マガジンのカバー画像

野球のこと

93
野球の試合から、感じたことを綴っています。
運営しているクリエイター

#詩

決勝戦 甲子園の詩

真夏の太陽が照りつける 熱波に揺らぐフィールドに 魂を燃やし続ける球児在り 勝負の綱引きは動かぬままだ 拮抗する力勝負に膠着は続く 女神はマウンドの上空に在る 笑みを浮かべ恍惚としたまま 命を散らす火花を眺めている ただ そのままに 眺めている  どちらが勝ってもいいじゃないか  彼等の煌めきは尊い それでいい 守り守られてイニングは進む タイブレークに勝負を預ける 繋ぐ心と心が互いに響き合い いつしかチームの垣根を越えて 聖地甲子園を包み込んでいく 甲子園10

拍手

さわさわ さわさわと 両手を合わす音が降る 心の織りなす音が鳴る 万の想いを重ね合わせ 眼下に在る想いの海の 寄せては返す波となる 細波が心へ灯すものは あなた達の生きる様が 命の光と成った事への 感謝の念の徴でしょう さわさわ さわわ さわさわ さわと 愛のカケラ 降る降る注ぎ 黒土に塗れた 戦士よ光れ 準々決勝 青森山田 対 滋賀学園 試合終了の合図とともに、梢枝の葉を鳴らすような拍手の音がさわさわと聞こえてきました。 それは、甲子園のスタンドから両チームへ

歌う

歌によって心を繋ぎ 歌うことで心を揃え 歌の意味を胸に刻み 歌で心を奮い立たす 歌によって支え合い 歌に託し背を押して 歌うことで響き合い 歌に込めて歓喜する 白球が手と手を 渡るようにして 歌は心と心と渡り繋ぐ 球場の空を覆っている 歌に広がる想いの翼が 亜細亜大硬式野球部が、練習のはじめに全員で歌を歌っていたのです。いただいた冊子によれば「第一学生歌」だったようです。 野球ほど、歌と共にあるスポーツはないだろうと思います。ベースボールとはまた違う、野球の素晴らしさ

究道

その眼差しは一心に 道の先を望んでいる 己を活かす歩を探り 魂へ蓄え続けてきた 数多の願いと往来し 深淵と現象で生きる この場所に在るために 喜びを封じ込めてまで 魂が欲する道程を行く 時は有限 残りは僅か 願う瞬間を引き寄せる 全身全霊をかけて あの時ほどに祈る願いへ 己のこの 体で成し遂げる プロを志望する四年生の佇まいを見ていると、胸が熱くなるのです。どうか願い叶いますように。

時の結び目

なんとなくはないのがいい なんのために 何をどうして どこを動かし どう成すのって 意識しながらするのがいい 気持ち良くもなくていい 少し足りなくて 追いつかなくて 間に合わなくて 気持ち悪くって 渇望が胸に残ればいい 分からないはあるのがいい なぜ どうして はて なるほどと 現象に意味があることを 考え 答えを得るのがいい 全方位に意識を向けて 今ここに焦点する 瞬間の連続のなかで 過去を未来を結び合わせる 見ること 聞くこと すること しかけること 全てに意図を

廻る想い

それは高純度の愛で 出来ているものだから 愛という名の波動を 全力で放つものだから 多くのものの胸を温め 愛すべき対象として 我々へ授けられたもの 愛の象徴であるもので 廻る想いの源泉として 永遠に光と在れと願う

灯はともり 【高校野球】

南の島に灯がともる その胸に 抱き続けたともし火が 青空のもと 太陽が見守るグラウンドへ 幾多の灯は 炎となって燃え盛り 北の大地に灯はともる 凍てつく氷原 風雪の冬 凍えた体を温めた 胸に抱くともし火は 今この時 燃焼の瞬間を待ち望む 南の果てと北の果てから 勢いよく揚げられた烽火は 始まりを告げる時の声      燃焼の瞬間が訪れた   時は満ちたのだ   炎よいざなえ   熱き魂を 吹き上げられる炎の柱は 唸り ぶつかり 一体となり 意志と希望と絆が織りなす 甲子

核心

ソレは 青のように赤く 煌めかず輝いている 収縮により膨張し 瞬間を紡いでいく 混沌から礎は生まれ 背いたものにも 繋がり続ける 裏切ることのない真を 体現するソレは 何よりも眩しくて温かい 天翔けるモノを 抱いているから 再掲です。

僕がボクに

僕がボクに一番 期待をしてるから 僕がなりたい ボクになるために 汗をかくことも 涙が出ることも 当たり前なんだって 分かっているのが 僕なんだってこと 足踏みすることも 壁に突き当たることも 当たり前のことだって 知っているのが僕だ 一番ボクを 信じているのが 僕なんだ 世界中で一番 僕がボクに 夢見ているんだ 頑張り続ける全ての人へ✨

打席

蒼く光る双眸は 飽和する時を視る 世界は此処に凝縮し 時は刹那を繰り返す 鼓動は高く心は燃える 瞳は青銀の湖面を映す 今この時に成す ただそのコトと 今を生きている 完全に集中している選手の眼差しに、強く心を動かされます。まるで青銀の湖面のようです。

存在

言の葉に触れると 心の内の小さな蕾が ぽうっと開くのがいいの 眼差しに出会うと 心の底の秘めた花火が チリリと燃えるのがいいの 掌に手を合わせると 心を護る堅固な扉が ふわりと開くのがいいの あなたのその言の葉と 眼差しと手のひらが 美しく眩く輝かせている

綱引き

勝負の綱を引き合っている 地を踏みしめる圧は高い 重心を下げ微動だにせず 心持ちは静謐へと向かう 意識がひとつの束になる 綱を握る掌は燃えるようだ 何万と数えたスイングにより 鍛え上げた全身が支えている 足並みを揃えじりじりと引く 一瞬の緩みは傾斜を生んで 手繰り手繰られる綱となる 勝利の女神は静観している 想いの機微を 命の爆発を 緩まず引き合う勝利の行方を 青く広がる天空に在り 口角を少しだけ上げたまま 恍惚として時を待っている 春季大会釧根支部予選の決勝戦

春色を羽織って

広がる青空と青色のベンチに きっと心地よく映えるでしょう クリーム色に若草のライン ふわりと羽織る春コートは 皐月の北国に似合うでしょう 合わせたぼうしはつば広で クリーム色にベージュのライン 柔らかに陽射しを受け止めて 艶やかな芝と煉瓦の土の上で きらきら躍動するあの子達を 眩しく見つめるのに丁度いい あの輝きに会いに行こう 春色を羽織り陽光を浴びて そして そうあなたね アルファベットB担当の君に もう一度会えると嬉しいな

涙のあとで

悔しさで泣き出したい時は まだ まあるい頬をした 小さな彼にも訪れる あふれる涙を アンダーシャツの袖でぬぐい 頭を振り上げ前を向いた 赤く染められたままの2つの瞳は 来る時を ただ待ってなどいないのだ 睨みつけるような眼の奥に 確かに見える小さな決意   なみだはでるけど   むねはいたいけど   だけど 僕はここで戦う 涙の数ほど 小さな胸に灯がともり 吹き抜ける風が頬を乾かすごと また少しだけ 戦士となるのだ これは、プレゼントをした最初の詩なのです。 次