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『ミッドナイト・トーキョー』セルフライナーノーツ 〜後書きに代えて〜
【注意!】
この記事はゲーム作品『UNDERTALE』に関する重大なネタバレを含みます。
全クリアしていない方はご覧にならない事を推奨します。
ご覧くださいましてありがとうございます、牡蠣P(OystrP)と申します。
2020年8月に開催された海外ゲーオンリーイベント・UNLIMITED EX6を初出として『ミッドナイト・トーキョー』というUNDERTALEアレンジCDを頒布しておりますが、本文章はこの作品のセルフライナーノーツとなります。
地下世界の空港とエアラインをイメージした、前作『NewHome Underground Airport』から引き続いて「聴く同人誌」という基本コンセプトで作らせていただいたのですが、前作以上に色々な要素を詰め込んでおりまして…
これは音だけでは全てを説明出来ないなと思い、こんな記事を書き起こしてみた次第です。
長い文章になってしまうのですが、作品と共にお楽しみいただければ幸いです!
『ミッドナイト・トーキョー』
by UnderWorldOrchestra
時間軸:TPルート・エンド後
楽曲アレンジ:牡蠣P
ジャケットイラスト・デザイン:絹越ソイ
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2020年——
空路の拡大により、すっかり旅行文化が根付いたモンスター達は、世界のあちこちで自由を満喫していた。
とりわけ、東京は人気が高く、人並みに混じるモンスターというのもごくごくありふれた光景だった。
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本作『ミッドナイト・トーキョー』アリスブックスにて頒布中です!
・ジャケットについて
ジャケットはファッション雑誌とかのトップを飾りそうな構図を目指して、渋谷のスクランブル交差点に骨兄弟を立たせました。絹越ソイ先生によるかなりの力作です。
2020年1月頃に渋谷でいろいろ写真を撮りまくって、その中から一枚セレクトして描き起こしていただきました。
元◯MVかつ元F◯REVER21のところは今だとイ◯アなんですが、これは撮影時期の違いによるものです。
色々と小ネタを隠しておりますので探してみてくださいw
さらっとグリルビーズが渋谷に進出してて爆笑してしまったのですがw
グリルビー相当儲かってるんじゃないですかねこれ。
最初にリクエストした時は「工数かかりすぎて無理!」と別の構図になりかけたんですが、紆余曲折を経てやっぱりこのイメージになりました。
ソイ先生、無茶なリクエストに答えて下さってありがとうございます&スイマセンッしたあああああああッ!!!!(リニア級超速土下座
・コンセプトについて
作業が始まったのは『NewHome Underground Airport』を作り終え、M3-2019秋が終わった後の頃。
最初は脈絡なく「Think Comical」なんて仮題でコミカルなものを作ろうとして妄想を繰り広げてました。
骨兄弟が同人イベントに出展するとかしたらどうだろう、とか。
まだブレブレの状態でした。
…最もタイトルとかは変われど「コミカルなものをやる」っていう考えは終始念頭に置いてはいたので、出来上がったものはかなり明るめの作風になったのではとは思いますが。
さて、そんな中ふとライブラリから取り出した音楽。
エイベックスのSUPER EUROBEATシリーズに入ってるalexisの「ONE NIGHT IN TOKYO」と言う曲でした。
ネオンサインに溢れ、有り余るほど立ち並ぶ奇抜な店、
華やかな街路、交錯する人間模様、
魑魅魍魎入り混じる、眠らない街・東京——
コンセプトが決定的になったのはこの曲を思い出した時でした。
偶然にもオリンピックの開催予定もある(延期になったけど)、
そんな2020年・東京の夜をゴキゲンな地下世界のモンスター達が闊歩してるとしたら…?
