見出し画像

まず、戦略思考を変えよ/田坂広志/2001/★★★★★

多摩大学教授、ローソン取締役、日本総合研究所フェローなど、シンクタンク、コンサルタント、学者といった様々な顔を持つ田坂氏。経歴からしてアカデミックな観点での構造化、抽象化と、言葉選びが素晴らしいことに加え、ビジネスの現場感覚や、人間に対する考察がとても深いです。田坂氏の本は、ほとんど全てを読んでいますが、この本はその中でもトップ3にはいる20年前の書籍が今でも全く色あせない1冊です。

▼おすすめのヒト
・プランニング系スタッフの全員
・組織長、事業責任者の全員

▼印象的なコト
・「ネット・オークション」とは、インターネットを用いて数百万人が集まる場でオークション(競り)ができる仕組みです。(省略)こうした「新たなビジネスモデル」は、市場に「新たな競争ルール」をもたらします。
・「抜去り」の戦略思考ではなく、選考ランナーがこれから走っていく方向を見定め、その場所に最短距離でいち早く先回りするという「先回り」の戦略思考を身につけるべきなのです。
・たとえ「次なる主戦場」が見えていたとしても、それが、はたしていつ頃の「現在の主戦場」になるのかを知る必要があるのです。そして、現在からその時期までの時間、すなわち「戦略の待機時間」とでも呼ぶべきものを理解しておく必要があるのです。
・「企業の動向」を予測するのではなく、「市場の形勢」を洞察することです。
・一つの戦略を実行すると決めた時、それを強いコミットメントで支えることができないため、「戦略の待機時間」が予想よりも伸びた時、それを信念をもって「待つ」ことができません。
・ある戦略について社内合意を得ていくとき、こうした「重層的な目標」を明確に語っておくことが極めて重要です。
・「未来進化」と「原点回帰」が同時にやってくるという理です。
・「重層的な戦略を準備する」ということには、「二の矢、三の矢を準備する」ということ以外に、もう一つの大切な意味があります。それは、「一つの矢で、いくつもの的を射る」という意味です。
・「経営とは、矛盾との対峙である」との覚悟や、「マネジメントとは、矛盾のマネジメントである」との覚悟を、我々が失ってしまったからです。
・「波乗り」の戦略思考においては、「ビジョン」が大切なのです。
・ビジョンというものにも適度な「遊び」が大切なのです。
・21世紀、戦略は最高のアートになる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?