戦争反対

 むかし子どもの頃、あるミュージシャンが(というか藤原基央だが)、「『平和や反戦を歌ってほしい』と言われることがあるが、直接そういったことを歌うのがいいとはおもわない。もっと普遍的なことを歌うことによって、自然とそういった意識をもってもらえるようにしたい」というようなことを言っているのをきいて、なるほどとおもっていた。

多くのミュージシャンが平和や反戦を歌わずにそうして20年近くが経ち、現状はこうである。藤原の(少なくともかつての)考えは間違いだった。バンプのリスナーにも人殺しはいるし、戦争が起こっても、自分の住んでいる国が戦争に加担してもなにもおもわない人たちがたくさんいる。そもそも人間ってそんなに賢くないよな。今になってみると、アジカンのゴッチは偉かった。でもかれがずっと言ってきたことは至極当たり前のことなんだよな。当たり前のことがなんでこんなにむずかしいのか。

戦争するな、平和を守ろう、差別するな、互いにおもいやりを持とう。そういう聞き飽きた当たり前のことばが当たり前でなくなっている。当たり前だからあえて言わなくていいとおもっていた。でもどうやらそうじゃないらしい。なので言います。戦争反対、虐殺反対、植民地反対、差別反対。すべての人は平等だし、すべての生きものは敬意に値する。ものや食べものもできるだけ大切にしたい。

新年なんて言って、ただカレンダーが新しくなっただけだ。まあでもひとつの区切りとみなすなら、まず言っておきたいのはそういうことだ。今年もよろしくお願いします。

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