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成功者の告白/神田昌典/2004/★★★★☆

外務省入省後、28歳でウォートンMBA卒業。その後、コンサル、米国家電メーカー日本代表を経て、34歳で経営コンサルタントとして独立と共に執筆活動を開始。10冊以上の著書があるが、本書は37歳の時の本。
読むとわかるが神田さん自身の本を小説風に仕立てたとても読みやすい作品なのですが、開成高校から上智大学といった経歴や、37歳の時点で自らを「成功者」と呼ぶあたりにかなり独自の価値観を感じる一方、この本自体は体験談から帰納法的に法則を言語化されていて、非常に興味深い作品です。

▼おすすめのヒト
・新しいビジネスを立ち上げる担当の方
・仕事はうまくいくと、プライベートがうまくいかない、といったバランスで悩んだことがある方

▼印象的なコト
・ビジネスで成功するためには、いつ市場に参入するかが鍵なんだ。
・第一のポイントは、このビジネスはまたは商品が成長カーブのどこに位置づけられているのか、第二のポイントは、ライバル会社との比較で優位性があるかどうか。第三のポイントは、ビジネスを継続するためにじゅうぶんな粗利が確保できるモデルか。
・独立して軌道に乗るまでのいちばんつらい時期、いちばん自分が揺れる時期というのは、顧客を100人獲得するまでなんだな。
・100回自分で宣伝するよりは、ひとりの顧客の声を聞かせた方が効果的だ。(省略)結果的に、無料のほうが早く、しかも安くビジネスが立ち上がる。
・ネット環境では相手が見積り依頼をしたとき、数時間以内に見積りが返ってこないと契約率は激減する。お客様は具体的な情報をスピーディに提供されないと契約できないんだ。
・ユキコは、頭では夫の成功を喜ばなければならないとわかっていた。しかし感情は複雑だった。夫だけが社会で活動して認められていく。自分だけ置いていかれるのではないか、という不安。
・人間が集まると感情の場をつくる。それは家庭でも職場でも同じ。ポジティブになるグループがあると、その動きとバランスをとるようにネガティブなグループができる。
・根本的な原因は、クレームの質が変わってきているのに、会社がそれについていけないことなんだ。
・夫婦仲が悪いと、そのバランスを元に戻そうとして子供がよい子になったり、悪い子になったりする。
・鬼の経営、仏の経営のどちらかがいいかということではなく、仏の経営の中には、鬼の部分もあるんだ
・企業の成長段階に応じて、活躍する役者が違うんだよ。

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