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抜歯/ストロングスタイル


いつかお別れするときが来る。
そう思いつつも、平穏な現状に甘え
見て見ぬふりをしてきた。
 
しかし、ついに決別の時が来た。引越しして歯医者にかかりにくくなる前に、
左側の上下に存在する親知らず達を始末する事にしたのである。
 
ご近所の某ショッピングモールの中にある歯医者さんの評判が良いと聞き、
早速行ってみる。
 
歯のコンディションを整え、レントゲンを撮る。
左上は既に虫歯だったので(知ってて放置してました…)先に抜歯。
先生が「手強い」とコメントするも、程なくしてメリッ、スポン。と抜ける。
 
先生が抜いた歯を眺めて、
「凄いですね~頑丈。根っこが3つに分かれて…」とコメント。
のんきに、へぇー私って歯が頑丈なんですねとか言う。
この時、案外素直に抜けたのですっかり油断していた。
 
最後の野遊び(冬キャンプ)を終え、その翌日に左下抜歯へ。
レントゲンを確認し、麻酔していざ…メリッ…
「アレ?取れない。」

先生が向きを変え道具を変え、力を込めて引っこ抜こうとするが、取れない。
「もう取れてるのに歯が出てこない」
30分くらい格闘して、お互い疲れてきて若干痛くなってきたので麻酔を追加し
「麻酔が効くまで、少し休憩しといてください」

この間色々思い出す。
 
そういえば8年くらい前に右側の親知らずを抜いた時は
歯肉を切ってドリルで歯を3分割して取り出した手術だったような…
もしかして私の親知らず、ヤバいの???
 
麻酔が効いてきたので第2ラウンドへ
ドリルを取り出す先生。
やっぱり!! 歯を、分割するつもりなのね!!!
そして始まる土木工事なサウンド。痛くないけど怖い。
バキッ。メリメリッ…
 
「ここで一旦レントゲン取りますね。」
抜歯の途中…?ですよね?
とりあえずレントゲン室へ。年甲斐もなく震える。
もう完全にヤバいやつじゃん。
 
レントゲンの確認。
歯は半分以下になってるけど、根っこがガッツリ映ってる~
そして麻酔を追加して第3ラウンドへ。
 
歯の根っこを抜きながらつぶやく先生
「これはすごい」
そんなに凄いんですか私…
 
「歯の根っこが一部取り切れなかったけど、骨にくっついてて隣の歯にもくっついてるから、無理にコレ取ろうとすると隣の歯まで抜歯になる可能性があるから、
ここまでですね…。あと神経に近いからあまり触れない方が良い。
ここまでのは私も初めて見ました。」
 
もはや怨霊の類ぐらいの扱いじゃないですか。
 
バラバラに砕け散った歯を怖くて直視できませんでした。
視線の端で感じ取った歯、犬歯3本分くらいある…?
元のサイズどんなんやったんや…怖…
 
最後にレントゲンを撮って終了。
 
会計の所まで、先生がわざわざ見送りに来る。
「腫れるし、痛いと思います。」
そう言って、止血用のガーゼを手渡してくれた。
大泉洋に似た、モジャモジャのチャラっぽい感じの人だと思ったけど
いい奴だなと思った。
 
手遅れの皆様とそうでない皆様、そしてお子様をお持ちの皆様へ
親知らずは10代後半~遅くとも20代のうちに抜きましょう。

過去に内輪向けで発信していたメールマガジンが、読み返すと結構面白かったので、リライトしてみました。

【アホみたいなことを】 気まぐれメールマガジン_034 【バカみたいにちゃんとやる】

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