コイン

コイン

 財布の中のコインは実に邪魔ものだ。入れすぎると財布はパンパンに膨れ上がる。しかも必要なときに必要な枚数を取り出すことは難しい代物だ。友人は、「コインなんて、チップチップ。僕は札以外のおつりは取らないよ」確かに札は薄くて便利であるが、お札はただの印刷された紙である。札を発行する国の状態でその札の価値が決まる。
 タイの貨幣単位はバーツ、昔の1バーツ銀貨一枚の重さ(約15.2g)をバーツと呼び、今でも金の重さを量る単位になっている。【1バーツ=3000B】と言う表示を金行で見ることが出来るが、ちょっと頭が混乱する!インドにもタイ同様に重さを量る単位にルピーがあり、11.5gが1ルピーである。
 タイの少数民族のアカ族やラフ族などは頭飾りやネックレスに昔の1ルピー銀貨をはんだで付けている。これなどはまさに「私は金持ちです」とアピールしており分りやすい。また、「ポケットに入れたはずが。。」と銀貨を無くす事もない。
 タイの山岳民族にとってビルマと交易するには昔はインドルピー銀貨、「じゃあ銀貨2枚分のマツタケね」とか言って天秤を使って交易が行なわれていたのだろう。
 昨今の米ドル不安などに反応した資産家の間で、金貨を買う動きが見られる。金の価値は国家体制に左右されないように見える。そういう視点で考えると。。。胸元に金のネックレスをジャラジャラさせているタイ人、近代貨幣制度なんか本質的に信用してないんだろうなあ。
 昔の銀貨と違って、机の中に山のようになって眠る肩身の狭い25サタンと50サタンコイン。「これ溶かして金属にした方が価値あるんじゃないの」と酷いことをいう親父。「これ日本の友達にあげると喜ぶだろうなあ」と息子。価値のかたちは様変わりすれどコインはいつの時代も子供たちに愛されているのだ!

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