斯くして、まんま『One Night in Tokyo』なんて仮タイトルを付けて作業を始めることとなったのでした。
…因みに、その後「卑猥な雰囲気をイメージしちゃうから変えた方がいい」というアドバイスがあった事で、最終的に『ミッドナイト・トーキョー』が正式なタイトルとして決定するに至りますw
・イントロ
1. One Night in Another Home ( Intro )
( From : Undertale [ Home ] , [ Menu ( Full ) ] )
イントロは、モンスターが当たり前のように街を歩いている東京、モンスター達にとってホームとニューホームに続いて「もう一つのホーム」となっている東京、その東京の夜の喧騒を表現しました。
前半のアレンジはホームの家で流れる「Home」をベースに、参考としてFPMの「City Lights」あたりのお洒落な雰囲気で演出してみました。
(ほとんどインスパイアされてしまったような形になってしまったのですが)
後半は「Menu ( Full )」のアレンジをどこかの店のBGMっぽく背後で流して、街の喧騒と融合させてます。
ジャケのベースになる渋谷の写真を撮りまくった際に、街の騒音も使えそうだと思いマイクを向けてみたりしてまして。
「新型〜」と言う音はこの時たまたま録れてしまったものです。何かの団体ですかねこれ?
(別に入れなくても良いのに)2020年の混乱ぶりを後で思い出せればと思いまして、敢えて取り入れてしまうことにしました。
ナイスクリーム屋の音を入れたのは魔が差した結果です。自分で喋りましたw
だいたいこんな感じじゃないですか移動販売車ってw
作中で出てくるこのトチ狂ったナイスクリーム屋ですが、ただの日本人で not equal ナイスクリームガイの設定です。
ナイスクリームガイ当人はこの場にはおらず、フランチャイジーとして大成功したと言う体です…
・サンズ&パピルスパート
2. #Interlude - Shibaura Midnight Brother’s
( From : Undertale [ Dating Start! ] )
舞台は深夜の港区芝浦から。
サンズとパピルスが芝浦で落ち合って、夜のドライブに出発するまでを描いています。
手持ちのライブラリから使えそうな音源を上手く貼り合わせてラジオで選局してる様子を表したり、効果音を上手く入れて車が動き出したり。
パピルスの車はエンディングでもお馴染み、赤いロードスターの想定です。
自慢の赤いモンスター!(彼らもモンスターだけど)
煙草に火をつけてるのはサンズです(ズニキと煙草はよく似合う)。
火をつける音はマイクにジッポ(私物)を向けたりしてましたw
後半には「Dating Start!」をラジオのイントロで有名な「Bittersweet Samba」っぽくアレンジしたブツを入れました。
アイデア出しをしていた頃のアウトテイクでしたが上手くハマってくれました。
(タイトルはその名も「COOLSKELETON95の◯ールナイト◯ッポン」w)
3. Driving Start!
( From : Undertale [ Dating Start! ] )
夜の首都高、流れていく街の夜景を横目に颯爽と駈けぬける2体のスケルトンと赤いロードスター。
そんなイメージで爽やかなアレンジを目指して、いわゆるダンスミュージックノリのものを作ってみました。
イントロで普通の8ビートのループから四つ打ちに入る展開ですが、
これはSUPER EUROBEATシリーズに入っているPHILの「CRAZY & READY」という曲からアイデアを拝借していたりします。
四つ打ちに入ってからは中々上手くハマるアレンジが出てこず難航してたのですが、試しに旧名義時代に作ったアレンジからベースラインを拝借したところ一気に進むようになりまして。
