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野球のこと

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野球の試合から、感じたことを綴っています。
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#駒大苫小牧

凱旋

ファンファーレが鳴り響く 青空の覆う 深緑のスタジアム ゲートをくぐり現れるのは アイボリーホワイトのユニフォーム 胸に駒澤の文字を刻み 心に駒澤の精神を刻む 北の大地を制した挑戦者達 足音は軽やかで喜びにあふれ 踏みしめるごと大地に力を得る 両の腕はリズミカルに反復し 歩み続ける力となってその身に漲る 一息ごとに膨らむ胸 希望と言う名のパワーを抱き 戦士は進む 今目の前に続く道を スタンドに起こるざわめき あれが北の王者だと この場所に帰ってきたのかと 胸に今も残

小さなチームの大きなキャプテン

 それは ほんの少しだけ昔の話  ここより50キロほど西にある  小さな町の小さなチームの   大きな大きなキャプテンのお話です 小さな選手のいる中に  大きな選手がたった一人 はじめは そう  まだ若いコーチに見えました 彼はだって  お世話を焼いていたのですから 胸よりももっと背の低い  その小さな子ども達の  まっすぐに並ぶんだよ  行進が始まるからね  大丈夫だよ 僕の背中を見ていれば 開会式に向かう小さな列は 親鳥に導かれる雛の行列のようでした 安心と誇りに輝

広い翼

彼らが成ろうとしたものは 誰よりも高く飛べる鳥だった 鍛えた体はずしりと重く 飛ぶために要るのは広い翼 翼の広さは心の広さ 翼の強さは心の強さ それが2年と4カ月で 彼らがその手に掴んだもの 広く伸びた骨格には 無数の羽根が要るでしょう 生え揃うことなく飛び立てば 強い風には向かえない 彼らの今がそう見えた 誰よりも高く飛ぶための 広い翼の骨格を得た 彼らの未来に訪れる飛翔は 直に揃うだろう羽根さえあれば めざす高みへ届くだろう 彼らが成ろうとしたものは 誰よりも

見えない翼

翼はまだないのです 真っ白なその背中には 固く閉じた骨格に 飛べるほどの羽根はなく 大空を翔けるその時を 静かに待っているのです 滴る汗が土に浸みる刹那 熱い鼓動に胸打たれる瞬間 歯を食いしばり立ち向かう時 絶望の淵を見た何時か 人知れず涙する夜 激情に駆られ目覚める朝 そして 決意の時 繰り返される瞬間(とき)の中で 柔らかで小さな少年の羽根は 意志持つ一個の羽と成り 隙間なく満ちるその瞬間に 陽光に煌めく銀の翼は 歓喜の飛翔を遂げるでしょう 白い背中の戦士た

銀の翼

始まりは失意とともにあった 時を止め 歩みを止め 自らの進む道 混沌に潜む光を探る 迷い 葛藤のその果てに ようやく射した光を見つけた 遠い遠い道の先 小さく眩い光へ向かい 飛び始めたのは夏の終わり 生えそろうばかりの羽を広げた 若鳥たちの編成飛行 大空高く飛翔する 心ひとつに希望へ向かって 秋の嵐も 凍える冬も 吹きつける逆風に阻まれた時も 休まず羽ばたき続けた翼 泥にまみれて千切れた羽根は 光を帯びて 銀となる 四季を超えた飛翔の果てに その手に掴んだ光はない け

夢の扉

その時僕らは確かに見たんだ 開きかけた扉の向こうに 光り輝く道の続きを はじめそれは彼方にあった 歩んでも駆けてみても 遥かに見えるだけの夢は 近づくばかりか霧中に紛れ 僕はそれを見失った どの道を行けばいいのだろう どうやって歩めば届くのだろうか 夢は頂きに輝いて在るのに 僕は道の続きを見つけられない ただひたすらに顔を上げ 夢中で歩む日々が続く ふと頬を照らす光 心の奥へと沁みる声 温かな想いが胸の内に満ちていく 束の間 頂きから目をそらす 僕は立ち止りぐるりと