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その時僕らは確かに見たんだ 開きかけた扉の向こうに 光り輝く道の続きを はじめそれは彼方にあった 歩んでも駆けてみても 遥かに見えるだけの夢は 近づくばかりか霧中に紛れ 僕はそれを見失った どの道を行けばいいのだろう どうやって歩めば届くのだろうか 夢は頂きに輝いて在るのに 僕は道の続きを見つけられない ただひたすらに顔を上げ 夢中で歩む日々が続く ふと頬を照らす光 心の奥へと沁みる声 温かな想いが胸の内に満ちていく 束の間 頂きから目をそらす 僕は立ち止りぐるりと
翼はまだないのです 真っ白なその背中には 固く閉じた骨格に 飛べるほどの羽はなく 大空を翔けるその時を 静かに待っているのです 滴る汗が土に浸みる刹那 熱い鼓動に胸打たれる瞬間 歯を食いしばり立ち向かう時 絶望の淵を見た何時か 人知れず涙する夜 激情に駆られ目覚める朝 そして 決意の時 繰り返されるときの中で 柔らかで小さな少年の羽は 意志持つ一個の羽と成り 隙間なく満ちるその瞬間に 陽光に煌めく銀の翼は 歓喜の飛翔を遂げるでしょう 白い背中の戦士たち 背に息
天空に向かい 突き上げられた一本指 煌く燃焼を前にして 戦士を包むものがある 真の絆が 彼らを一つの炎にするのだ 為すすべもなかった春の闘い 悔しさも 苦しさも 不甲斐無さも 全てを共有した仲間はいつか 繋ぎ合い 結びあい 透明な糸が その目にくっきりと映る時 真の絆は 彼らのものとなった 夏の空 轟く声 繋がる想いは仲間へ届く メットのつばに手を添えるとき その瞳に意志の煌きを垣間見た ベンチの想い チームの想い 仲間の願い 塁上で突き上げた拳は 歓喜の標 受け止めた
背番号とともに その身に纏うもの 戦える喜び 立ち向かう勇気 戦士であることの自覚 背番号とともに その身に背負うもの 友の期待 チームの意志 ライバルへの責任 背番号とともに その手に掴むもの 戦う自信 勝ち得た喜び 自分への勝利宣言 背番号とともに その眼に映るもの 明日へ向かう道筋 その先に見える高き峰 一心に見つめる友の横顔 背番号と ともに 高校野球では、背番号がそのままポジションを示すのが通例です。そして選手に渡されるのは、大抵の場合、代々受け継がれた
土手の道を突きあたりまで行くと いつも小さな子ども達が試合をする 川原の球場にたどり着く その道の途切れる所まで走る野球部員 黒の帽子にグラウンドコート 白いユニに包まれた跳ねる足取り 一瞬その姿が まるで湿原に舞う鶴のように見えて 不覚にも涙が出そうになった どんなに憧れて どれほど大切に思っていても 踏み込むことの出来ない神聖な領域 子どもの頃 野球好きな父とともによく見たプロ野球 王貞治のメモリアルアーチもテレビで見た 高校野球はPL学園 清原と桑田 タッチや