あまり日の目を浴びなかった代物だったのですが、ここで役に立つ事になろうとは…過去の自分も捨てたものじゃ無し。
…さて、キチガイなナイスクリーム屋(not equal GUY)が煽りながら彼らを追い抜いていった事で事態は急変します。
ちゃんとドップラー効果っぽくしたんですよこれ。
このナイスクリーム屋、バンにロータリーエンジンでも積んでるんでしょうかねw
4. Driving Fight!!!
( From : Undertale [ Thundersnail ] , [ Dating Tense! ] , [ Dating Fight! ] , [ Dating Start! ] )
…はい、煽られたパピちゃんに火がついてしまいましたw
本作で真っ先にやろうと思っていたパピルス×ユーロビートな首都高バトルです。
アドバイスがあって「Thundersnail」を背後にシーケンスとして入れたり、
(これもバトルの音楽として最適ですしね)
効果音もスリップ音やらギア音やらふんだんに入れてカーチェイスの雰囲気を演出しました。
クラブノリっぽい曲ばっかり作ってきた立場では意外でもあるのですが…
何分、ユーロビートなんて今まで作った事なくてですね…
とにかくSUPER EUROBEATシリーズを聴き漁ったりとか、解説記事やらなんやらを漁ってどうにか仕上げられたところです。
基本は抑えたつもりなので、最終的には上手くハマったんじゃないですかねえ…多分…
サンズは最初、彼をなだめようとしている想定です。
まぁそのうち諦めて一緒になって楽しんじゃうのですが。
…と言うことで途中でカメラのシャッター音が入ってますが、これはパッケージを手にしていただいた方ならお分かりいただけると思います。
悪ノリして自撮りしちゃってるんですねぇw
このアレンジ、実は仮タイトルの時点で「Can’t stop my Roadstar!!!」という名前だったのですが、勝利していい気になっている彼らは最後にある強大な力によって「stop」させられてしまいます。
コミカルに終わらせたかったので、もしかするとツッコミどころ満載かもですが
どうか生温かい目で見てやってください…(法律的にスピード違反どころじゃねえだろ、とか)
・メタトンパート
5. #Interlude - Akasaka Boring Robot
( From : Undertale [ It's Showtime! ] )
試験電波の合間を縫うように流れる、それっぽい音楽にそれっぽい風景を流すだけの番組、昔のアニメの再放送、日本の祭り大全…
挙げ句の果てにお決まりの安っぽいテレビショッピング!
…舞台は赤坂の超高級マンション最上階の一室から。
念願叶って地上のセレブリティに仲間入りしたメタトン。
しかし蓋を開けると、そこには仕事漬けの日々が待っていた。
深夜遅くに帰ってきても大した楽しみもない(そして明日も仕事、人気者は辛いねえ…)
そんな多忙なスーパースターによる深夜の一幕を切り取ってみました。
我が家、深夜2時3時とかにテレビが点いている事が多いもので、あの辺りの雰囲気を再現してみたり。
テレビショッピングのくだりは、最近は見かけないんですけども、海外のテレビショッピングを日本で流している雰囲気を再現してみようと思いまして。
(最近はどの局もこの時間帯のテレビショッピングに力入れてますよね…)
MTTブランドのオーブンは型番が作中になかったっけと思って確認しに行ったんですが、やっぱり無かったので作りました。
META-5000000(メタ・ファイブミリオン)。僕が大好きなMETAFIVEと掛けてますw
6. Midnight Showtime! -真夜中ノショウタイム-
( From : Undertale [ It's Showtime! ] )
深夜の赤坂、散歩するメタトンに出会う人との小さな奇跡(と少しばかりの大騒動)
そんなコンセプトで、音系人生で初めて歌詞というものを書き
歌ものとして仕上げるに至りました。
ゆえに完成に至るまでかなり難航した一曲でもあります…w
まずはどんなストーリーを乗せるか、と言うところから始めてですね…
最初はKraftwerkの「Showroom Dummies」に触発されて、
