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ワシカネナイ その3 アレもコレも買いたい

ワシカネナイ その3 アレもコレも買いたい

「今日銀行に行くよ」
「なにしに」
「前も言ったと思うけど定期(預金)解約してカズノコ買いに行くから」


予想通りの反応ですね。昨日の夜はオカネが入ることを思ってあれもこれもと考えたのでしょう。枕元に食材の書き出しがしてありました。それにしても黒豆5合って・・・一体どれだけの人数で食べるのでしょうか?コロナで親戚は来られないと聞いていても正月はヒトが集まって来たことが忘れられないのでしょうね。

その書き出しをこっそりと隠して銀行に向かいます。普通の窓口とは違うところに通されてスタートです。
「母親の定期預金を解約したいのですが印鑑はありません。そして通帳を解約したいです。これが母親の保険証でこれがワタシの本人確認の運転免許証です」
窓口のお姉様(たぶん年下だとは思いますが)は優しく対応してくれました。

ただ、最近では保険証だけでなく病院の診察券等きちんと使っている手書きのカードがある方が本人として確認がしやすいので良いそうです。

「はい、では定期預金の解約と印鑑紛失による新印鑑の登録と通帳の解約ですね。ちなみにカードはなかったでしょうか?」
「はい、カードはあったとは思いますがどこに行ったか判りません」
「では、カードも紛失ということで処理しますね。もしあったら前もって・・・」
「前もって?」
「ご本人様が元気なうちに定期を解約して全額普通預金に入れておけばATMで引き出しができるんですけどね。そうやっているご家族様多いですよ」
「あ、なるほど」

「銀行では定期預金の解約は何があってもご本人様に店頭に来て頂かなければなりません」
「銀行側が監視を強化したということですね」
「このコロナ渦ですから親御様が一度施設に入ってしまうと面会も難しいのでご本人様が店頭にお見えになることが出来なくなります。その後施設の費用を親御様の口座から引き出そうとしても定期預金であったら同意書、委任状等があってもお支払いすることは出来ません」


「そうなると・・・」
「銀行ではどうすることも出来ません」
「ワタシは母親と店頭に来ることが出来てよかったということですね」
「そうなります」

我が家は店頭まで連れて行けて運がよかったということです。その後解約した定期預金の残額を持ってお目当てのカズノコ買いに行きました。

母親の買いたいモード発動。黒豆、たつくり、ブリ、昆布巻き、卵焼き、かまぼこ、カブ、餅菜、きんとんetc。全部言うことを聞いて買ったら冷蔵庫に入りません。
「昆布巻きは小さいのにしような、かまぼこは紅白二つ小さいのがあればいい。黒豆はもう煮てあるもので少しあればいいよね。カブは大きいの買わないで、漬けてあるパックの小さいの買っていこう」

「あれもイランこれもイランって、お前と買い物に来ると本当につまらん!」

まぁ、そうでしょうね。
みなさんも親の預金が定期預金か普通預金か一度確認しておいて下さいね。


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