演奏されていました。
音を、音楽を楽しむ。
それが、多くの人の心に響いたのだと思っています。

音色の大切さ
若き日の私にそれを教えていただいた、そんな方でした。

晩年での大ブレイク。
沢山の花を咲かせて、より多くの方に演奏を届ける25年を過ごせて幸せでしたね、フジコ先生。

ご冥福をお祈りします🙏

もう一度、お話ししてみたかった。

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