地上進出以降に出来た汎用メタトン型ロボ(!)を作って4体で展示場を破壊して反撃するとか、それでは破滅的すぎるのでその汎用型たちとゴキゲンに闊歩するとか。因みにどちらも舞台はお台場でした。
…まぁ結局のところボツに至るわけですが。
大体設定も飛躍しすぎちゃったしで。
ただ最後まで残したアイデアが一つだけあってですね…
一番最後に入れた演出で、ラボで出会った時と同じようにテレビ局の壁を破壊するというのがそれです。
(だから舞台がお台場だったり赤坂だったりなのですがw)
…さて煮詰まっていたある夜のこと、仕事上がりにいつものようにテレビを点けたのですが、いつもは地上波なのにBSに切り替わってたままで。
たまたま流れてた番組がBS朝日の「真夜中ノピクニック。」という番組でした。
深夜の都心を出歩き、タクシードライバーに密着したり、
そのうち再開発で取り壊される場所で変な建物を増築する人を紹介したり、
深夜にぴったりの音楽を紹介したりトークを繰り広げたり…
なかなか見かけないコンセプトの凄い番組でした。
(もう一回再放送してくれないかなぁ…)
ここで閃きました。
深夜に退屈したスーパースター・メタトンが夜の都心を歩き回る。
ふと道端で出会った人に小さな奇跡を起こす…
これだとなりまして。
ワクワクした僕はすぐにベースになるアレンジを作り上げました。
(ですから邦題は番組タイトルのオマージュになっています。)
この時点で舞台を赤坂に移しました。
あの辺一帯って芸能人が多く住む場所ですし、ウォーターフロントよりも起伏に富んでるなと思いましたので。
テンション系を盛ったリフ、小気味よくドコドコさせたリズムマシン、原曲をできる限り壊さないようにオシャレでワクワクするような雰囲気を目指しました。
歌詞は一度日本語で乗せたいイメージとかストーリーの流れを書き上げたのち
(パッケージにも邦訳として載せてるものになります)
グーグル先生やらDeepL翻訳やらWeblio辞書なんやらを行き来して、音にハマるように翻訳をしていきました。
なので翻訳とかはツッコミどころが多いかもですが、これもどうか生温かい目で見てやってください…
偶然公園で見かけた酔っ払いの相手(これ実はモデルがいます)をしたり、夜中に出歩く少年に帰るよう促したり…(せっかくだからと一回EXに変身してあげちゃったりしてます)。
メタトンが本来持っている優しさを前面に出そうと思いまして。
声についてはメタトンだもんでロボットっぽくボコーダーボイスです。自分で歌いました。
GWのセールで手に入れたiZotopeのVocalSynth 2というプラグインに大いに助けられました。流石に小生の生声なんてとても使える代物ではないので…w
最後の「Showtime Non Stop…」はまんまKraftwerkのオマージュです。
これはどうしても入れたかったもんでw
結局出来上がったのがアンリミ6の3日前と言う、ドタバタにも程がある状況だったのですが、自分の中で歌ものを作る上で一つの枠組みが出来上がるに至りましたし、次回以降もこんな路線の歌ものは入れてみたいなあと思いつつ…何かあるかもしれませんね…
・トリエルパート
7. #Interlude - Roppongi Bathroom Mam
( From : Undertale [ Heartache ] )
もう二度と会えない息子たち、消えることの無い胸の痛み。
せめて今だけはこの痛みを洗い流して——
舞台は六本木にあるシティホテルのバスルーム。
背後に流れる「Heartache」のアレンジはトリママパートで一番最初に捻出したアレンジでした。
消えることの無い胸の痛みとそこから振り切ろうとする彼女。
そんなトリママの心象を表してみようと思い、しっとりしたバラードを志向して作りました。
…結局アレンジが繋がらずにインタールードとして入れるに至ったのですが。
トリエルは教育者として世界を飛び回っていて、この時は東京に立ち寄っている想定です。で、ラグジュアリーなシティホテルのバスルームに立たせようと。
更にそう言う訳でトリママ脱いでます!!
でも湯気か何かで大事なところは見えてないでしょう、多分!!
