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ホス狂いの始まり

数年前に、父親と祖母を亡くした私は
田舎の地方都市から都内へと出てきていた。
母親の再婚相手の家族とは、仲も悪くなく
たった1つの問題は、その再婚相手から寝込みを何度も襲われた経験がある程度だった
それも、とっくの昔の話
女子大生の頃の話。

一緒に住む事が決まった時に、全部仕舞い込んで目を瞑った。

そんな私も、30代を迎え
張り合いも何もない日々をただ過ごして、仕事もせず、適当に家事手伝いをし
受け継いだ遺産でダラダラと生きている、そんな女に成り下がっていた。


世の中は、緊急事態宣言が何度も何度も繰り返し出ていた頃。
元々バンギャで、現状の趣味は俳優の追っかけ。
貢ぎやすいタイプの女だったのだろう。
その頃、ご時世と言うやつで
私の推し達に会う事で発散される気持ちは、未消化のまま 気付かぬ内に腹の底に溜まっていた。

夏も終わり頃………
スマホでぼんやりとYouTubeを見ていた時。
オススメに1つの動画を見つけた。

ホストの動画だった

元々、ホストの見た目は嫌いじゃなかった。
ただ、コスパが悪いと思っていたのは事実で。
バンギャをやっていた頃、トーホーがまだコマ劇だった時だ。
新宿でライブに行った帰りに、ホスト達のキャッチに声をかけられるのが当たり前だった。お金があれば、打ち上げがてらホストクラブに行ってもよかったのだが、その頃の私にはお金がなかった。
風俗で働いていたけれど、全てをバンドに突っ込んでいた。新幹線や夜行バスで月の半分以上でライブに行くのだ。残るわけがない。

そんな懐かしさもあって、オススメ画面をタップした。
それが、私のホス狂いの始まり。

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