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稲盛和夫のガキの自叙伝/稲盛和夫/2002/★★★☆☆

日本の近代の経営者の中で3本の指の中に入るのが稲盛氏だと思います。京セラ、KDDI、JALはもとより、盛和会、京都賞など、数々の社会的な貢献をされてきた方。
日経新聞の私の履歴書を編集、加筆した作品。昭和の名経営者が何を感じ、どんなことをしてきたか、非常にリアリティをもって味わうことのできる作品です。

▼おすすめヒト
・稲盛氏のことが知りたい方
・経営者に興味がある方

▼印象的なコト
・長丁場だからこのくらいでボチボチ行こうなんて、新参者にペースを考える余裕があるものか。(省略)全力疾走でも追いつけるかどうかわからない。せめてスタートだけでも百メートルダッシュで行けるところまで行こうではないか。
・ウィーン、ローマ、ロンドンそしてパリ、どこでも技術水準の高さに目を見張ってもらっても受注に結び付かない。「みんなに申し訳ない」と時に涙があふれてくると、上西さんはこんなことで泣くとは信じられないという顔をする。(省略)最初は反発していた上西さんも、やがてこれ以上ない同志となり、京セラの海外戦略で中心的な役割を果たすようになる。
・訪米の際、私は五人にこう伝えた。「一億円の赤字は、お前たちをアメリカで修業させたと思えば、安いものだ。悔いの残らないよう精一杯頑張ってみろ」
・それを見た瞬間、私はセラミックの歴史が新しい一ページを開こうとしているのを感じた。これは将来、わが社の命運を握る新製品に育っていくのではないか、と直感したのである。
・会社を豊かにしておかなければ、不確実な社会情勢のなかで企業は生き残れない。
・患者によかしと思ってやったことだが、会社として薬事法を踏み外したのは事実であり、大いに反省して一か月の業務停止処分に従った(省略)「災難に会うのは過去に作った業が消えるときです。業が消えるのですから喜ぶべきです。
どんな業があったか知らんが、その程度のことで業が消えるのですから喜ぶべきです。
・相手の巧みな交渉術に悩まされながらも、私は頑として主張を曲げなかった。夜は寝る間を惜しんで、当日交渉した条文の変更箇所を整理し、翌日の交渉に臨んだ。
・私は自分の本心を確かめるため、毎晩ベッドに入る前に、「動機善なりや、私心なかりしか」と心の中で問いかけることにした。「自分の名を残したいという私心がありはしないか」
・「あなたはAVXとの関係を、買収とせず、合併といってくれた。この二つの言葉は、アメリカ人にとっては全く別のものだ。」


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