甘ったるいシロップの中に溶けた、作為的に入れられた毒みたいなそういう悪い夢の1番クライマックスの部分だけ抽出して、落としたらすぐ割れちゃうくらい脆い瓶の中に詰めて、「お守りだよ」って渡してくれた君がずっと忘れられない。好きだと繰り返す割には私の表面と温かい場所しか求めてくれなくて、前日に時間をかけて選んだ小花柄のワンピースもすぐに脱がされてしまうし、早起きして丁寧に色を置いた顔なんて直視してくれないうちに君は君だけでデートを終えてしまうのが定例だったね。共に地獄を這った関係なのに、そういうあまりにも分かりやすいもので救われようとしている君を赦せなかった。焦った分だけ褪せていく思い出を無理やり美化してみたけれど、絶対君は私の人生最大の汚点だよ。フィルターをかけて彩度を下げても投稿できなかったこの写真をホーム画面にして、都合良く自己を犠牲にした気になって、夜の隅で残酷な幻を夢見る。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?