あとあれですね…妄想ですがルームサービスとかで、
「シャンプーを持ってきて欲しいの…ええ、ペット用で4リッターくらいの」
…ホテルなんでこう言うやりとりがあるかもしれないですねw
因みにシャワーの音はラグジュアリーとはかけ離れた我が家の風呂場の音です。
シャワーを出し入れしながらマイクを向けたりしておりましたw
…さてトリママパートは当初はしっとりしたバラードで統一しよう、
最初はそう思って手をつけたのですが中々先に繋がらない。
そもそも舞台をどうしようと思いながら、ソイ先生に「シティホテルが多そうな場所って何処だと思う?」と訊いてみたところ。
意外にも「六本木」という答えが返ってきまして。
なのでそのまま六本木を舞台とすることに決めたのですが。
…ここで魔が差しました。
そういや六本木といえばディスコだよなー、と。
この詳細は次の曲で書きますが、
そういう訳で後ろにディスコまで向かう描写を入れて繋ぎとしてあります。
おもむろにキツめの酒を口に含み、向かう場所は——
8. Heart-Q-ache Disco Queen
( From : Undertale [ Heartache ] , [ Bergentruckung ] )
彼女には、この東京でだけ見せる「もう一つの顔」があった。
地上の現代史を振り返ったとあるドキュメンタリー番組。
ある日、晩酌しながらその番組を観ていた彼女は
1990年前後に東京で起きたとあるムーブメントに釘付けになっていた。
イ・ケ・ナ・イ ママの、キケンな授業が今始まる——
…トリママをボディコンにしてバブリーなジュリテクをBGMにジュリ扇ぶん回させたい!!!
魔が差した結果、こんな妄想が出来上がってしまいました…w
ベンチマークとして、バブリーな頃の曲として有名なMAXIMIZORの「CAN’T UNDO THIS!!」とか、beatmaniaIIDX 14 GOLDのボス曲「Sense2007」を想定していました。
結構それっぽいノリは出たんじゃないでしょうか…w
手持ちの音源に1990年前後のレイヴサウンドっぽい音色がたんまりとあった事も後押しになりました。
メインのメロはブラスを重ねて、どことなくアンセム感を出してみたり。
リズムについてですが…
本来「Heartache」は6拍子(3拍子?)の曲なのですが、四つ打ちにハマるように4拍子に構成し直しています。
聴く人によっては違和感を感じられるかもしれないのですが…
こういう曲調の場合、流石に3拍子ではノリが出ないので…
曲タイトルも「Heartache」=心の痛み、この原作タイトルを少しもじって
「Heart-Q-ache」=Heart quake=恐怖に震える? とかにしたりしてます。
我ながら遊んでますw
元々中ボス曲なのでちょうど良いんじゃないかと思いまして。
終わりの方にちょっとだけ入れたゴアパパのアレンジですが…
その名も「Asgore Is Dead」!! 酷いタイトルですが…w
元ネタはこれまたバブリーな頃の曲として有名な
L.A. Styleの「James Brown Is Dead」から引用しています。
因みに元ネタのこの曲が世に出た時JBはまだ存命だったんですが、
同じように当然! ゴアパパもちゃあんと生きてる想定です!
…まぁトリママなんで、この位の事はしでかすだろうとw
さて、ここで熱狂も冷めやらぬまましっとりとアウトロへ繋がっていきます。
・アウトロ
9. Good Night, Another Home... ( Outro )
( From : Undertale [ Good Night ] )
短めですが、アウトロとしてこんなしっとりしたアレンジを最後に入れました。
イントロからRepriseとなるように少し音を拝借したり、ゆったりしたパーカッションを入れたりして、終わりに相応しい心地良いサウンドを目指しました。
モンスター達に囲まれて、いい夢が見れたらいいなあと思いながら…
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…さて、今作はここまでで終わりですが、
本当は別なアイデアもあったりしてまして。
秋葉原でアルフィーを歩かせてアンダインとデートさせたりとか、
メタトンを新宿のホストの帝王にさせたりとか、
色々あったのですがそれはもう眠ったままになるかと思います。
(どこかで引っ張り上げるかもわかりませんが)
あと最後まで作って気がついたんですが…
みんな港区から殆ど出てねえじゃん!!!
