最近のマイブームは日食なつこ

 数年前に友人から勧めてもらったのにちゃんと聞かなかった自分を小一時間問い詰めたい気分だけど、それもそのはず。一曲聞いて感想を求められると、「ピアノ主体の尖ったアレンジですね。」となってしまいそう。(しかしめっちゃカッコいい)

ピアノアレンジ力が凄い

 先日ようやく重い腰をあげてアルバム1枚を通して聴いてみた(本当になぜ今まで聞かなかったし)。一曲だけでは尖ったアレンジの曲だが、アルバムを通して聴くと彼女の音楽の哲学が見えた気がする。注目すべきはピアノアレンジの多彩さだった。
 そもそもピアノは楽器の王様とも呼ばれるように、ベースの仕事もギターの仕事もやろうと思えば一人でできてしまう楽器である。ポップスシーンではなかなかその異名を実感することは少ないのだが、彼女はピアノのポテンシャルを十分に引き出して、ポップスのフィールドでもピアノ一本で楽曲を完成させてしまえるほどにピアノアレンジ能力に長けている。普通ベースが担当するパートがピアノの音色だったり、一般的にはギターのカッティングやアルペジオといった形で入りそうなフレーズもピアノだったり。そして、ピアノ一人である程度完成している部分に他の楽器が+αするような楽曲の作りになっていることが多い。しかし一人でよくこれだけアレンジ思いつくよ。。。

バランス感覚が凄い

 ここまでは、日食なつこが「ピアノ主体の尖ったアレンジの人」のように紹介したが、ここからは彼女の音楽的なバランス感覚の良さにも注目したい。ポップスシーンでピアノ主体といえばバラード系の曲やピアノポップのサウンドだが、ある意味アレンジの完成形が知られているこういった楽曲も彼女は書いている。例えばこの曲では、ピアノリフが全編にわたって効いている構成だが、音のバランスはピアノが主役の今時のバラード曲とそんなに変わらない。

いわゆるピアノポップ系の曲はお手本通りのアレンジ。歌詞はなかなか尖ってて面白い。(作曲面の工夫はもちろんあるけどここでは割愛)

たぶんあのサウンドは彼女の最適解

 一般的にピアノが主役となりそうな楽曲はそのようなアレンジをとるが、一般的にギターやベースが目立ちそうな楽曲では彼女のアレンジ能力を持ってすればピアノアレンジ主体で完成形たり得る。つまり、彼女は尖ったアレンジをしようとしていたのではなく、最適解をとっているだけなのだろう。

その他

- アルバム「永久凍土」に入っている「モア」がお気に入りです。
- ポップスのピアノの勉強をしたいなら、彼女の音楽を聞くといろんなアイデアに触れられて良い勉強になると思います。

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