観光仕草でよい 2023.07.15

土曜日。
6:00起床。身支度して7:30に出発。
梅田から新大阪へ出て新幹線で品川へ。親族の少しかしこまった食事会に出席するため上京する。食事会は翌日で、今日は夫とふたりで自由に過ごす。

新大阪の駅は朝から人がいっぱい。コンビニの会計にできた列に並んで朝食を調達する。志津屋のカルネとアイスカフェオレ。
快晴。新幹線の道中、頭が白くない富士山が見えた。頭が白くない富士山はのっぺりとしていて書割のようだったけれど、逆に存在感がありモノリスみたいな異物感があった。麓の街が黒い山に支配されている妄想をする。頭が白くないだけですいぶんと印象が変わるのだな。

品川からJR山手線に乗り渋谷で降りてそこから京王井の頭線で駒場東大前。駅のロッカーに荷物を預け、少し歩いて日本民藝館へ。
夫が入館料を支払った受付の小窓がめっちゃ小さくて笑ってしまった。中の人の顔がほぼ見えない。

ぴかぴかの木の床をミシミシと音をさせながら歩き、展示をじっくり見る。小さい仏像やらなんやらいろいろ、そのミニマムな世界観のひとつひとつに没入した。
アフリカの木彫りの像、もはや木彫りとはいえない朽ちた木の人型のようなもの、迫力があった。隣に並べられた芹沢銈介寄贈のハシビロコウのような佇まいの鳥の木彫りにもしみじみと見入る。よく見ると嘴部分が折れていて、接着剤でつけられた跡が見えた。
棟方志功の作品がたくさんあり、今朝新幹線の中で聞いていたラジオで、青森にある棟方志功記念館閉館の話題を聞いたところだったので、なんだかスピっていると思いながら鑑賞。青森の記念館なんとか存続してほしいなと外野が勝手ながら思う。風神と題された作品のビューッという風の感じに見入る。
物販コーナーで記念に白磁の箸置きをふたつ購入した。
今日は西館も開放日で見ることができたので、一旦出て昼食を食べてから再び戻ることにする。

駒場近辺を少し散策して、今まで見たことのない風貌のこじんまりしたフレッシュネスバーガーも気になったけれど(後で義弟に聞いたら1号店らしい)、せっかくやしということでたまたま見つけたおしゃれなカフェのサンドイッチを食べることにしたらめっちゃ高くて内心私はビビった。ほぼ葉物野菜のみのサラダだけでも高いのに、トマトのトッピングつけるだけでプラス200円とかでびっくりした。でもコーヒーもサンドイッチもバナナケーキもとても美味しかった。これが東京…。

その後、日本民藝館西館→駒場公園→旧前田家本邸→日本近代文学館。
日本近代文学館の展示は芥川龍之介の羅生門に関するものだった。羅生門は映画で見ただけで原作は読んだことがない。羅生門どころか私はこの施設で紹介されている書物を何一つまともに読んだことがない。

その後、駅のロッカーの荷物を取って渋谷まで歩いて移動。歩いて街並みを見たかったけれどわりとすぐに繁華街に着いてしまった。スクランブル交差点を渡る人々の一員になる。電車の遅延もありつつ有楽町のホテルに18:00前に到着した。

汗だくになったのでシャワーを浴びて、先にホテルに到着していた義理の両親と合流し夕食へ。義父のリクエストのすしざんまいへ行ってお寿司をご馳走になる。店の前には例のポーズをキメた社長の不気味な像があり、それをみんなで囲んで記念写真を撮った。観光仕草でよい。

夕食後一旦ホテルに戻ってから、再び散歩に出る。
有楽町のホテルから東京駅の前を通って皇居の近くまで。
東京駅周辺は過剰な照明がなく全体的に薄暗い。それが生ぬるい夏の夜にはよく合っているような気がした。東京駅から皇居に続く広い道を歩く。人もまばらで広々としていて気持ちがいい。そのまま歩いて日比谷駅まで行って帰りは電車で戻る。途中のコンビニでパイナップルジュースを買って飲んだ。

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