…ゴッゴメン(汗)
…ところで、このセルフライナーノーツはまだ続きます。
一度お手に取った方ならお気づきかもしれませんが、
この作品、実はOne more thingを隠してあります…
ネタバレ厳禁!!
ちょっと行間を空けておきますので作品を手にしてない方はここでページを戻って置いた方が良いと思います!!
…大丈夫ですか?
…はい、大丈夫ですね。
では行きます…
・Bonus Track ※ネタバレ注意
10.RE-CALL#01
( From : Undertale [ Snowdin Town ] )
…これちょっと長い無音が挟まってますがエラーではないです!w
このトラックですが、ズバリ!セーブデータの巻き戻しを表現しました。
作中のSAVEの概念については色々な所でも描かれているのですが、あれこれ考える内にいっそこれを音でやれないか?と思い立つに至りまして。
元々このアイデアは前作『NewHome Underground Airport』の時に入れるつもりでいたのですが、不慮の事態があって完成させられず…
今作でようやく入れるに至る事となりまして。
巻き戻る展開としては、砂原良徳の「No Sun」という曲の後半部分からイメージを拝借しています。
無限音階のなかを様々な音イメージが速度を速めながら飛び交う…
これは時間が巻き戻る表現にピッタリだと思いまして。
そうした訳で『ミッドナイト〜』と『NewHome〜』で作った曲をサンプリングして、逆の曲順に辿っていく構成にしてあります。
(結果として『NewHome〜』と『ミッドナイト〜』が続き物のようになってしまったのですが、実のところそこまで意識はしていません)
そして突然音をカットアウトさせてスノーフルのサンズの部屋に戻ってるという構成。ここまでの流れはずっと頭の中に置いてありました。
…問題はそこに至るまでの導入をどうしようか、という所だったのですが、
2020年8月頭ごろ、Fangamerさんが「ハッピを着たパピルス」という超特大級のネタを上げてきてですね…
…そうか、夏祭りなら見事に日本だし東京だしぴったりハマるぞ!
と思うに至りまして。
夏祭りに遊びにきてる兄弟が突然ロールバックさせられる、という構成で導入を作ることにしました。
(これは初出で頒布する予定だったアンリミ6の数日前の話です)
ふぁんげまさん…罪作りやで…w
これを編集している時はあまりにも気持ちが入り過ぎてしまいまして…
「幸せそうにしてるのに…パピルス、サンズ、本当にごめん…」
と泣きながら最後のバウンスボタンを押したものです。
因みに…これはあくまでも設定上だけですが、セーブデータを巻き戻す理由についてはモンスターと人間が共生するにあたって表出するであろう負の側面をフィーチャーしている想定です。
モンスターの地上進出とは逆に、人間側による地下世界への進出。
無秩序な開発と環境破壊、格差の拡大…
そういった辺りをきっかけとしています。
大体人間だけ取り出したところでも、解決していない問題が多いですしね。
…ところでこの辺りをジャケ担当のソイ先生に話したところ解釈が違うということで、曰く。
「『久しぶりにアンテで遊ぶか!!』ってプレイヤーがリセットしたんじゃないの?」
…リセットについては皆様のご想像にお任せします(オイ
・最後に
…さて。
セーブデータも巻き戻しちゃいましたし、
ここで僕がアンテアレンジをやる上での時間軸も一回巻き戻った形になります。
そうした訳で、もう暫くはTPエンド後前提のものはやらないつもりです。
次はNルートかGルートかいずれになると思いますが、現在鋭意制作難航中です!w
この作品を、地下世界周りでこじらせた方々は特に!ですが
何とぞ末永くお楽しみいただければ本当に幸いです!
次は2021年の春頃、また違う作品でお目に掛かれればと!
どうぞよろしくでございます!!
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