Oyster Sauce #6 『天国と地獄』

「釜揚げうどん 天国と地獄比べ」についてもう少し。

天国でも地獄でも釜揚げうどんが、それはそれは大きな釜に入って供されるとか。しかも物凄く狭い部屋で、とーっても長い箸が用意されている。地獄では、我先にと、とーっても長い箸で釜の中のうどんをすくいとろうとするので、お互いの箸が邪魔になり「おい、邪魔だ、どけ!」と怒号が飛び交い、一向に食べることができない。一方で、天国ではと言うと、その長ーい箸を使って、大きな釜の向かいにいる人に「はーい、お先にどーぞ」ってな具合に食べさせてあげ、お互いが助け合うことで美味しくうどんを食べている、って言う話し。

応援し、応援してもらう事が「互助」ということだが今回のステイホーム期間を通じて経済が、社会が、互助で成り立っていることがより鮮明になっている。ビジネスを行う際に売上をもたらしてくれる「お客様」にはスポットライトが当然に当たるが、会計的に費用に関連する事になる「仕入先や従業員」にはスポットライトが当たりにくい。

今後、国内人口、労働人口は間違いなく減少していく。人手不足倒産も発生しているので、人的資源に関するビジネスが盛んになっているのも頷ける。事業は自分一人では出来ない。支えて下さる多くの人の協力があって初めて事業となり、関わりある人たちが皆、喜びを分かち合う事が出来るモデルが理想。

「三方良し」は近江商人の精神で、買い手よし、売り手よし、世間よしを基本として豊かな経済圏を作り出した。その精神を今も守る総合商社・伊藤忠は元気だ。




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